宗派について

そもそも宗派とはなんぞや.生きている間は,専門家の先生方の間をたらい回しされた挙句,死体になっても,経典の解釈の違いを主張する人々によって差別されるのか.葬式仏教と悪口を言われるが,その葬式さえ,うちは専門じゃないから出せませんというわけか.いや,世の中捨てたもんじゃない.

”ご臨終です”っていう、いい本がある。俗世に生きる坊主稼業の醍醐味を綴った本なのだが,この本に,”法界のフリーランサー”と題し,マンション坊主なる職種が出てくる。自分で寺を持たずに、マンションに住んでいて、浄土真宗でも、日蓮宗でも、どの宗派でも一通りのお経ができて、法衣も取り揃えてあって、スポット市場に柔軟に対応できるフリーランスの坊主。この本を読んだのはもう10年も前になるが、金が取れるプロというのは,こういう業態ではないかと思う。医者で言うと在宅専門の開業医といったところだろうか。

では、専門医としてのフリーランスの可能性はどうだろうか?下記は,ケアネット医療ニュースから.

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出張麻酔診療所が増加 (2005年06月10日(金) じほう社)

 「大学に残って教授を目指すか、市中病院の勤務医を続けるか。将来の選択肢が限られている若い麻酔科医に、自分なりに新たな選択肢を見せたかった」
東京都江東区で、出張麻酔に特化した手塚麻酔科医院を開業する手塚洋院長は、開業の理由をそう話す。開業は2003年11月。保険医療機関の指定は受けず、自由診療として出張麻酔を行っている。こうした診療所は都内では初めてだったが、これまで大きな問題もなく、経営は徐々に軌道に乗ってきたという。
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あなたは何かの専門医だろうか.もしそう自認するのなら,こういう、フリーランスの業態で勝負できるだろうか.組織の後ろ盾があってはじめて専門医でございと言えるのならば,その専門医には,坊主の宗派以下の価値しかないだろう.

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