最大の不幸

「この世の最大の不幸は、貧しさや病ではありません。誰からも自分は必要とされていないと感じることです」(マザー・テレサ)。

実は、この言葉の背後には、もっと恐ろしい不幸が隠されています。それは、「誰からも自分は必要とされていないことを感じられないこと」です。

幸せになるためには、まず、不幸を回避することが優先されます。最大の不幸を回避することが、幸せになる戦略において優先順位の最上位に来ます。

世の中、厳しいです。年を取ったり、肩書きが重くなったり、お金持ちになったりした人は、「あんたなんか要らない・邪魔だ」って、率直に言ってもらえません。「自分がどこでどのように必要とされるのか、そんなことぐらい自分で考えろ」って突き放されてしまいます。

それどころか、年を取ったり、肩書きが重くなったり、お金持ちになったりすると、あたかも必要とされているかのように、ちやほやされて騙されてしまいます。年を取るほど、肩書きが重くなるほど、お金持ちになるほど、最大の不幸に陥る危険性が増大するというわけです。

ですから、年を取るほど、肩書きが重くなるほど、お金持ちになるほど、自分が必要とされる場所に対する嗅覚に敏感でなくてはならないのに、加齢、肩書き、お金のいずれもが、逆に、そんな嗅覚をひどく鈍くしてしまいます。

いけすかないオヤジ達、もうろくジジイ達が、やたらと大声で喚いているのには、こういう事情があるのです。

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