ワクチンファシズムの崩壊
日本版サイレント・マジョリティの観点から

どこの国でも、いつの時代でも非国民を規定することによって世論は形成される。「国家存亡の危機」にあたって、この運動は顕著になる
これであなたも非国民2011


「日本のどこがダメなのか?」に対する中国ネット民の驚きの回答 安田 峰俊 現代ビジネス 2018.01.27 (*1):紙幅の関係上抜粋に留めましたが、できれば全文を読むことをお勧めします。
この回答の投稿者は、本人の自己紹介によれば日本生まれの中国人で、5歳で両親に連れられて中国に帰国*2)。だが、その後も日本のアニメやドラマ、2ちゃんねるやニコニコ動画・amebaなど日本のネットコンテンツに深く触れてきたといい、中国人のなかでは相当な日本通のようだ。(池田注:以上は著者のコメント。以下は著者が引用した投稿者のコメントから抜粋)
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日本人は毎回、自分たちの誤りを総括する際にまずは言い訳を考え、改善する方法を考えることはほとんどない。日本人は(こうした言い訳の際に)自分を守る余地を残しておいて、いろいろと婉曲な表現をおこない、しかもそれこそが謙虚で大人らしい姿勢なのだと考えている。これがある種の責任回避に過ぎないことにまったく気付いていない。

日本人はとにかく組織に架空の責任を負わせたがり、個人の責任を宙に浮かせたがる。トラブルが起きたときはみんなで「どうしよう」と言い合うが、誰ひとりとして問題を解決しようと勇敢に立ち上がることも、みんなで団結して問題に蹴りをつけようとすることもない。*3

結局最後にどうしようもなくなれば、世論に頼って責任を追うべき人間を選び出す。そうして選び出された人間がやるのは問題の解決では決してなく、謝罪して辞職して、あとは列車に飛び込むことだけだ。*4

私は日本人が悪であると言いたいわけではない。彼らは極めて誠実で善良だ。ただ、彼らの骨身になんら明確な正義の概念がないだけである。彼らは何が正しくて何が間違っているといったことを明言することができないのだ。*5
注釈
*1 新型コロナ流行の2年前に書かれた記事です。
*2 5歳で中国に帰国してしまったので、日本版サイレント・マジョリティの形成過程を意識できていない可能性があります。
*3 ここでも投稿者は気づいていませんが、この時点で既にサイレント・マジョリティが形成されていることは多くの日本人にとって自明です。ただ思考停止しているわけではなく、ましてや問題から逃げているわけでもない。時間を味方につける選択肢があることを知っているのが日本版サイレント・マジョリティの特長です。
*4 サイレント・マジョリティによる反攻の構図です。特高や憲兵隊が一朝にして前日までの非国民から石もて追われる立場になったのが典型事例です。ここで注意すべきは「世論」という言葉です。「世論=声を上げているのが多数派」という等式を、ファシスト達は自分で勝手に自分の頭の中に刻み込んで決して消去しようとしなかった。さらに「平民どもも我々に畏怖の念を抱いている→反抗なんて夢にも思っていない」と誤認した。それがファシスト達が嵌まった陥穽であり、この点は(全ての点ではないにしても)日独共通の部分があったでしょう。
*5 もちろん日本の市民が何が正しくて何が間違っているかを判断できないわけではありません。さらにそうとはわかっていても明言できないわけでもありません。実際、今回の新コロバブルの場合、敢えて正邪の別を明言せずに(だからサイレント・マジョリティ)、ゲシュタポ気取りのチンピラどもを泳がせておき(時間を味方につけるという選択肢)、その間せっせと裁判の準備をする。それが「極めて誠実で善良な」日本版サイレント・マジョリティの手口です。

なお、日独伊それぞれでのファシズムの形成と崩壊過程の比較、さらには「『世論』とサイレント・マジョリティの関係」については私のライフワークとなるので(なんて大見得を切ってみたいもんだ)紙幅の関係上、ここでは言及しません。

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