台湾での手足口病の流行について(98/7/2,9/18追加)

手足口病については感染症情報センターに詳しい情報がある.米国CDCの情報も参考になる.

手足口病の原因ウイルスは複数あるが,台湾で流行しているのはエコーウイルス71型.このウイルスはこれまで日本でもたびたび流行しているのだが,どうして今回台湾で50人を越えるような死者が出たのかわかっていない.CDCはすでに現地入りしており,得られた情報は順次公開されるのでCDCのサイトに注意されたい.

症例報告:劇症型の神経原性の肺鬱血が起こる.剖検では脳,脊髄の炎症があり,肺には炎症所見はなく鬱血だったという.神経原性の重篤な肺鬱血は頭部外傷,くも膜下出血などで起きるが (1),最近,IL-10の関与が取りざたされている .

予後を左右するマーカーとして血糖値があり,高血糖を示す症例では予後が悪い (2).

1. Chang LY and others. Fulminant neurogenic pulmonary edema with hand, foot and mouth disease. Lancet 1998;352:367-368.

2. Luan-Yin Chang and others. Clinical features and risk factors of pulmonary oedema after enterovirus-71-related hand, foot, and mouth disease. Lancet 1999; 354: 1682-86.

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