家事

入居が決ったら洗濯機,シャワー,セントラルヒーティングの操作方法,沢山ある鍵のうちどれがどこの鍵なのかなどを家主によく尋ねておくこと.なれないと結構ややこしいものである.また入居後すぐに隣人に自己紹介して名前を書いたものを渡して覚えてもらい,ついでにGPの住所と電話番号,階段掃除の順番(後述),ごみ捨て場(大抵はフラットの裏の中庭)の位置,コインランドリー(LAUNDRETTE)の場所などを尋ねておくとよい.

洗濯
住いに洗濯機が備えられていない時はコインランドリー(LAUDRETTE)を利用することになる.システムは日本と同じ.最寄のLAUNDRETTEの場所は隣人に聞けばよい.店で自分で洗うのもよし,管理のおばさんに預けて洗ってもらうことも出来る(SERVICE WASH).午前中預ければ夕方には仕上がっている.SERVICE WASHの手数料は店によっても人によっても大きく異なり,かなりいい加減なところがある.安いところを自分で捜すこと.1992年現在で両手一杯の一抱えの洗濯もので安いところは3ポンド50,高いところは6ポンド位とる.

買物総論
欲しい物を売っている店を知らない土地で捜すのは苦労するもの.はじめのうちはどうしても市中心部へ行ってしまうが,CITY CENTERには生活に密着した品物を売っている店は極めて少ないし,物価が高いので幻滅して返ってくるのが常である.

一般の店は平日は5時までが多く一部6時までやっている.6時すぎでも開いているのは大手のスーパー,持帰りの食べ物屋,一部のニューズエージエントだけ.銀行(土日とも閉店),郵便局(土曜日は12時30分まで)などを除いて,土曜はほとんどの店が平日と同様の営業時間である.最近は日曜も営業する店が少しずつ増えてきてはいるが,日曜開店する場合でも午後からがほとんどである.日曜午前中から開いているのはニューズエージェントと大手ーすーぱー(朝9時から)位のもの.だから日曜は原則として外に買物に出る日ではない.酒の小売は日曜は禁止されている.ただしパブは日曜も開いているところが多い(スコットランドの場合).なお公共の交通機関の運転も日曜日は激減するので日曜に出歩くのはあまり賢いことではない.

買い物各論
食べ物はセイフウェイ等の大手スーパーでほとんど済んでしまうが、日本と同様,野菜、果物、魚、肉などの生鮮食料品は,やはり専門の小売店の方が安いし品質も良いので,生活に慣れたらいろいろな店を物色すべきである。家の冷凍庫のスペースが大きければ肉、魚、野菜は冷凍物をIcelandなどの冷凍食品専門店でまとめて買うと,安くて買物の手間が省ける。冷凍物の品質は決して悪くない。ものぐさの独身者には電子レンジで暖めるだけというお手軽夕食セットも売っている.個々の食材に関しては次の通り.

手に入りにくい食品はどこで買うか?
白菜(CHINESE LEAF)大手のスーパーにある.八百屋で売っていることもある.
さつまいも(MOOLI, SWEET POTATO)中華食材屋で.大手のスーパーで類似品を売っているが,中身が赤く、味も異なる.
しいたけ 大手のスーパーでShiitake-mushroomとしてパックで売っている.日本のしいたけとはやや異なるが代用品として問題はない.中華食材屋では,干ししいたけを売っている。
大根(Dutch mooli,chinese raddish);中華食材屋で.ごくたまに一般の八百屋でも見かける.
たけのこ(BUMBOO SHOOT)生のものは手に入らないが缶詰は中華食材屋で買える.支那竹と間違えないようIN WATERと表示してある物を買うこと
パン粉(BREAD CRUMB)一般に売っているが日本のものより粉が細かい.
醤油 150mlのびん入りは大手のスーパーにある.500mlのびんは中華食材屋で

のり、たくあん、味噌、ふりかけ、日本酒、にぼし ふえるわかめちゃん,ハウスほんとうふ、厚揚げ、はるさめ、梅干し、片栗粉(POTATE FLOWERという。スターチではない!スターチというと洗濯糊のこと!)は中華食材屋でも売っていることがある.

いか(squid)冷凍ものは中華食材屋で売っている。たこは見たことがない.
たらこ(cod roe)は普通の魚屋で冬(一月以降)売っている.

女性の化粧品
化粧品名は日本語と共通のものとそうでないものがある.例をあげると
化粧水 SKIN TONER 乳液 FACIAL MOISTURER クレンジング(乳液タイプ)CLEANSING LOTION ナイトクリーム NIGHT CREAM ハンドクリーム HAND CREAM 綿棒 COTTON BUDS

日用雑貨
巨大なDIY(DO IT YOURSELF)センターが品揃が豊富で便利である.何も用がなくても一度覗いてみるととても面白い.電球,掃除用具など一般的なものは街の小さなDIYショップや”よろずや”にもある.イギリス版”よろずや”(英語でもEVERYTING SHOPで通じる)も覗いてみるとなかなか面白いところで,台所用品,食器,照明器具,テープレコーダーやアイロンなどの小さな家電用品まで沢山の品物がごちゃごちゃに積んであって,値段は安い.ありきたりのものはWoolworthにあるが,高いし,品揃もあまり豊富とは言えない.

文房具
Woolworthにもある程度置いてあるが,W.H.SMITHが品揃豊富.

家具
机,椅子,本棚など,フラット備え付けのもので足りない時は中古の家具を古道具屋で買うのが一番経済的.

寝具
ふとん(デュヴェDUVETと呼ぶ.フランス語から),枕(中身とpillow caseは別々に売られている),敷布の類はリネン類の店にある.ベッド屋にはふとんはない!.

ごみ
中庭にゴミ容器が置いてあるフラットが多い.ゴミは分別の必要はなく,またいつ捨ててもよい.ただし,アルミ缶,ガラス容器はCAN BANK, BOTTLE BANKが最寄にあるところでは環境,資源保護のためそちらに捨てるべきである.

フラットの定期のメインテナンス(階段掃除,窓拭き)
普通フラットの借主が行なうのは階段掃除と窓ふきである.階段掃除は同じ階の隣人同士が交代で行なっているところが多いので何週交代か,どこからどこまでやればいいのか聞けば教えてくれる.モップで拭けばいいだけだが,隣人は結構チェックしているのでさぼらず正直にやったほうがいい.まれに掃除のおばさんが毎週回ってきて少額の手数料(50ペンス位)とバケツ,雑巾をドアの外に出しておけば掃除しておいてくれるフラットもある.

窓拭きは自分でやっている人が多い.FIRST FLOOR以上でも窓ガラスが枠ごとはずれるようになっていたり,内側まで完全に回転したりする構造になっていて,ガラスの外側も安全に清掃できるところが多いからである.時にどうしてもガラスの外側が拭けない時があるので,入居時に窓の清掃はどうしているか大家なり前の入居者なりに聞いておくこと.業者に頼む場合にはフラットの隣人に尋ねると教えてくれることが多い.イギリスでは窓をきれいにしておくことはかなり重要で,ほこりが目立つ状態だと家主から文句が出る.

公共料金の支払
電話,電気,ガスの支払は原則として日本と余り変らないと考えてよい.しかし細かいところはフラットによって異なる.まず料金支払の名義人が誰になっているかである.名義が大家の場合には毎月あるいは3ヵ月毎に請求書が送られてきて,その都度小切手を送って支払うのが通常だが,電気の場合はパワーカードと呼ばれるプリペイドカード方式になっているフラットもある.これはパワーカード(1枚5ポンド)を最寄のスコットランド電力(Scottish Power:”スコットランドの力”ではない!)営業所か郵便局でPurchase book(掌より少し長め位の大福帳の様なもの.パワーカード方式のメーターになっているフラットならそこにそなえてあるはず)を持って行って(これがないと売ってくれない)購入し(何枚でもよいが1ヵ月の電力使用料は1世帯20−30ポンド位なのでこれを目安に),これをフラットのメーターの差込み口にいれると1枚毎(つまり5ポンド毎に)にメーターに支払った料金が登録され,この額があるうちは電気が使えるというわけ.うっかり補充し忘れても残金がマイナスで登録され,次回にパワーカードを補充した時に相殺される.

公共料金はDirect DebitやStanding Orderで支払うこともできます.Direct Debitは日本の「銀行自動引き落とし」にあたります.UK国内の銀行に口座さえあればできます.Standing Orderと言うのもあります。これは、「自動振替」にあたるもので、毎月一定額を他の口座に振り替えるものです。家賃の支払いなどに使います.電気やガスの支払いはこの「自動引き落とし」や「自動振替」にするとかなりの割引があります。

ガスも電気も2ヵ月に1度位検針にくる.検針の日時は予め何日の午前なり午後なり訪問する由郵便で連絡があるので都合が悪ければ電話をして予定を代えてもらえばよい.

テレビはフラットに備え付けのところも多い.ない場合はレンタルも出来る.テレビライセンスは郵便局で手続できる.TVINSPECTERは私(池田)の2年間の在英中1度も経験したことはない.しかしライセンスは取得しておくべきである.罰金はひどく高い. (数百ポンド)

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