診療所研修を終えて
沖縄県立中部病院 プライマリーケアコース3年次 座喜味盛哉
今回2007/8/6〜9/2の日程で佐賀市立国民健康保険三瀬診療所での研修を行いました。
日々の外来診療だけでなく、往診、中学校での防煙教育、高齢者サービス調整会議など様々な形での地域住民のために診療所医師としての関わり方を経験することができました。また臨床倫理の考え方についても触れることができました。
今回の研修を通じて感じたことは
・外来診療においてはこれまで中部病院においても一人診療所での診療をイメージして取り組んではいましたが病院では何か困ったこと、悩むことがあれば同僚、上級医すぐ聞いて対応できるという状況がありましたが、一人診療ではすべて自分ひとりで悩み解決するという責任とストレスが多いと実感しました。実際は診療所に来る方々の求めるものと病院での求められる医療とは違うので悩む部分も違うと思いますが限られた検査機器のなかで何気ない会話、診察の中にも重症、緊急性ある疾患を見極める、また検査、治療するか経過観察するかのグレーゾーンの症状にどう対処するかことがかかりつけ医、診療所医師の重要な役割だと感じました。研修中も悩ましい症例が多々あり白浜先生にアドバイスをいただくことがあり本当に一人でやっていくことの大変さを実感しました。(白浜先生が夏休みで不在のときに病院への入院紹介を決めるときも看護師さんに助けてもらいひやひやしながら決断しました。)
・診療所のいいところは患者さんの経過を毎日フォローできるところにあると感じました。調子が悪ければ患者さんは診療所に来てくれるし、周りの人が様子をみて報告してくれるといった地域ぐるみで住民の健康をみるという地域ならではの環境が大事であると感じました。実際研修初日にこられた患者さんの経過を一ヶ月間通してみることができたのはとてもよかったです。患者さんも元気になって安心しました。
・コメディカル(特に看護師)の仕事具合によって診療のやりやすさが違う。スムーズなる。レントゲンのセットから、採血、点滴、血算・生化学検査、尿検体の顕微鏡セットまで看護師がてきぱきと行っているところがすごいと感じました。コメディカルとのコミュニケーションも大事だが地域で働く看護師の教育、指導も重要との白浜先生のお言葉も納得です。
・家庭医は患者だけでなく、患者の家族、患者の周りの人すべてに目を配りケアしていかなければならないということを往診を通じて学ぶことができました。「患者だけでなく、患者の家を観察しなさい。」との白浜先生のアドバイスをなるほどと感じました。
・診療所だけでなく地域全体で住民を見ていて住民にとってよりよい環境を作ろうと努力していた。高齢者サービス調整会議など多職種のかたがたとの情報、意見交換の場があり報告するだけでなく活発に意見お互いへの要望を出し合って皆さんの意識の高さを感じました。近隣の町村の関係者との情報交換が今後の課題。
・離島診療所との大きな違いとして近隣の町村と陸続きであり、交通は不便ではなく患者紹介、搬送が比較的しやすい点があると思いました。
・臨床倫理については白浜先生の忙しい時間の合間を縫って教えていただきましたが、なにぶん時間も少なく実際それを使う機会もなかったため不十分ではあると思いますが、今まで外来、病棟で患者さんをケアしてきたなかでの問題点、困ったことをどのように取り組んでいくかの手がかりを学べたような気がしました。今後も臨床倫理については地域医療で必要になってくると感じたので引き続き勉強していきたいと思います。
今回の研修では診療所業務とは関係のないところでも佐賀北高校夏の甲子園優勝、皆既月食の観月会、地区のバーベキュー等地域住民との交流、イベントに参加することができ診療以外での地域住民との付き合い方も体験することができました。診療が終われば地域の一員として接することにより見えてくることもあるということを感じました。
一ヶ月間佐賀、診療所での生活をサポートしていただいた白浜先生、診療所のスタッフの皆様、白浜先生のご家族の皆様、そして、沖縄という離れたところから着たにも関わらず気兼ねなく接していただいた三瀬の住民の方々、大変ありがとうございました。三瀬での貴重な体験を今後の診療に生かしていきたいと思います。
最後に、2007年9月22日に研修報告会を行いました。参加者が臨床倫理の考え方、四分割法の使い方に興味を持ってくれました。機会があれば是非白浜先生にもっと詳しいお話を聞きたいとの意見も出てきました。そのときは是非よろしくお願いします。