≪地域医療研修を終えて≫
研修期間:平成19年4月2日〜平成19年4月28日
卒後臨床研修の一環として、上記の研修期間 三瀬診療所で地域医療研修を受けさせていただきました。研修内容は 診療所での診療,訪問診療の他、シルバーケア三瀬でのデイサービス,ホームヘルプサービスなどへの参加でした。約1ヶ月間と非常に短い期間でしたが、大学病院では診る機会が少ないcommon
diseaseについて身をもって体験し改めて勉強した他、地域医療というフレームを通して医療に対する捉え方/考え方などを見つめ直す良い契機となりました。
日常の外来診療は 高血圧,高脂血症,糖尿病,腰痛などといった慢性疾患を、診察とコミュニケーションを中心に、限られた医療資源(採血検査,レントゲン撮影,エコー,心電図など)の中で診ていくことが主でした。三瀬診療所での研修以前には外来診療を経験する機会が少なく、入院診療と対照的に限られた時間/資源の中で医療を完結させなければならない外来診療に当初より不安がありました。しかし、お一人おひとりと精一杯向き合っていく中で、ほんの少しですが成長出来たのではと思います。特に 印象深かったのは、患者さんと白浜先生との人間関係/信頼関係の深さでした。地域の住民の一人として患者さんの普段の生活を把握した上で診療できることは地域医療の良い点であります。しかし、そのことが逆に私にとっては高いハードルのように感じたのが正直な感想です。一朝一夕に信頼関係を築ける訳もなく患者さんとの間に距離を感じることがありましたし、また代診する際も 医師として年端も行かない私が診療にあたって患者さんのニードに十分に応えられていないのではないかと反省しきりでした。充実した外来診療の経験をさせていただけたのは、白浜先生や看護師さん方のバックアップは勿論のことながら、患者・家族として受診された方々の「将来の地域医療を担う医師を育てよう」というご協力があってこそのことであり、大変感謝しております。
研修病院外での研修は、研修病院(大病院)を外から観察する良い機会となりました。現在の医療改革は「入院治療から在宅医療へ」「大病院から地域のかかりつけ医へ」という大きな流れの中で進められています。中核病院が地域の診療所や病院と連携して地域住民の医療に如何に貢献していくべきか、地域の側から考える良い材料となりました。研修を通して、80歳過ぎても農作業を続けていらっしゃる元気な姿や在宅での最期を希望されたご家族を拝見することがありました。健康維持/健康づくりのパートナーとして関わっていく医療や在宅で介護サポートや訪問診療/看護を受けながら症状緩和を中心とした医療の必要性を強く感じました。病院という箱の中では徹底した医療管理を受けることが出来ますが、患者さんにとっての生活・日常は存在しないといっても過言ではありません。自宅や介護施設では、医療管理が必要な場合もありますが、何よりも優先されるべきことはその人の望む生活です。“戦う医療”だけではなく、“支える医療”を提供できる医師を目指していきたいと思います。
この1ヶ月間の診療所での研修は、この先 医師として働いていく上で思い出深い経験となりました。今後も 一期一会の出会いを大切にしながら、三瀬村での経験を糧に頑張っていきたいと思います。最後に このような貴重な研修をさせていただいた白浜先生,診療所/保健センター/シルバーケア三瀬の方々,そして 三瀬村の方々に心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。
◆ 研修で学び経験したこと
〔研修内容〕
・診療所での診療,訪問診療
・シルバーケア三瀬でのデイサービス,ホームヘルプサービスなどへの参加
大学病院では診る機会が少ないcommon
diseaseや慢性疾患(高血圧,高脂血症,糖尿病,腰痛など)について診療にあたり改めて勉強しました。また 地域に暮らす方々を見守り/支える保健・医療・福祉の連携について体験実習を通じて学びました。
◆ 研修の優れた点,良かった点
外来診療やシルバーケア三瀬での体験実習を通じて、
◆ 研修をさらに良いものにするには
・各自の研修目標を設定し、研修に臨むこと。
・機会があれば 他の診療所で研修させていただくと、異なった視点からこれまで気付かなかった点が見えてくるかも知れない。
◆ 研修で診療所での医療について考えがどう変わったか
提供するべき医療の在り方について、より具体的にイメージ出来る様になりました。
大学での研修では 目の前の患者さんの姿(極論すれば疾患のみか?)に目が行きがちで、入院前の生活者としての視点が欠けていたように思います。診療所での研修を通じて、健康維持/健康づくりのパートナーとして関わっていく医療や在宅で介護サポートや訪問診療/看護を受けながら症状緩和を中心とした医療の必要性を強く感じました。
◆ 保健・医療・福祉の問題点,改善すべき点
超高齢社会を迎える中、老々介護など在宅医療を支えるご家族の高齢化が問題であると思います。シルバーケア三瀬のような施設に対するニーズが高まっていくのでしょうか。
◆ 診療所実習への意見・要望
診療所での研修は、この先 医師として働いていく上で貴重な経験となりました。今後も 学生・研修医の研修受け入れを続けていっていただきたいと思います。
診療所には外来診療の参考となる書籍やケアネットDVDなどが取り揃えてあり、診療の合間に学習することが出来ました。大変参考にさせていただきました。