三瀬診療所研修を終えて(2006年) 梅口仁美
5月の1ケ月間三潜診療所で研修させていただきました。季節としては冬場の厳しさが予想される三瀬で、もっとも良い季蔀で幸運だったと思います。
大学病院しか知らない私にとって、今までとはまったく時間の流れも、検査の必要性も違っていました。重症患者を毎日、あるいは数時間おきに検査し、一喜一憂しながら治療していた世界から、年に一回検査するかどうかという世界に初めは戸惑いました。しかし、自宅で生活して外来に通ってくる普通の人たちにとってはそれで十分という当たり前のことに気づいてからは、むしろ大学に入院中だからといって比較う的安定している人たちにも自分の安心のため、あるいはルーチンなだけで検査していたなあと反省したりもしました。
そして何より驚いたのは、高齢者が非常に元気なことでした。当然ですが、大学病院では出会えないような元気な80代、90代の方々が三瀬にはたくさんいらっしやいます。デイケアに参加したり地域の中で楽しそうに生活している方々をみると、おそらく精密検査をしてしまえば多くの異常が発見されるでしょうが、本人が問題としない限りはやはり好きなようにそれまでどおりの生活をすることが重要であると思えてきました。今まではひどくなって病気がみつかった人たちだけをていたので、なんでかかりつけでもっと調べてくれなかったんだろう?と思うこともあったんですが、早く見つけて徹底的に治療することだけが良いわけではないかもしれないことがわかりました。若い人の病気は早く見つけて治療すべきなのは確かですが、高齢者に関しては普通の生活を続けることと治療のバランスは医者だけが決めることではなく、本人、家族の希望をよく聞くことが重要だと思いました。
今まで、プライマリケアに対するイメージは浅く広くで、専門的な治療は任せてしまうのでなんとなく魅力は感じないなあと思っていました。しかし、実際は患者さんといろんな話をしながら、ここ2週間の経過を聞いて、よくなった、わるくなったというのはとても楽しいものでした。顔見知りの患者さんが増えるとさらにやりがいも出てきました。プライマリケアが具体的にイメージできるようになり、魅力を感じたことが大きな収穫だったと思います。
最後に、このように充実した研修となったのは、自浜先生はじめ、診療所のみなさん、シルバーケアのスタッフのみなさんのおかげです。ありがとうございました。