実習日:2001年10月1日〜10月12日
氏名:96049 谷口一登
1. 三瀬診療所実習を選択した理由
私たち佐賀医大の6年生は、大学病院での実習、県立病院での実習が義務としてありますが、選択コースという、自分で興味ある分野を選択して実習することのできる制度があります。コースの種類は100を越えます。その中でも、白浜先生の開講されている「三瀬村診療所実習」は人気の高いコースです。その理由としては、もちろん白浜先生のお人柄もありますが、私たち佐賀医大生は、臨床を重視し、自分の能力を身近な地域に還元するように教育されていることがあげられます。
私自身、人口の少ない山村(熊本県八代郡坂本村)の出身であり、医師の少ないいわゆる僻地の医療にたいへん興味があります。村の方々の生活を支えることの難しさ、忙しさ、そして喜びを学び取りたいと考えておりました。そして、患者さんを、臓器や病気を診るのではなく、一人の人間として全人的、包括的に支えていくのに必要な患者―医師間の信頼関係の築き方、維持の仕方をも学べたら、と考え、このコースを選択しました。
また、福祉施設での実習や、往診など、大学病院では経験することはできないが、医師としての大切な仕事の内容に触れることができるというのも大きな魅力でした。
2. スケジュール
10/1月 診療所実習、ビデオ鑑賞(離島の診療所、北海道の診療所)
10/2火 シルバーケア三瀬(デイサービス)
10/3水 診療所実習
10/4木 診療所実習
10/5金 診療所実習、ビデオ鑑賞(新生児医療の誕生、ALS患者の意志疎通)
10/8月 (体育の日)
10/9火 シルバーケア三瀬(ホームヘルプ、介護支援センター)
10/10水 福田内科実習(副院長と往診)
10/11木 レポート作製
10/12金 診療所実習
3. 報告
まず、初日の朝、地図で調べて来たのですが、診療所の場所が分からず、Rショップの店の方に道を聞きました。気さくに教えて頂いて、三瀬村は人々のコミュニケーションの豊かないい村だと感じました。
診療所では、血圧測定、患者さんとのお話、と伸び伸びと勉強させて頂きました。やはり、ご高齢の患者さんの慢性疾患のフォローが多かったです。時折、感染症などの急性疾患で飛び込んで来られました。診療所の限られた設備で的確な診断をし、適切な処置と治療を行うことは、非常に難しかったです。あらゆる可能性を考え、一つずつ否定し、最善の方法を施すといった、診療の流れにうまく参加することができてうれしかったです。
シルバーケア三瀬にもお世話になりました。火曜日のデイサービスしか参加しておりませんが、三瀬村には元気はお年寄りが多いと感じました。聞くところによりますと、寝たきりの方は数える程度だそうです。早くから老人福祉に力を注がれていたためでしょうか、もしそうであれば、三瀬の方々は先見の明があるということ、実行力がすばらしいということです。デイサービスでは、送迎もバイタルサインチェックも参加させていただき、レクリェーションも楽しみました。大半は、おばあさんたちのトークの渦に飲み込まれ、ひたすらいじられるという非常に楽しい時間をすごしておりました。後日、数人の方とは診療所でもお会いしましたが、気さくに話し掛けていただいて、とてもうれしかったです。
ホームヘルプもついていきましたが、私は家事は大の苦手なもので、何一つ力になれず、申し訳ありませんでした。私がやったことといえば、草刈りや畑の話で盛り上がったことと、こたつを移動させたことくらいでした。個人的に、家事ができる方は尊敬します。たいへんですね。おつかれさまです。
介護支援センター実習では、ひたすら村の中を駈けずりまわりました。軽自動車が何とか通れるような狭い道も多かったです。介護保険の更新の手続きを説明したり、デイサービス、ホームヘルプ、受診の予定カレンダーを届けたりと東奔西走でした。
佐賀市内の福田先生にもお世話になりました。往診で大和町から佐賀市内から広い範囲で移動しました。救急車を呼んだり、同乗したり、東洋医学で気功を利用されている吉本先生にお会いしたりと、密度の濃い実習でした。先生が往診で経験されたいろいろなケースのお話や、看護婦の横田さんのお話などは非常に参考になりました。
4. 考察
私は、慢性疾患のフォロー、すなわち定期的な受診と薬剤の処方は、患者さんからの信頼がなくしてはできないと思います。薬をきちんと服用すること一つをとっても、患者さんがその薬の効能を納得されたうえででないと、飲み忘れや、自己判断で飲むのを止めたりされます。医師が患者さんに慕われ、しっかり説明することが非常に重要です。また、医師が患者さんを大切にし、信頼することも重要です。
介護保険や老人福祉にも触れることができましたが、これらは現在の社会に必要で大切な事業であると実感しました。しかし、スタッフの方々は非常に忙しそうで、かつ、肉体的にもこたえてらっしゃると思いました。介護保険は大抵半年に一度の更新でありまして、これは結構な頻度であると思います。
往診の経験は大きなものであったと思います。医師が直接自宅へ来るということは患者さんにとって大きな安心であると思います。私のような学生を快く迎えてくださってありがとうございました。患者さんの自宅に上がりこんで診療し、しっかりお話を聞くことは、信頼関係を築き、維持するのに大切なことだと思います。しかも診療所と違い、医療の設備がないところなので、医師の診察能力、判断能力がものすごく問われる状況です。その状況下での処置や説明、アドバイスなどをしっかり勉強させていただくことができて、私は恵まれていたと思います。
最後に、お忙しい中私の相手をしてくださり、糧となる話を多くしてくださった先生方はじめスタッフの方々に心から感謝いたします。ありがとうございました。