三瀬診療所実習レポートまとめ 佐賀大学附属病院研修医2年目 高橋 峰光
今回私は、2007年11月の1ヶ月間佐賀市立国民健康保険三瀬診療所での研修をさせていただいた。一般的な疾患ではあるけれども大学病院の入院患者ではなかなか診る機会がなかったかぜ症候群や高血圧症・高脂血症・糖尿病・骨折等の疾患を診ることができ、非常に勉強になった。
例えばかぜ症候群はこれまで抗生物質が無効と考えており、私は対症療法のみ行ってきたが、かぜ症候群の中でも溶連菌性咽頭炎はペニシリンが著効することを知り、Centorの基準をもとにした所見やストレップテストなどで溶連菌性咽頭炎を鑑別するようになり、以前よりかぜ症候群に適切に対応できるようになった。またこれまであまり馴染みのなかった漢方薬について勉強することができ、特に実証でかぜ症候群初期に有効な葛根湯や、鼻水・水様痰に有用な小青龍湯などが使いやすいと感じ、今後の診療に用いていきたいと感じた。
また外来に来られた不定愁訴の多い患者様に満足し納得していただくための医療面接の流れなど、白濱先生の外来見学を通じ、非常に勉強になった。大学病院で研修医になってからは指導医の外来の一部始終見学する機会は少なかったので、こちらの診療所で白濱先生の外来を拝見して学生時代とは違う医師としての視点で学ぶことができ、非常に有意義であった。
この一ヶ月間の研修は毎日が非常に充実しており、色々な経験をさせてもらった。これまで大学病院でのみ研修していた私にとってレントゲン撮影のための位置合わせや実際の撮影は初めての体験だった。胸部レントゲン撮影だけでなく下位肋骨骨折疑いや大腿骨頭頸部骨折疑いの患者様が来られたときは、丁度白濱先生が出張中であったので看護師と相談しながら撮影方法を調べてなんとか撮影した。
外来診療だけでなく、白濱先生の往診にも同行させていただいた。往診で感じたことは往診には外来よりも遥かに患者の生活状況が見えやすいという特性があり、医学的な側面だけでなく、高齢者の一人暮らしや二人暮らしの中、介護や生活に行き詰まりはないか、そういった全体的な問題点にも目を配ることができ、高齢者調整会議で他の福祉保健医療の職種の方にフィードバックできるというメリットを感じた。
三瀬村では医療・福祉・保健の連携が非常に密で、高齢者調整会議という全体会議で一人ひとりの高齢者ごとに問題点と解決策を話し合っていくだけでなく、少しでも変わったことがあればいつでもすぐに連絡を取り合い、情報を共有し問題に対処する体制ができており、故郷が離島である私にとって非常に考えさせられた。
またインフルエンザ・二種混合等の予防接種や成人・小児の健康診断、一般人に対する健康教育の場面にも同行させていただいた。特に高齢者のインフルエンザ予防接種に関しては診療所だけでなく公民館を回り、11月中だけでも村民の6割の高齢者に予防接種を施行することができた。地域に欠くことのできないドクターの仕事を実感した一ヶ月であった。白濱先生、看護師さん、シルバーケア三瀬の方々、本当にお世話になりました。
ありがとうございました。