佐賀市立三瀬診療所研修の感想 2007.9.4(火)-9.6(木)
奈義ファミリークリニック 佐古篤謙
このたび3日間にわたって佐賀市立三瀬診療所で研修する機会を与えていただきました。
今回の研修は、現在所属する奈義ファミリークリニックから2週間にわたって他の医療機関で短期間研修するという機会を与えられ、他の診療所をみせていただくことによって普段の自分の診療について振り返るというのが最大の目的でした。短期間の研修ではありましたが、大変盛りだくさんの内容で、当初の目的以外にも多くのものを学ぶことができました。
診療所は人口約1700人の三瀬村(合併して佐賀市三瀬村)にある唯一の医療機関で、白浜先生ご自身が診療所の隣に住まれ、医師としてまた地域住民の一員として、地域の保健医療福祉にかかわっておられる姿が印象的でした。
佐賀大学の初期研修医を定期的に受け入れておられ、私が訪問した間も、お一人2年目の先生が1ヶ月間の研修に来ておられました。白浜先生は研修医へも積極的に診療に参加させ、単なる見学ではなく、どんどん頭と手を動かさせる研修になっていました。私も、患者さんの呼びいれ・血圧測定・予診などをさせていただきながら、白浜先生の診療を見学させていただきました。患者さんもそのことにさして違和感なく協力してくださっていましたが、それは長年にわたる診療所と患者さんの強い信頼関係があるからだと感じました。またスタッフの皆さんも研修医の診療への参加に対して非常に親切に接してくださっていました。待合や廊下には研修医の顔写真入りのポスターが掲示されていましたが、これは患者さんへのお知らせになるだけでなく、研修医の精神衛生上もありがたい配慮であると感じました。訪問診療も見学させていただきましたが、他の訪問スタッフとの連携が大変うまくいっている印象をうけました。
今回は他にも、初日の午前中に佐賀大学での白浜先生の授業(医療倫理のカンファレンス・医療面接のビデオレビュー) にも参加させていただくことができました。医療面接の授業では、学生自らシナリオをつくってきて患者役をし、医師役の学生が8分間面接を行い、終了後、医師役→他の学生→スタッフ(患者さん1、大学院生2、研修医1、私、白浜先生)→患者役という順でフィードバックが行われ、「よかったところ」「改善したほうがいいところ」を指摘しあっていました。決して教科書的医療面接にこだわらず、言葉や態度はもちろん重視しながら、現実に即して、きちんと診断にいたれるようなclosedな質問を多用しているところが、これまで自分が経験した医療面接の授業とは異なっていました。医療面接だけでなく症候学も一緒に学ぶ場になっていたのが印象的でした。また、2日目の夜には、佐賀市医師会の勉強会にも参加させていただき、糖尿病の薬物治療について大変勉強になりました。
滞在期間中、何度か診療所裏の白浜先生のご自宅にお招きいただきました。また診療時間の合間に先生のお子さんと一緒にお話する時間もあったりと、白浜先生のご家族とも楽しいひとときを過ごさせていただきました。
こうして振り返ってみると、当初目的にしていた「診療所の医療」といった側面だけでなく、研修医や学生への教育への取り組みや、先生ご自身の生涯教育の時間、ご家族との時間もともに過ごさせていただくことができ、わずか3日間ではありましたが、大変有意義な時間を過ごすことができました。
今後の私自身の診療・研修・教育・生活のいろんな場面で、今回の経験が生きてくるように思います。貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。