三瀬診療所研修で経験したこと、感想 2006年2月28日 齊木 励 


 卒後臨床研修制度の一環として地域医療研修というものがある。そして私がその研修を受ける場所はここ三瀬診療所とのことであった。三瀬自体は福岡と佐賀の県境にあり、佐賀から福岡に行くときによく通過する通りなれた道の途中にある小さな村だ。実習の期間が二月ということもあり、最初のうちは天候が不安ではあったが、中旬をむかえる頃には雪も降らなくなっていて、通勤に支障が出ることは無かった。
 研修は月曜から土曜までおこない、火曜日は毎週午前中のみ介護老人福祉施設のシルバーケア三瀬に御世話になり、午後からは白浜先生が大学から戻られるまで代診として診療した。水曜日は午後から往診、木曜日は産業医学協会や血液センターに行き、土曜日は午前中のみの診療であった。診療所に訪れる患者さんの多くは高齢者の方々で、糖尿病や高血圧、高脂血症といった慢性疾患を抱えた人達が多かった。また季節がら、厚着をしてこられる患者さんが多く、私の想像をはるかに超える厚着をした患者さんが多く、血圧を測定するのも一苦労だった。最初はその厚着を疑問に思うことがあったが、シルバーケア三瀬で訪問ヘルパーさんについて三瀬に住まれてる人の家に訪れたときにそのなぞが解けた。この季節三瀬では気温があまり上がらず、また古い家が多いこともあり、家の中の気温と、外気とがほとんど同じ家が多く、あの厚着をしなければ家の中で寒いのだとわかった。また、シルバーケア三瀬でのデイケアでは診療所で顔見知りになった患者さんたちの違った一面をみることができた。診療所で見せる顔とは違い、リラックスされ、他の利用者の方々と楽しそうに談笑したり、お茶を飲んだり、貼り絵をする姿を見ることが出来た。また往診では三瀬に病気を抱えながら暮らす方々の生活をみることができた。往診自体は学生実習のときに佐賀市内での往診についていく機会があり、往診の重要さは理解していた。三瀬ではその重要性がさらに強く、高齢者が高齢者を介護していたりするため、診療所を受診するのが難しいためだ。
 診療所の午前中は市中病院の外来と変わらないくらい忙しい。それは人手不足と診療所という限られた枠の中での診療からくると感じた。先述したように慢性疾患を抱えた患者さんや感冒、インフルエンザ、感染性胃腸炎といった患者さんが後たたずに訪れ、それを医師一人、看護師一人で診療しているため、猫の手も借りたい状態になることもしばしばある。また感染症の患者さんは私が予診、身体所見をとり、治療方針を白浜先生と相談しながらたてていくが、季節柄、感冒やインフルエンザといった患者さん達を多く診療することができた。
 三瀬診療所での1ヶ月はあっという間であった。大学病院ではあまり触れることの出来ない、診療所ならではの地域と密着した部分に触れることが出来、非常に充実した1ヶ月間を過ごすことができたと思う。


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