佐賀医大臨床倫理ケースカンファレンス
佐賀医大総合診療部(三瀬村国民健康保険診療所)白浜雅司
E-mail:HQC00330@nifty.ne.jp (HQCの後は数字の00330です)
TEL0952-56-2001、FAX0952-56-2912


<目的>
 自分で経験した事例の中から、倫理的な問題を含む事例に気付き、その事例の倫理的問題点を分析し、どのように対応すればいいいのか、まず一人で考え、さらにグループ討論をすることにより、様々な価値観を尊重しながら、その場でできる最善の方法を見い出す力を養う。
<日時>
総合外来実習第2週の火曜日、朝8時〜9時までの1時間
<場所>総合診療部2階カンファレンスルーム(医師室)
<実習内容>
(カンファレンスののための準備)
1)《臨床倫理の問題を含むと思う事例の提示》に必要な事項を記入する。自分が臨床実習などで経験して倫理的な問題を含むと考えられた事例を記入する。自分や家族、親戚などが患者として体験したような事例でもかまわない。
ただし、急に倫理的な問題を含む事例と言うと難しいかもしれないが、「患者と、そのケアや診療にあたる医療者、患者家族などが、その価値観の違いから、患者にどのように対応するのが良いか決めかねるような事例」とか、実習していて、「この対応で本当にいいのだろうか」と心にもやもやが残ったような事例と考えてもらえるとよい。適当な事例がない人は、将来自分が医師になった時であうと思われる倫理的な問題を5つあげて下さい。
2)記入したその事例を1週目の水曜日の夜までにE-mailで下記の私のメールアドレスshirahama@rose.plala.or.jpに送って下さい。メールの題名は「臨床倫理事例78050白浜雅司」のように最初に臨床倫理という言葉と各自の学籍番号名前の順で書いてもらうと私のインターネット上で整理しやすくてありがたいです。事例のない人は、5つ倫理的問題を送って下さい。金曜日の朝までには、症例のコメントを書いて返事します。
もし送られていなければアドレス違いです。再送して下さい。私のコメントへ疑問や意見がある学生は、更に意見を書いておいて下さい。
3)皆さんの送ってきた事例のうち1例を選んで全体討議をします。この事例は2週目と考えてほしいことを書いた「検討事例シート」を月曜日の昼のカンファレンス迄に事務の方から渡していただくようにしますので、その事例と質問について自分なりの考えを記入して火曜朝のカンファレンスに参加して下さい。
(講義内容)
1)全員の事例のコメントを簡単にやった後、「事例検討シート」にそって皆さんが書いた意見を発表してもらいます。それぞれの意見に私がコメントしたり、皆さんが意見を出し合って、その事例の問題点を今できる最善の対応を見つけたいと思います。
2)全員で討議した事例や、自分の経験した事例に対する教官のコメントに対して質問のある人は、講義前だけでなく講義後でもいいですので、メールや直接私にたずねて下さい。
3)倫理的問題の分析の仕方として、4年生の臨床入門で臨床倫理の4分割法を用いました。この方法は一人でも事例の倫理的な問題をひろく考えることのできる方法だとは思いますが、今回はそれに従ってもらっても従わなくても結構です。とにかく事例と、その倫理的問題点、倫理的判断のためにさらに必要と思う情報、自分が主治医であればとりたい対策、などについて自分なりに考えて来て下さい。一応資料として4分割法をもとにした考え方の別刷りを渡しておきます。
4)全体の討論が終わった後、「事例検討シート」の下半分の講義実習の評価まで完成させて、最初の週に渡した「講義前のアンケート」と「事例検討シート」のA4のシート2つを提出して下さい。自分自身の教育を反省し、今後の授業の参考にしたいので、色々な建設的な意見を書いてもらえるとありがたいです。
注1)もしプライバシーの関係などで自分の事例は取り上げてほしくない事例が合ったらメールの最初に記入しておいてもらえば個人的にコメントするだけにします。またプライバシーに配慮して事例の内容を変えてもらっても構いません。
注)臨床倫理の考え方や討論については以下の「臨床倫理の討論」HPも参考にして下さい。佐賀医大のHPの総合診療部のページからも入れます。
http://square.umin.ac.jp/masashi/discussion.html

《臨床倫理の問題を含むと思う事例の提示》

<簡単な事例の紹介> 

<自分が考えたこの事例の倫理的な問題点>


<この事例について倫理的な問題点の解決のために必要な情報>


<この事例についてあなたが担当医(看護師、家族、患者家族、その他(   )であったらとりたい対応>


<質問>


の順に自分の事例を記入し shirahama@rose.plala.or.jpに送って下さい。

事例提示は以下の事例の書き方をひとつの参考にしてください。


《臨床倫理の問題を含むと思う事例の提示》の一例

<簡単な事例の紹介> 
症例 84歳 女性(老健施設)

診断:脳梗塞疑い・老衰
既往症:老健施設入所中。痴呆・寝たきり状態で、娘によれば発熱などで入院歴があるが、病院嫌いで点滴も自己抜針を繰り返し、痴呆の進む前には延命治療は希望しないと意思表明していたという。前回の発熱入院時にも輸液ラインの自己拔針を繰り返して手を縛られていたという。
現病歴:休日の夕刻に昼頃からの意識低下で搬送された。家族(息子と娘)は痛みなどの苦痛が出るのではないかと心配したが、苦痛が無いのならば上記のような以前からの本人の意向に沿いたいと、老健施設に戻っての看取りを希望した。施設関係者の同意も得られて帰ることになったが夜間になってしまって、搬送手段がなかったために一晩病院に入院した。病棟観察では、37.8度の発熱と間歇的な上室性頻脈が見られたものの呼吸・血圧・脈拍などは安定していた。一方で麻痺ははっきりしないが、来院時より意識の低下がみられ食事も取れそうになくなった。以上から脳梗塞が疑われたが、年齢・今までの経過・ADLレベル・本人・家族の意向などから積極治療の対象でないので、検査も輸液もしなかった。

<自分が考えたこの事例の倫理的な問題点>
急性期の治療を本当に何もしなくていいのか。
 
<この事例について倫理的な問題点の解決のために必要な情報>
他の家族(親戚)の希望はどうだったのか。
検査の必要性の有無、治療の効果。

<この事例についてあなたが担当医(看護師、家族、患者家族、その他(   )であったらとりたい対応>
最低限の血液検査等はして、必要なら抗生物質などの投与は考えてもいいのではないか。

<質問>
患者の意向があったらすべて医療者は従わないといけないのか。