三瀬診療所実習を終えて(2007年8月20−25日)
佐賀大学医学部医学科五年 中島武馬
三瀬診療所での一週間の実習で学んだことを簡単にまとめたいと思います。実習を通して学んだことは大きく二つありました。ひとつは「地域医療」というもののイメージ、もうひとつは外来実習を通しての勉強の仕方です。
まず外来を通して、地域医療の外来はその地域(三瀬村)に住む人みんなを診るということが実感として分かりました。患者さんはほとんど全員顔なじみで、自分が患者さんに迎えられたような気さえするほど診療所は和やかな雰囲気で、村の人たちに溶け込んでいる印象を受けました。
「村に住む人みんなを診る」というのは言葉にすると当たり前のことのようにも思えますが、村に馴染んでずっと診つづけるということは大変なことだと思います。たぶん、先生や看護師さんたちがみな村の住人でもあるからこそ可能なのだと思います。患者さんは高血圧や糖尿病のコントロールの方がほとんどですが、その中に緊急性の高い患者さんもいて、そういった人はすぐに近くの大きな病院に紹介しなければなりません。その判断も、総合診療の難しいところだと感じました。
外来の診察中は、患者さんの血圧測定と、心音・呼吸音の聴診が毎回の仕事になりました。血圧測定ひとつをとっても、触診法で大体の血圧を測らずにカフ圧を上げすぎて患者さんの腕をきつく締めすぎるなど、反省するところが沢山ありました。また、収縮期血圧が200を軽く超えていたり、コロトコフ音がカフ圧を0にするまで聴こえたりと、自分の体験したことのないものにも直面しました。
そこから、そもそも「血圧」とは何かが分かっていないのではないかと思い、教科書を読んで復習しました。すると、たかが血圧測定でも聴き方次第で得られる情報はとても多いのではないか、ということが段々と分かってきました。例えば血圧測定で聴こえるコロトコフ音にも、タップ音と雑音の聴こえ方で4つの相に分かれることや、聴診間隙という、血管が早く開くためにタップ音が急に消失する現象があることなどを勉強し、翌日の外来の患者さんで実際に聴診間隙が確認できたこともありました。
これまでは血圧測定時もタップ音だけを聴いていて、収縮期が140を超えたら「ああ、高血圧だな」と杓子定規に捉えていた程度だったのですが、その中身にまで踏み込んでいけば日常的な血圧測定や聴診が、診察においてとても大きな武器になるような気がしました。これは総合診療部での実習を前に気付けてよかったことだと思いましたし、実習の3日目ごろからは血圧測定が楽しくなってきました。
身体診察で大事な所見を見逃さないように主な診察法については勉強してイメージを深めつつ、実際に実習でやる機会があれば五感を集中して診察し、分からなかったことはまた調べるという経験を積み重ねていこうと思いました。
白浜先生と座喜味先生、そしてスタッフの皆さんには一週間大変お世話になりました。いきなり来た学生の私に対しても、いろんなことを教えてくださり、大変感謝しています。ありがとうございました。ここで学んだことをこれからの実習や研修に活かせるよう、頑張ります。