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三瀬診療所での研修を終えて(2007年7月)
清川真貴子
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☆三瀬診療所での診療
初めてこの三瀬診療所に来た時の印象は、大きくて綺麗ということでした。
「診療所」という言葉から「Dr.コトー診療所」のようなところを想像していたため、広くて開放感のある待合室、診察室やレントゲン検査室を見たとき、正直驚きました。待合室では、患者さんが楽しそうに語らい、ちょっとした社交場になっているようでした。
外来診療では、月に2〜3回は通ってこられる患者さんが多く、短い1ヶ月という研修期間でしたが、その1ヶ月の間に顔を覚えていただけたことや、いろんな患者さんとお話を出来たことはとても嬉しかったです。
三瀬村での診療に関われたことはとても貴重な経験でした。
1年目の研修では、大学病院で入院、救急外来での診療を経験させていただいていましたが、入院患者さんでは週に1〜3回の採血、週1〜2回の胸部レントゲンは当たり前、発熱があればいつでも、血液検査、胸部レントゲン、血液培養、その他各種培養は当たり前のように出来る環境でした。外来患者さんでも、頭痛があれば頭部CTは簡単に取れる環境でしたし、血液検査、胸部レントゲン、心電図はルーチンで行っていたように思います。それが当たり前と思っていました。
しかし、三瀬診療所での診療に関わるようになり、大学での外来診療とは全く異なる外来診療に驚き、今までいかに検査結果に頼っていたかを反省しました。ここでは、緊急を要する疾患を除いては、まず最低限の検査・治療を行い、経過を追いながらみていくという外来でした。これがかかりつけ医、一般開業医の外来診療なのだと思いました。今まで大学ではあまり経験できなかったcommon diseaseを多く診ることができ、とてもいい経験になりました。
☆在宅訪問診療
週1回水曜日、午後からの在宅訪問診療に同行させていただきました。
入院、外来診療では、どちらかというと医療者側のテリトリーに患者さんが入るというものですが、往診は患者さんのお宅に伺い、患者さんのテリトリーの中に医療者が伺うという違いがあります。患者さんが自宅でどういう生活をしているか、例えば排泄や寝室、いつも過ごす部屋は風通しがいいか、日中は日が当たるのか、暑くないか、など多くの情報を得ることが出来るというメリットがあります。その上で、必要なアドバイスも可能となり、診療所に通って来る事ができない患者さんも、診療所に通って来られる方と同等、それ以上の診療が受けることが出来るのだと思いました。
☆高齢者サービス会議・
シルバーケア三瀬(デイサービス、在宅訪問、ホームヘルパー)
シルバーケア三瀬では週1回、半日、デイサービス、在宅訪問、ホームヘルパーの見学を
させていただきました。中でもホームヘルパーに同行させていただいた事はとても貴重な経験となりました。1時間〜1時間半という限られた時間の中で、お宅に伺い、掃除、洗濯、炊事、買い物をてきぱきとこなすヘルパーさんの手際の良さに驚くと共に、仕事の大変さを知りました。
高齢者サービス会議では、医師、看護師、保健師、ヘルパー、ソーシャルワーカー、ケアマネージャーなど多方面から三瀬村の高齢者の生活状況を把握し、必要なサービスを提供するための話し合いが行われていました。それぞれの専門の方の視野から様々な問題が提起され、活発な話し合いでした。医療、福祉、行政が一体となって三瀬村の高齢者が支えられていました。細かいところまで行き届き、理想的なサービスが提供されていると感じました。
☆最後に
1ヶ月という限られた時間でしたが、本当に多くの貴重な経験をさせていただきました。
大学病院で研修を1年間行い、1分1秒を争う診療に多く関わってきて、何人もの患者さんの退院を見送ってきましたが、自宅に戻られたあとの生活についてじっくり考えた事はありませんでした。ここでは、患者さんの生活スタイルに合わせた診療が行われており、生活の中に医療があります。白浜Drはじめスタッフの方々は名前や過去の病気はもちろん、家族構成や住んでいる地域まで知っている患者さんがほとんどです。よく「病気だけ診るのではなく・・・」と聞きますが、本当にそれが実践されていると感じました。
三瀬村では、時間がゆったりと流れていました。患者さんは待ち時間が長いからと焦ったり怒ったりする事はほとんどなく、“よか、次のバスで”とか、“また来るから”とか、とてもゆとりや思いやりの感じられる場面を多く見ました。そんな患者さんをみながら、自分自身も少し気持ちにゆとりを持てるようになった気がします。
毎週白浜Drと出かける三瀬オススメの昼食はとても楽しみでした。
自分ひとりでは立ち寄らなかったようなオススメのお店に連れて行って頂きました。どこも美味しい所ばかりでした。
また、空いた時間には近くの直売所で野菜を買ったり、診療所の周りを散歩したりという楽しみもありました。特に三瀬村の野菜は美味しく、大ファンになりました。7月ということもあり、茄子やトマト、ピーマンは毎週のように買って帰りました。自然いっぱい、美味しいものいっぱいで健康的に過ごせました。三瀬村の高齢者が80歳を越えてもお元気なのはこのような環境もあるだろうと思いました。
最後に、1ヶ月間という短い期間でしたが、大変貴重な経験をさせていただきました。
温かく迎えてくださった三瀬診療所のスタッフの方々、嫌な顔をせず“ありがとう”と声を掛けてくれた患者さん方、親切に様々なお話を聞かせていただいたシルバーケア三瀬のスタッフの方々、とても感謝しています。
本当にありがとうございました。この1ヶ月間に学んだ貴重な経験を今後に生かしていきたいと思います。