地域医療研修@三瀬診療所
期間:2008年5月1日(火)〜2008年5月31日(水)
佐賀大卒後臨床研修2年目 磯田 広史
研修の内容は外来診療が中心で、白浜先生の診察を見学し、処置の介助、新患の初診などを行います。外来患者数は天候・畑仕事の進み具合・村の行事などに左右され、日に数人〜数十人と大きく違いました。待合室の患者様の笑い話が診察室まで聞こえてくるなど、大学病院とは流れる時間・雰囲気が全然違います。
三瀬診療所で研修をさせていただくようになり、診察室・待合室の患者様と接する時間・診療所から村を眺めている時間・巡回バスで利用者と会話しながらのんびり村を見渡している時間が、そもそも自分が医師を目指そうと思ったきっかけを思い出させてくれました。
父親の転勤が多かったこともあり、田舎に預けられることが多かった幼いころの私は、祖父母はもちろんのこと、地域の高齢者の皆様から育てられた様なものでした。そのため中学・高校と進むにつれ、自然と警察官・自衛隊・消防士のような地域の役に立てる職業に就こうと考えるようになりました。あるとき母親に「色々な手の差し伸べ方があると思うけど、もし自分が医師であったら、ものすごく大きな力となって目の前の人を救うことができるよね?」と言われ、段々疎遠になっていく地域社会を、診療所から明るく・暖かくできたらいいな、と考えたのが医師を志すようになったきっかけです。
大学病院では、前医から「○○病を◇◇科の××先生に診てもらいたい」という様な紹介状を持ってやってこられる患者様がほとんどです。大学病院では内視鏡による悪性腫瘍切除術や、不安定狭心症や心筋梗塞に対する緊急カテーテル術やバイパス手術といった高度な医療技術があり、患者様の人生を大きく改善し、確かにとても重要です。しかし、長びく咳を本当は軽い感冒なのに肺癌ではないかと心配する患者様や、疲れによる頭重感を脳卒中や脳腫瘍ではないかと心配される患者様に「大丈夫ですよ。定期的にちゃんとみていますから安心してください。」と、次の受診日まで安心して過ごしていただけるようにサポートするプライマリ医・かかりつけ医による医療も同じように重要です。白浜先生が聴診器をあて「大丈夫ですよ」と言われた後の患者様の嬉しそうな顔が忘れられません。私の理想の医療に近い場所に白浜先生は立っておられると思いました。将来的にはこの診療所の様な地域の方々と触れ合える場所で、自分も医療を行って行きたいと決意しました。
最後になりましたが、三瀬診療所所長白浜先生のご尽力と、診療所スタッフの方々。また、これまで三瀬診療所で研修を行ってきた先輩研修医の先生方のおかげで、暖かい笑顔の中で研修を行うことができました。本当にありがとうございました。