1999年度臨床倫理討論


症例5)慢性の痛みを訴える患者への対応

45才男性トラックの運転手。追突事故に遭い、以後左下肢の
しびれと痛みがあるため、いくつかの病院を受診し、MRIその
他の画像診断、神経伝達速度なども含めた神経学的な検査も特
に異常なく筋肉痛でしょうとのことで1ヶ月の診断書をもらい
会社を休んでいた。

しかし患者は3ヶ月しても痛みが強く仕事ができないとのことで、
会社と保険会社から大きな総合病院でみてもらってきちんとした
診断書をもらって来て下さい と言うことでA総合病院を受診した。

A病院で診察した医師はこれまでの検査及び今回の診察の所見から、
神経障害はみとめられず、詐病あるいは精神科的 問題が疑われる
ため、精神科へのコンサルトをしようとしたが 患者に拒否された。

この患者さんは、もともと会社を休みがちで、リストラの対象に
なっていること、休んでいるときの保険から支払われるお 金の方
が、仕事をしていたときの給料よりもずっといいらしい。

問)このような患者にA病院の担当医はどう対応すればよいか。



中村 千賀子さん(東京医科歯科大学人間科学)のコメント

白浜先生
いつも興味深いケースをありがとうございます。
いくつか感じたことを書かせていただきます。
この患者さんの考えていることを医療者との対話を通して、患者さん自身が理解し
、受け止めていくことがこのケースでもっとも重要なことだと思います。リストラ
への不安、家族との関係、家族からの協力などなど、患者のいわゆる知情意が鍵と
なるでしょう。もちろん、生理学的に何ら異常のない患者を病院が面倒みることは
出来ないとは思います。診断書で休暇を要求できるのも限りがあるでしょう。しか
し、事故をきっかけにその間者が新しい状況にぶつかったのは事実です。仮病とか
、精神科の問題と片づけるのは簡単ですが、患者の病の部分の解決にはならないで
しょう。カウンセラーの協力があればよいのですが、それもかなわないならば、患
者への否定的な先入観のない医療者によって、丁寧な患者の思いの聞き取りが必須
でしょう。患者も何時までも働かないで金をもらい続けるより、生き生きとトラッ
クを走らせることを望んでいるのではないでしょうか。時には自己実現の具体策と
しての職業について、患者の考えも聞き取って行かなければなりません。医療者と
してだけではなく、必要なときには、カウンセラーとして、人間として、患者の将
来への希望なども聞いて行かれる能力を持ちたいものです。辛口だったかなと思い
ます、また、机上の空論のように思われるかもしれないと言う心配も持ちつつ、コ
メントさていただきました。気候が不順です。どうぞご自愛下さい。



横井 徹さん(倉敷中央病院内科医師)のコメント

経過を整理すると
○働き盛りのトラック運転手
○仕事中(でいいのでしょうか?)に追突事故に逢った(本人の過失のほうが少ない
という意味でしょうか)
○検査異常はないものの以後左下肢の痛みが強く3ヶ月間仕事ができない状態
○会社の要請にて総合病院での精査目的でA病院受診するが理学的に異常を認めない
○休業中の収入のほうがいいこともあり担当医は詐病を含め精神医学的問題を考えている

医学的な問題点
今までの検査が異常ないことから脊椎、神経、筋肉疾患等は除外できる。
しかし1)検査では指摘し得ない程度の神経損傷????または
2)仕事への不安??からくるような形での自覚症状であることは否定できない。
トラック運転手にとって左足は重要な仕事の”道具”であるはずで、本人もこの
まま仕事をしていてはまた事故に遭うかもしれない、さらには自分自身が加害者
になるかもしれない、そうなれば必ず直ちに会社をくびになるであろう、等の不安がある
のかもしれない。
1)は今の段階では調べようがないため、やはり2)を考えて、患者の意識の背景
に精神的な葛藤や不安等があるかないか、あるとすればどこからくるのか、どう対処
すれば
いいのかを評価する必要がある。とすればやはり精神医学的なアプローチは必要
と思われる。ただし担当医にそういったアプローチの技術があれば、精神科紹介
は不要かもしれない。

その他の問題点
そもそも、実際に神経学的な異常に基づく症状があったとしても(精神医学的問題では
なかったにしても)今の経済社会情勢を考えると、3ヶ月以上休業しさらに休業を続
ければ理由の如何に関わらずリストラで退職させられるのは必至、と常識的には思わ
れる。
保険から支払われるお金が今の時点でいくら多額でもこの先ずっと続けられるわけで
はない。
とすればこの場合、今の問題は器質的疾患の有無には無関係であるとも考えられる。
患者自身に”器質的な病気があるにしろないにしろ(精神科受診をするにしろしない
にしろ)このままでは結果(失職すること)は同じではないか”ということに気づい
てもらい
今後の生活設計を現実的、具体的に考えられるよう指導することも重要であろう。
ただこれは医師としての通常の職務から大きくはずれてしまうことであり、まして
A総合病院の外来主治医にとっては事実上対応不可能なことであろう。
家庭医、かかりつけ医ならできるかもしれないが・・。

以上からまとめると、
担当医が精神医学的アプローチの技術を持っていれば上記のことをじっくり聞いてゆく。
それができない場合には精神科受診を最終的には納得してもらうようにする。
精神的な葛藤、不安があるかもしれないのでそれを専門的立場から拾い上げてもらう
ために受診すること、専門家以外や本人では気づかないことがわかるかもしれないし、
わかれば今の困っている問題を一気に解決できるかもしれないこと
を十分説明すれば(精神病!と決めつけるわけではないことを説明)たいていは納得
してもらえる気がするのですが・・・。
さらに、精神科にまかせてしまってあとは知らない、というのではなく
身体的、器質的疾患の有無についても引き続き診てゆくこと(再検査をするというのでは
ないが痛み、しびれ等の訴えをきちんと聞いてゆくこと)を保証しておくことも大事か。

その結果、何らかの問題が拾い上げられれば、またいずれにせよこのままではいけない
ことに本人が気づけば何らかの解決になるかもしれない。
なお、万が一単なる詐病または故意に医師側をだましている?ことになったとしても、
解決にむけて一歩前進したことには違いないであろう。
なお、この先の予想は僕にはできません・・・。

と書いてみましたが、このA総合病院の担当医にとって非常にストレスになる例でし
ょうね。
僕の外来に来られたとしても、現実的に十分時間をとって上記のような(これが適切
かどうか
は別にして)対応をすることは事実上不可能です・・・。午前診で朝9時前から午後2時
すぎまで40〜45人程度を診るような一般内科外来ですし、もとより精神医学的診
療の技術は全く
持ち合わせていません・・・。もし時間が十分あってもゆっくり話を聞くだけしかで
きません。



藤林武史さん(佐賀県精神保健福祉センター、精神科医)のコメント

 短いですが簡単にコメントを送ります。
 神経障害を認めないという診断を伝える他に身体医学的にすることはないでしょう
ね。そこで、精神科のコンサルテーションをすすめられたのは、よかったでしょう。
可能性としては、心因性疼痛(慢性疼痛)以外に、うつ状態の可能性もあるわけです
から、もし後者であれば休業の診断書の可能性は高くなるでしょう。すすめ方として
は、「神経障害はないが精神科的疾患から痛みがきている可能性もあるので」ぐらい
のすすめかたでしょう。それで、本人や家族が拒否をされるならしようがありません
。「いつでも必要が生じたらご相談ください。精神科を紹介します」とひと言つけく
わえていただくとなおいいです。
 精神科紹介の部分は、病院のソーシャルワーカーと同席か、ソーシャルワーカーと
本人家族での話し合いで決めていただくと本来はいいかと思います。
 精神科をもし受診されたとして、うつ状態がなくて休養の必要がないと判断すれば
、必要がないと伝えるだけです。社会的な状況に関係なく、医学的な診断をきちんと
伝えるということは重要と思います。そして、その医学的診断と社会的な状況をあわ
せて今後どのように対応していくかは、医師単独ではなく、ここにはソーシャルワー
カー等の他の職種と共同してすすめていくことが必要と思われます。

 保険の診断書、年金の診断書、障害者手帳の診断書、犯罪や虐待の可能性…医師の
医学的な診断は非常に大きな意味を持っているだけに、厳正に判断すべきでしょう。



白浜雅司(三瀬診療所)のコメント

この症例への
アメリカミシガン州立大学家庭医療学兼医療倫理センター所長からの返事
とそれに対する自己レスです。

またこれを読んで皆さん方の色々なご意見がいただける
と嬉しいです。

Brodyさんのコメントは現実的でありかつ哲学的で す。
彼は医学部の卒業と同時に哲学博士もとったそうですから、驚きます。非常に気さくで
やさしい 方で、こういう私の質問にも時間の許す限り答え て下さるので、私のような
留学経験もなくて何回か セミナーに参加したくらいものがこのような臨床倫理の教育を
続けられるわけです。この取り組みははっきりいってインターネットのおかげで10年
前には考えられなかった事です。

こういうコンサルトに対する回答ができるClinical ethicistと呼ばれる人がアメリカにはい
るわけです。 といってもアメリカでもどの病院にもいるとは言えないでしょうが。

さてBrodyさんのコメントにあるように日本でもアメリカでもこのような休業保険がらみ
の患者さんは敬遠されがちなようです。

事例では詐病のずるがしこい患者のようにも思えますが、そのような色眼鏡で患者をみる
ことはまず慎まねばならない事でしょう。 それだけで医者患者関係は成立しません。
一回くらい医者はだまされるくらいが良いのかもしれません。

痛みはたしかに主観的な物で、客観的になかなか証明できません。客観的にないからと
言ってないとは言えないのです。

まずいかにこの人の痛みで困っている事をじっくり聞いて精神的なアプローチも有用な事
を納得して いただくことが鍵でしょう。

日本には麻酔科から発展したペインクリニックは多くなりましたが、まだ本当の意味で全
人的なケアができるペインセンターは少ないのではないでしょうか。
アメリカのMayo Clinicには(丸田先生?とかいう)日本人の精神科医で痛みの臨床をされ
ている先生がおられて佐賀医大のペインクリニックの先生が留学されていたようでした。



山田健志さん(東京北部医療生活協同組合 北病院内科医師)のコメント

なかなか難しそうな症例ですね。

まず説明不能の身体症状とすると、その医学的適応として詐病を考える前に
例えばサブクリニカルな多発性硬化症、SLE、脊髄腫瘍などの身体疾患の
検討と同時に、頻度的には大うつ病性障害や、あるいは分裂病(体感幻覚)
の評価が必要でしょう。そしてさらに転換性障害(転換ヒステリー)、疼痛
性障害、心気症、身体表現性障害の検討の後、最後に詐病や虚偽性障害が挙
げられるようです(武市・佐藤ら訳『DSMW−PC』医学書院98)。患者
の意向やQOLも含めて患者の体験を受け止めると同時に、上記の治療適応
評価のため精神科・神経内科・整形外科などの専門科受診の必要性を説明す
るのが内科医の仕事と思います。また「詐病の診断は精神科医がかなりの詳
細な面接を行ってもなお困難の多い作業〜略〜、安易な判断は患者に対する
不適切な対応につながりやすい」そうです(宮岡『内科医のための精神症状
の見方と対応』医学書院95)。以前私も転換ヒステリーか多発性硬化症の評
価が困難な症例を受け持った経験から考えても、診療全科を揃えられない中
小病院ではあまり現実的な方法でないかもしれませんが、専門病院への紹介
も含めて、Brody 先生の言われる集学的な評価が行われるのが理想でしょう。
なお周囲の状況かどうか分かりませんが「小児期に肉体的、あるいは性的虐
待を受けたことのある慢性腰痛の患者さんは、心理的苦痛のレベルが高い」
という報告もあります(菊池『続・腰痛をめぐる常識のウソ』金原出版98)。

> アメリカのMayo Clinicには(丸田先生?とかいう)
> 日本人の精神科医で痛みの臨床をされている先生

中公新書『痛みの心理学・疾患中心から患者中心へ』(丸田俊彦 1989)の
著者肩書きに「メイヨクリニック ペイン・マネジメント・センター所長 
メイヨ医科大学精神科教授」と書いてありますので、もしかしたらこの先生
のことでしょうか。ちなみにこの本では痛みの生理学に始まって、プラセボ、
家族と痛み、情緒と痛み、そして医師ー患者関係や、医原性の痛み他の興味
深い考察や、ペインマネジメントセンターについて紹介されており、非常に
面白い本でした。



木戸友幸さん(大阪木戸医院医師)のコメント

Brody先生のコメントの中にあるmultidiciplinary pain centerは僕がレジデンシー
を行なった80年代始めには無かったので、利用したことはありませんが、いいスタッ
フがいて、本当にmultidiciplinaryな治療をしてくれるなら理想的なリファー先ですね。

似たような発想で、国立大阪時代に総合的ターミナルケアーと名付けた末期癌のmult
idiciplinaryな疼痛対策を行なったことがあります。これにはフランスベッド財団か
ら百万円の研究費が出たんです。精神的な疼痛対策と麻薬を中心とする薬物療法それ
にがん性胸膜炎の特殊な癒着療法などのちょっとした新しいテクニックを加えたので
す。百万円がもらえたのはその癒着療法が決め手ではあったのですが。いづれにせよ
痛みに対しては細切れ医療よりは、個人あるいはグループでのmultidiciplinary aproachが
より効果的なことは確かです。

>> アメリカのMayo Clinicには(丸田先生?とかいう)
>> 日本人の精神科医で痛みの臨床をされている先生
>
>中公新書『痛みの心理学・疾患中心から患者中心へ』(丸田俊彦 1989)の
>著者肩書きに「メイヨクリニック ペイン・マネジメント・センター所長 
>メイヨ医科大学精神科教授」と書いてありますので、もしかしたらこの先生
>のことでしょうか。ちなみにこの本では痛みの生理学に始まって、プラセボ、
>家族と痛み、情緒と痛み、そして医師ー患者関係や、医原性の痛み他の興味
>深い考察や、ペインマネジメントセンターについて紹介されており、非常に
>面白い本でした。

思い出しました。十年ほど前東京であったpsycho-oncology学会でそのメイヨーの
丸田先生が講演されたのを聴いたことああります。
山田先生御推薦の本の内容を癌疼痛の患者にどう応用するかという話だったように覚
えています。



富永国比古さん(ロマリンダクリニック産婦人科医)のコメント

今回の先生が提示された問題ですが、1)医師の診断・評価には「限界」がある。
「痛み」の評価は現代医学では、精密に測定できない。にもかかわらず、ある種の
「判断」が迫られている 2)保険の問題という「法的問題」が絡んでいる、3)
resource allocationという立場から考えると、限りなく患者の訴えを、受け入れる
ことはできないだろう、という点が特徴かと思います。この前提に立って、一つの方
向性を模索するとすれば、1)まず、「保険を受け取る方が、給与所得よりいいらし
い」という部分は判断にbiasがかかると思われますので「判断する側」にはマスクす
べきかと思います。保険会社のかかわる領域と医師の関わるべき領域を区別すべきか
と思います。2)医師が「判断しえること」と「判断しえないこと」を明確にするこ
とが必要かと思います(医学的判断の限界設定)。3)同様の事例を収集し、サンプ
ルサイズを増やすことによって、統計学的に信頼できる病象の「平均値」を出すこと
が出来ると思います。それも、判断の材料になりうると思います(疫学的推論)。4)
医師は、最終的には自らの「判断」の限界にとどまりつつも、最大限の利益は「弱い
立場の」人に、という立場に立つことが要請されていると思います。保険会社は、
「査定」がかなり厳しいようです。私の弟もむち打ちになったのですが、「できるだ
け保険金を払わない」ということが、彼らの仕事であることを認識すべきでしょう。



松尾智子さん(九州大学法学部)のコメント

    九月になり随分と涼しくなりました。先日、バイアグラの副作用が原因で2人が亡
くなったというニュースを見ました。やはり、予期されたことが現実化したようです
ね。ところで、この件について、実は、二ヶ月ほど前、新聞の地方折り込み広告でバ
イアグラの直接輸入を代行しますという記事を目にしていました。医師の処方箋亡く
とも、この様な形で巷では入手できているのではないかと思います。これは違法とい
うわけではないので。

 さて、討議ケースについてですが、これは、何ともいえないケースです。医学的所
見が存在しないとしても、精神的な状態が不定愁訴を引き起こす可能性がありますし
、一概に、不当だとはいえないものもあります。しかし、保険給付をもらう以上、医
学的な診断が必要となってくるので、本人に、精神科を受診して精神科的領域での問
題をはっきりとさせてもらうか、本人があくまでも拒絶するようであるならば、保険
請求に必要な診断書はこれ以上出せないということを伝えた方がよいのではないかと
思います。本人が、そのうちに考えを変えて、仕事を再開しようという意欲が見られ
ればいいのですが、この様な場合ずるずると現在の状態を続けていく場合もあるから
です。
 また、ほんとうの問題は、何故以前本人が仕事を休みがちだったかということにあ
ると思います。そうなると、殆ど心理学的問題になってくるように思われます。



田坂佳千さん(広島県開業医プライマリ・ケアのためのML、TFC主宰)
よりのコメントと白浜雅司の返事

> 基本的には、皆様と同じ考えなのですが、
>
> 1.総合診療部やPC医の場合、整形外科や外科の先生と違い、
>   直接的に診断書を書くことからは逃げられる?!。 
>   (専門医にお願いできる。)
>   (このラインで機能できる担当医と仮定して以下を書きます。)
>  
>   (専門医の先生方が、現実いかに対応されているか、以前から
>    知りたいと思っているが・・・・。まだ勉強不足です・・・・。
>    どなたか教えて下さいませ・・・。)

確かに佐賀医大でも交通事故の診断書は整形の障害の等級の診断を
するような先生にお願いしていました。

> 2.従って、PC医(総合医)としては、出来れば、
>   コーディネーターや、聞き役、カウンセラー的な立場に徹して
>   動きたい。
>
> 3.全く小生は、コノ当たり知識不足!!!の所ですが、
>   「保険がどこまで、どのような基準で、カバーされるのか知る
>   っておく事」も大切な気がしますが・・・。(知らなくてもできますが)

25年ぶりに中学時代の同窓会であった生命保険会社に勤めている
同級生は、医師がまだ治療が必要であると判断した場合はきちんと
診断書を書けば、いつまででも治療は続けられると言っていました。
だからこそ、保険金詐欺をぐるでやる悪徳医師も出てくるのです。
ただ途中で受診が1ヶ月も途切れると治ったとみなされてしまうと
言うことでした。
休業補償や労災の方の審査はどうなっているかわかりません。

> 5.
> いまの担当医の方がこの役割を重荷と感じられたら、
> だなたかに紹介することも必要かもしれませんネ。
> (突き放すのではなく)
確かにそうですね。その方がいいでしょう。

> 6.
> 精神科への紹介については、
> 「御本人拒否」とありますが、
>
> 「どのような説明をうけて」、
> 「どういう理由(表面的ならびにさらに深い理由)で断られたのか?」
> この当たりも、詳しくうかがってみたいところですね。
よくある自分は精神病ではないと言う拒否だと考えて設定しました。
確かに裏ではもっと深い意味があるのかもしれませんね。

> 「御本人拒否」=即、「医療者の納得」は、
> 何か、それこそ、医療者側の思いこみを感じますが・・・・・・・。

そうですね。
たしかにBrodyさんのように、痛みには精神科的な治療が効果があること
がありますからというような進め方の方がいいのかもしれません。
抗うつ剤が痛みに効くメカニズムは、うつ病との関連だけでは説明でき
ないようです。

////////////////////////////////
<お礼>
白浜先生、ありがとうございました。!!!

特に、保険の件、ありがとうございました。!!

>抗うつ剤が痛みに効くメカニズムは、うつ病との関連だけでは説明でき
>ないようです。
です。です。!!
その当たりでも、小生は、説明させていただくことも多いです。

ところで、休職については、どのようなルールなのでしょうか?。
不景気な時代、何年も、休職で会社が許してくれることはない
ような気がしますが・・・。
初歩的質問ですいません・・・・・・・。



1999.9.7.佐賀医大の学生との討論ででた主な意見のまとめ

学生たちの意見としては、以下のようなものでした。

1)かなりの経過を見ないと本当に詐病と診断するのは難しい。
最初から詐病と思って患者を見ていると決してよい患者医師関係は
できないだろう。
2)日本ではまだまだ多角的な痛みのコントロールセンターがないの
で主治医が患者と相談しながら専門家の意見を聞いたりコンサルト
する必要があるだろう。精神科への偏見はあるだろうが、患者との
信頼関係ができたところで精神科での治療が効果があることもあり
ますよとかいうような勧め方をしたらどうだろうか。
3)ぜひ家族の意見を聞きたい。家でのこの患者の様子や、家族の
サポートはどうなっているのであろうか。
4)医師だけでこのような問題を解決するのは無理だから、ソーシャル
ワーカーなどの協力を求めたい。
5)まだはっきり原因がわからない場合の診断書はどう書くのかと言う
質問が出て、私はウソを書いてはならない。ただわからないところは
このような疾患を疑って治療中ということを書き、できればその内容を
患者に見せた上で提出するとトラブルは少ないのではないかと説明
した。もちろん明らかに歩いていて医者の前だけで歩けないふりをす
るという詐病が明らかになった時はそう書かざるを得えないだろう。
6)この不況の時期いつまでこのような休業補償を会社ができるのか
という質問があった。確かに企業の健康保険は不況でどんどん赤字
になっていて、客観的な異常のない労務災害の休業補償はだんだん
難しくなりつつあるらしい。好景気が続くアメリカではどうだろうか。



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