1999年度臨床倫理討論


以下の症例3)と症例4)はいわゆるインフォームドコンセントに
関与する患者の意思決定能力の判定と医師の裁量権の関係などに
ついて考えてみたいと思い掲示したものです。
いくつかの症例をもとに作られた仮想の症例ですが、このような
ケースはますます増えてくるものと思われます。
できるだけ実際的な症例を通してどう医師や患者が対応していけば
良いかを考えることができれば感謝です。あえて身体状況をにせて
二つの症例をあげてみました。 症例3)は突然の発症で救急外来に
運び込まれた患者で初対面の患者、症例4)はかかりつけの診療所
の主治医としてこれまで継続的に診てきた患者の問題という違いが
あります。
意見だけでなく疑問でもかもいませんのでコメントをいただければ
感謝です。


症例3)突然救急外来に運び込まれた30才男性の治療拒否

30才男性。身寄りもなくサウナで生活をしていたらしい。
3、4日前から呼吸困難、発熱、咳がひどく起坐呼吸の状態でサウナで
倒れているところを他の客が見つけ、救急車で病院の救急外来受診。
レントゲンで心拡大と肺水腫が認められ、血液ガスで血中酸素の低下
と血中二酸化炭素の上昇があったため、気管内挿管をやろうとした。
患者はこのまま殺してくれと叫んでいる。WBC15000、CRP18、心電図
では左室肥大だけで心筋梗塞などの所見はない。
さて担当医はどうするか。身内がいるかどうか誰もわからない。



症例4)定期的に受診している独居老人の治療拒否

85才女性。身寄りもなく独居で暮らしている老人。
これまで近くの診療所で軽い高血圧の治療だけを受けていた。
最近めっきり弱ってきて、一人暮らしも難しくなりつつあり、特別養護
老人ホームへの入所申請をしていた。
日頃から診療所の医師に「先生お迎えが来たら楽に行かせて下さい。
もう病院にはいきたくない」と話しておられた。ご主人を肺がんで亡
くされ、入院した病院でたくさんの管につながれ、苦しみながら死んだ
様子を見てそう思われていたようである。
3、4日前より呼吸困難、発熱、咳がひどく寝られずうずくまっていた
ところを定期的に入っているホームヘルパーが見つけて診療所に連
れてきた。レントゲンでかなり広い範囲に肺炎があり、中枢部には肺
がんではないかと思われるかげがある。WBC15000、CRP18、SaO2
90%と血液中の酸素の低下はあり、酸素を鼻からチューブで投与す
ると本人楽になってきてもうこのまま診療所で見て下さいと言われる。
ただしこの診療所に入院の設備はない。
この患者さんには親しくしている親戚などもいないらしい。
さて担当医はどうするか。



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