10月14日朝に学生と討論する事例です。
もしよければ看護師やMSWの立場からのコメントがいただけるでしょうか。
患者からのセクハラまがいのことなども時々経験するのですが、そういう問題を看護師やMSWの立場で検討することはあるのでしょうか。

今回皆さんから寄せられた事例は、以下のようなものでした。
1)白血病エホバ証人患者の輸血拒否
2)グリオブラストーマの患者の希死念慮
3)肺炎を再発するサルコイドーシスの退院不安
4)うつ病患者のうつの原因としての家庭問題への介入
5)胃癌の手術内容が何度もかわり、患者の不安を増したこと
6)患者の内科転科希望を無視した手術不能膵臓癌患者の外科長期入院
7)進行膀胱癌への家族の告知反対
8)膵臓癌患者の退院拒否
2)、3)、6)8)に関係するような課題として、末期あるいは、決定的な治療法の
ない長期入院患者の転院問題を取り上げてみたいと思います。送られたいくつかの事例
をもとにして、オリジナルで、以下のような事例をつくってみました。



45歳、男性、総合病院泌尿器科

主訴;腰背部痛

現病歴;
 5年前、別の病院で、腎臓癌の手術を受けたが、周囲臓器との癒着が強く、全部はとりきれず、一部腫瘍が残存し、その後、化学療法や放射線療法を受けたが、効果はなく、腫瘍は増大している。腰椎への転移によると思われる痛みが出現して動くのもつらくなり、疼痛コントロール目的で入院となった。

既往歴;
 30歳より糖尿病(食事療法がうまくいけばコントロールできる程度)5年前の手術の後、根治できなかったことを聞いて、発作的に服毒自殺をしたことがある。幸い発見が早かったため大事には至らなかった。

入院後経過;
 入院当初コントロールの難しかった疼痛も、放射線治療、ペインブロック、モルヒネなどの併用で、入院後1ヶ月を過ぎた頃から、何とか自由に動ける程度に回復した。ただ最近面会に来る人もなく(同居している80代の両親は村で暮らしているが、息子の服毒自殺企図の後から周囲の目を気にしていて息子が村に帰ってくることを快く思っていないらしい。また、両親自身も腰痛や高血圧などの病気があり、車の運転もしないので片道1時間以上バスを乗り継いで会いに来るのは大変らしい)退屈なのか、スタッフ(ナース)にかまってほしそうな感じで、自分でタバコは買いにいくのに、夜、尿をとる瓶をナースに持ってくるように頼むようなことがあり、その都度ナースは説明して断り、本人もその場では納得されるが、その後また同じようなことが繰り返されていた。また何人かのナースからこの患者のケア中に故意に体をさわられるようなことがあったという報告があり、看護師長から主治医に、医学的な入院治療の必要がなくなったら、早急に退院を考慮して欲しいという要請があった。
 主治医は、このまま入院を続けると、患者の過度の要求から患者とスタッフの関係もうまくいかなくなる可能性もあり(以前いた別の病院で同じようなことがあったらしい)、また病院事務からもできるだけ入院日数を減らすような指導を受けており、そして何より、この時期を逃すと、退院のチャンスはなくなるのではないかと考え退院を勧めようと考えていた。ただ関係のよくない家族のもとに返して、孤独感にさいなまれて再度自殺を図る危険はないだろうかということが心配だった。入院後主治医は「先生どうせよくならないんだったら、はやく殺してくださいよ」というような患者の投げやりな言葉を何度か聞いていて、精神科医の診察も依頼したが、投薬が必要なうつ状態とは考えられないというコメントだった。また一方で「病院にいれば、朝昼晩ちゃんと糖尿病を考えた病院食も食べられし、何も考えなくていいから最高だよ」という言葉も聞かれていた。
 この患者はトラックの運転手をしていたが、不況の影響もあり、入院後に解雇されている。現在腰痛もあるため復職も難しく、失業保険も切れていて、医療費は、前からかけていたがん保険だけから支払われていた。

事例について以下の問いに自分の考えを記入し、火曜日朝8時からの討論に参加すること
問1)  提示した事例についてどのような倫理的な問題があるとおもいますか。できるだけたくさん挙げて下さい。(4分割表を使っても使わなくてもかまいません)
 
 

問2)この事例について倫理的な問題点の解決のためにどのような情報が欲しいですか。
 
 

問3)あなたがこの事例の主治医だったらどのように対応したいと思いますか。