事例3 50歳男性 宗教上の理由による輸血拒否

50歳男性。50歳の節目検診の日帰りドックを受けたところ腹部エコーで肝臓前面に2cmの肝臓癌を疑う所見が見つかった。肝機能障害やABC型肝炎などなく、生検で肝臓癌の診断がなされた。単発でとりやすい部分にあるため一番の適応は手術と判断された。ところがこの患者さんは、宗教上の理由で絶対輸血をしてほしくないと言われた。肝臓は血流の豊富な臓器であり、うまくいけば無輸血でいけるかもしれないが、絶対無輸血でできるかという確約は難しい。この方は独身で、ご両親は同じ宗教を信仰されていなくて、必要な時は輸血もしてできるだけ安全な手術をしてほしいという希望されていた。

<検討してほしいこと>

この患者さんににどのようなインフォームドコンセントをすればいいのだろうか。                      インフォームドコンセント以外にも、具体的にこの患者さんにどのような対応をしたらいいのだろうか。 


この事例の検討のための参考資料

病院によっては、現時点で、輸血同意書がない場合の手術を受け付けていないところもありますが、いろいろな対応が始められています。いくつかの医療機関で作られている輸血拒否患者の対応マニュアルやこの問題への対応の考え方を提示します。

佐賀大学附属病院輸血拒否対応マニュアル
http://square.umin.ac.jp/masashi/kyohi.pdf
琉球大学附属病院の輸血拒否患者についての参考指針
http://www.hosp.u-ryukyu.ac.jp/bldt/guido_line/yuketukyohi_h12.html
坂総合病院の輸血拒否患者への対応
http://www.m-kousei.com/saka/18rinri/image/yuketu_kyohi.pdf
麻酔科医の立場での輸血拒否患者への対応について(有名な東大医科研での輸血裁判の内容にも言及されている)
http://www.ceres.dti.ne.jp/~gengen/ehoba/ehoba.html