事例2 40歳女性 主婦 生前診断

職業は主婦。結婚後8年。今までずっと子供を欲しがっていたものの恵まれなかった。今回初めて待望の第一子を妊娠したことがわかった。その後、主治医から「40歳以上の高齢出産になります。40歳以下の出産に比べてダウン症など遺伝子異常の子供さんの産まれる確率が1%と、それ以下の年齢の10倍くらい多くなると言われます。そのような高齢出産の方で遺伝子異常を安全に予測方法として、トリプルマーカーテストという血液検査を受けることができますが、ご主人とよく相談して決めてください。」という話がされ、ご主人に相談して念のため受けておこうということになり、18週で受けたところ、胎児がダウン症の確率が2%と高いことが19週目にわかった。母体や、胎児の超音波エコーで大きな異常は見られないため、このまま正常に出産できる可能性が高い。その結果を知った両親は、これから先のその子供の運命や自分たちが抱える金銭的や精神的な苦痛を考えると中絶を希望したいと言ってきた。遺伝子異常という理由のみで胎児を中絶するのは法律で禁じられている。40歳という年齢で、この機会を逃したらもう妊娠できないかもしれない。このあと更に正確な胎児診断のできる羊水検査という方法もあるが、羊水を採取するため流産などのリスクもある。また法律で人工妊娠中絶は22週未満までしか認められておらず、早急な判断が必要になる。

<検討してほしいこと>

問1)このような出生前診断をする紹介する場合にどのようなインフォームドコンセントを行えばいいのだろうか。または出生前診断は医師として勧めない方がいいのだろうか。

問2)中絶を決めた両親に、子供を育てていく希望をもう一度与えるには、どのような対応をしたらいいだろうか。またはそれ以上勧めない方がいいのだろうか。


事例2<出生前診断について>の検討に参考になる関連ページ

出生前診断ー最近の動向(愛育病院、母子保健情報より)
http://www.aiiku.or.jp/aiiku/jigyo/contents/kaisetsu/ks0408.htm
出生前診断への考え方(愛育病院)
http://www.aiiku.net/syusseimaekensa.htm
信州大学遺伝子診療部の遺伝ネットホームページ
http://genetopia.md.shinshu-u.ac.jp/index2.htm
上記信州大学のページのうちの遺伝医学の基礎知識
http://genetopia.md.shinshu-u.ac.jp/basic/index.html
厚生科学審議会先端医療技術評価部会
出生前診断に関する専門委員会「母体血清マーカー検査に関する見解」についての通知発出についてhttp://www1.mhlw.go.jp/houdou/1107/h0721-1_18.html
二分脊椎症という出生前診断が可能な疾患で生まれてきた患者さんの立場から出生前診断について書かれたもの
http://www.asahi-net.or.jp/~wc4n-szk/syuseizen/syuseizen.htm
東京大学大学院医学研究科 生命・医療倫理人材養成ユニット 出生前診断に関する基礎資料
http://square.umin.ac.jp/CBEL/bioethics_data/pnd_pgd.html