■ ご挨拶
主催にあたって
古屋 信彦

 第21回喉頭科学会総会・学術講演会を群馬県前橋市で担当する機会を与えていただき、教室員、同門会員、地方部会会員ともども大変光栄に存じております。私ども一同、多くの会員の皆様に前橋へお越しいただき、また快適に過ごせますよう、準備を整えております。会期中は花粉症の最盛期で診療に忙しい時期ですが、他学会の予定を考慮しまして例年より2週間遅い3月末に開催することとしました。「水と緑と詩のまち」前橋市は詩人萩原朔太郎の生誕地であり、群馬交響楽団で名高い高崎市と共に利根川伏流水域に発展した行政文化中心の都市であります。会期中の3月は上州名物「かかあ天下とからっ風」の「からっ風」が大変強い季節で、皆様にはご迷惑をおかけしますが、学会終了後には豊富な温泉で疲れを癒し、翌週からの英気を養っていただきたいと思います。特に榛名山中の伊香保温泉郷は前橋から車で50分程度のところに位置しております。

 さて学会のプログラムは、特別企画として中島格教授司会による「QOLの向上へ向けた喉頭癌の診断と治療」、久育男教授司会による「嚥下対策におけるピットフォール」のシンポジュウムを2題、また教育パネルとして湯元英二教授司会による「小児喉頭疾患の取り扱い」1題を企画しました。QOLの向上と腫瘍の根治性は、長らく相反する命題でありました。近年の新しい医療器具の開発や治療技術の発展向上により、両者の共存がどの程度まで可能になっているかの分析と、未来へどの程度の進歩が可能であるかを提案して欲しいと考え、企画しました。誤嚥対策におけるピットフォールは、リハビリあるいは外科的処置においてどのような落とし穴があるか、又それをどのようにして予防するかを中心に話を展開していただく予定です。教育パネルは永遠の課題であり、また誰でも1度は経験した小児における気道管理の怖さをとりあげました。経験豊かなパネリストからのアドバイスを受けながら未解決の問題を洗い出していく企画を考えています。

 一般講演は討論を重視し、一方的な発表に終わらないよう運営したいと考えております。例年のように口演とポスターセッション両方を公募し、内容を吟味してそれぞれの特徴を生かせるようにポスターあるいは口演に振り分けたいと考えています。ポスターセッションは繰り返しデータを見られ、いつでもデータを前に討論ができる長所があります。この長所を生かし、さらに会期中に個々の演題ごとに発表時間を設け、聴衆との討論が行えるようにプログラムを編集いたしました。

昨年は気管食道科学会が前橋で開催され、群馬を訪れた会員の皆様も多いと思います。前回始めて群馬の地を踏んだ方も、今回は2回目ですので慣れていただけると思います。学会の激しい討論の後には、ゆっくりと赤城、榛名、妙義の上州3山を眺めながら自然豊かな群馬の早春を楽しんでいただければ幸いです。