東京大学大学院医学系研究科・医学部 倫理委員会において承認を受けた研究
新たな血清情報の検索とその原因の究明(承認番号3333-21)
- 研究課題名
新たな血清情報の検索とその原因の究明 - 承認番号,承認日
平成23年11月24日(承認番号3333-21)
- 内容
臨床化学検査室では,生化学検査用自動分析装置を用いて血清検体中の6種類の波長における吸光度を測定することにより,血清情報を検査している.血清情報には,溶血,黄疸,乳びの3種類がある.血清中の吸収スペクトルにこれら3つにそれぞれ特徴的なピークが認められると,溶血,黄疸,乳びのいずれかあるいは溶血+黄疸といったような情報を検体コメントとして,臨床に報告している.しかしながら,一日約1500件という多くの検体の中には,上記の3つの血清情報以外にも様々な色調を帯びている血清が認められる.したがって,上記の3つ以外にも臨床に役立つ血清情報が存在することが推察されるが,これまでの生化学検査用自動分析装置では,溶血,黄疸,乳び以外に判定できなかった.生化学検査用自動分析装置JCA-BM8040(日本電子(株))は,一度に14波長の吸光度を同時に測定する装置であり,上記6つの波長以外の波長データも取得することが可能である.したがってこれらのデータを解析し,臨床情報と照らし合わせることにより,あらたな意義を見い出せる可能性がある. よって今回,患者血清を用いて,新たな血清情報の検索をおこない,臨床検査に応用可能かを検討したい.(大川 龍之介)