東京大学大学院医学系研究科・医学部 倫理委員会において承認を受けた研究
血球計数装置MYTHIC18(J)新試薬の性能評価(承認番号3333-138)
- 研究課題名
血球計数装置MYTHIC18(J)新試薬の性能評価
- 承認番号,承認日
平成29年11月15日(承認番号3333-138)
- 内容
プレセプシンは新規の敗血症マーカーで,「日本版敗血症診療ガイドライン2016」に新たに記載され注目されています.プレセプシンは細菌のリポ多糖であるLipopolysaccharide(LPS)のレセプターである単球マクロファージや顆粒球の細胞膜上に発現する表面抗原の一つである膜結合型CD14が切断された分子量約13kDaの断片です.
プレセプシンの測定上の問題点として振盪により測定値の上昇がみられることが確認されています.この現象は血中に存在する可溶性CD14が何らかの酵素で切断され産生される可能性と血中に数μg/mLの濃度で存在する可溶性CD14が変性して交叉反応を示すようになることが推測されており,検体採取時に酵素阻害剤や変性防止剤を添加することにより振盪による測定値上昇を防止できる可能性があり,また,採血時や検体運搬時,検体処理時に振盪を抑制することで測定値への影響が回避される可能性も考えられます.
本研究では,日常の臨床検査に依頼された残余検体を用いて,プレセプシンの安定性について検体の取り扱い可能な条件を明らかにするとともに,検体取扱い条件の測定値への影響を検討することにより敗血症診断薬プレセプシンの性能評価を行います.(増戸梨恵)