東京大学大学院医学系研究科・医学部 倫理委員会において承認を受けた研究
骨髄異形成症候群(MDS)の画像判断サポートシステム開発(承認番号3333-123)
- 研究課題名
骨髄異形成症候群(MDS)の画像判断サポートシステム開発
- 承認番号,承認日
平成29年5月23日(承認番号3333-123)
- 内容
近年,骨髄異形成症候群の網羅的遺伝子変異解析が進み,WHO分類2016年版では遺伝子変異による疾患の分類が大々的に取り入れられるまでに至っていることから,今後,当該疾患の診断には体細胞遺伝子変異検査の実施が必須になると予想される.
一方で,MDS診断において従来より中心的に実施されてきた細胞形態診断は,迅速性,コストなどの面から今後も広く続けられることが想定され,実際現在でも,細胞形態が決定的診断基準に用いられている.しかしながら,細胞形態の判定には,標準的判定基準の整備が十分でないこと,判定が医師・検査技師の目視による主観に依存すること,さらにはそうした判定を行うことのできるようになるまでには長い経験を要し,絶対的に人材が不足していることなどの課題がある.
そこで今回,機械学習を専門とする情報・工学系研究者との共同研究開発により,細胞画像よりMDS自動判定し検査のサポートを行うことのできるソフトウェアの実現を目指すこととした.熊本大学ならびに協力施設で収集されたMDS症例の連結不可能匿名化済み末梢血塗抹標本を活用し,また,多くの臨床検査技師による細胞形態判定を「教師」として機械学習装置の精度向上に役立てることで,実用的な判定サポートシステムの開発を熊本大学附属病院との共同研究で行う.連絡先:常名 政弘(内線35046)