東京大学大学院医学系研究科・医学部 倫理委員会において承認を受けた研究
マイクロタイピングシステム カード用分注機「Swing」・カード用リーダー「Saxo」の性能評価(承認番号2773)
- 研究課題名
マイクロタイピングシステム カード用分注機「Swing」・カード用リーダー「Saxo」の性能評価 - 承認番号,承認日
平成21年10月5日(承認番号2773)
- 内容
血液型をはじめとした輸血領域における従来の検査は試験管によって行われ,検体分注から結果判定まで各技師の技量に左右されがちであり,自動化・標準化は長年の念願であった.1984年,フランスのYveLapierreが凝集赤血球をゲルを用いて分離することに成功し,1988年,スイスDiaMed社が製品化し標準化をすることに成功した.さらに製品開発がすすみ,バーコードを利用した検体自動分注や自動結果判定によって,自動化と人為的エラーである検体の取り違えによる血液型不適合輸血防止などの輸血事故防止の安全向上に大きく貢献することとなった.
本研究は,承認済みのマイクロタイピングシステム カード用分注機「Swing」(医療機器届出番号:13B3X00206000016)(別紙1),カード用リーダー「Saxo」(医療機器届出番号:13B3X00206000017)(別紙2)を用いることが,輸血事故が多いとされる夜間休日時間帯の輸血検査の安全性向上に資するか,そして小規模病院でのルーチン業務におけるリスクマネジメントに有用であるかを従来機器(ID-GelstationおよびSamplerIII-M/Reader-SA:当輸血部で稼動中機器)と比較検討して,確認する.なお,両装置は2004年よりスイスをはじめとした西欧諸国で使用されており,「Swing」は現在680台,「Saxo」は現在690台が全世界で稼働中であり,輸血検査に対しての信用性も得られ,発売以来事故の報告もなく,安全性は確認されている.よって,本研究における検査者の安全性は担保されているものと考える. 本研究の評価・考察は,日本輸血・細胞治療学会,日本臨床検査自動化学会などへの学会誌へ投稿する予定である.(曽根 伸治)