東京大学大学院医学系研究科・医学部 倫理委員会において承認を受けた研究
酸化(型)および還元(型)アルブミンの検査法に関する研究開発(承認番号2021111NI)
- 研究課題名
酸化(型)および還元(型)アルブミンの検査法に関する研究開発 - 承認番号,承認日
承認番号2021111NI
- 内容
【対象となる方】
承認日〜2024年3月31日の間に東大病院においてに当院検査部で血液検査を受けられた患者さん。 通常診療の一環として行われた血液検査の残検体、及び検査データを用いて研究を実施するため、本研究により新たな侵襲は加わりません。
【研究の意義】
酸化ストレスは種々の疾患の原因、および進展と関係しているといわれていますが、現在、日常臨床で使用できる検査は存在しません。当検査部では2015年から研究を行い、簡便で正確、短時間で検査が可能な酸化(型)アルブミン測定法(東大法)を開発し、検体を安定に保つ検体採取法を見出しました。 臨床研究の結果、糖尿病、心疾患、腎疾患、肝疾患、膠原病、パーキンソン病、老化など酸化ストレスと関連しているといわれている病気において、酸化(型)アルブミンが高値になっていることがわかりました。 さらに、自動で大量の検体の測定を可能にする新規の酸化(型)アルブミン測定法を日東紡績株式会社と共同で開発しました。この新規測定法を用いると日常臨床において酸化アルブミンの測定が可能となり、酸化ストレスが関連していると言われている、種々の病気の進展の評価や予防につながることが期待されます。
【研究の目的】
本研究の目的は東大医学部附属病院検査部と日東紡績株式会社総合研究所が共同で開発した新しい試薬を用いた自動分析による新規酸化(型)アルブミン測定法について、基礎性能、および臨床的有用性について、従来の東大法と比較しながら評価することです。
【研究の方法】
この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、東京大学医学部附属病院長の許可を受けて実施するものです。これまでの診療で検査部内の検査記録に記録されている年齢、性別、BMI、血算検査、生化学検査、糖代謝検査、肝機能検査、腎機能検査、その他対象疾患関連検査、酸化ストレス関連検査の結果を収集し、個人が特定できる情報を削り、新しく符号をつけ、どなたのデータかわからないようにしたうえで、東京大学付属病院検査部と日東紡績株式会社で共有します。 検査で残った検体を使用して、東京大学医学部附属病院検査部(東大法)と日東紡績株式会社総合研究所(新規測定法)で酸化(型)アルブミンの分析を行い、同じ測定結果になるかどうかを比較します。特に患者さんに新たに検査の実施やご負担をいただくことはありません。 検体は東京大学医学部附属病院検査部で保管します。日東紡績株式会社総合研究所へば測定に必要な検体量を送り、測定後に検体が残った場合は破棄します。
【個人情報の保護】
この研究に関わって収集される試料や情報、データ等は外部に漏洩しないよう慎重に取り扱います。あなたの酸化(型)アルブミンの測定結果、カルテおよび問診票に記録されている血液検査結果、既往歴、服薬歴などのデータは解析を行う前に氏名、住所、生年月日等の個人情報を削り、代わりに新しく符号をつけ、どなたのものかわからないようにした上で、当検査部において研究責任者、佐藤雅哉、および研究担当者、安川恵子がパスワードロックをかけたパソコンで厳重に管理します。そのため個人の結果をあなたにお伝えすることはできません。
この研究のためにご自分のデータ、残検体を使用してほしくない場合は、採血検査後1週間以内に主治医にお伝えいただくか、下記の研究事務局までご連絡ください。ご連絡をいただかなかった場合、ご了承いただいたものとさせていただきます。また、ご本人以外の保護者、家族からの拒否も受け付けますのでご連絡ください。 研究結果は個人が特定できない形式で学会等を通じ発表されます。収集したデータは厳密な管理のもと、研究終了後5年間保存されます。ご不明な点がありましたら主治医または下記研究事務局にお尋ねください。
この研究に関する費用は、日東紡株式会社との共同研究契約にもとづく研究費から支出されています。 本研究は日東紡株式会社の研究資金を受けて実施していますが、東京大学医学部利益相反アドバイザリー機関に報告し,利益相反マネジメントを適正に行っています。 本研究は、日東紡株式会社より研究資金の提供を受けて実施いたしますが,研究の実施や報告の際に,同社に都合のよい成績となるよう意図的に導いたりすることはありません.尚,あなたへの謝金はございません. - 連絡先
東京大学医学部附属病院 検査部 講師 佐藤雅哉
03-3815-5411(内線30683)