東京大学大学院医学系研究科・医学部 倫理委員会において承認を受けた研究
リゾリン脂質測定の臨床検査への応用:検査後残存検体を用いた基礎的検討(承認番号849)
- 研究課題名
リゾリン脂質測定の臨床検査への応用:検査後残存検体を用いた基礎的検討 - 承認番号,承認日
平成16年6月28日(承認番号849),平成18年2月2日に微修正(承認番号849-1),平成18年5月17日に微修正(承認番号849-2),平成20年6月20日に微修正(承認番号849-3) - 内容
リゾリン脂質性メディエーターの代表格であるリゾホスファチジン酸 (lysophosphatidic acid;LPA)とスフィンゴシン1-リン酸(sphingosine 1- phospahte;Sph-1-P)は,種々の細胞・組織に対して多彩な作用を有することが 最近の研究により明らかとなっており,とくに悪性腫瘍や動脈硬化症の病態生理 における重要な関与が想定されている.基本的には,これらは細胞間メディエー ターとして細胞表面上の7回膜貫通型受容体に作用する.従って,ヒトの血液を はじめとする体液におけるその変動を知ることが,その病態生理学的意義を知る 上で極めて重要である.また,血液・尿等の検体を用いた測定が将来的に臨床検 査として応用できる可能性もあると考えられる.本研究は,検査後の残検体を用 いて,リゾリン脂質そのものまたはそれを作る酵素活性等を測定することにより,現時点では不明の部分が多いこれらリゾリン脂質性メディエーターの病態生 理学的意義を探求するとともに,将来の臨床検査への応用に向けた基礎データを 得るものである.(矢冨 裕)