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各検査室の紹介
心・血管エコー検査

T.検査室の紹介
心・血管エコー室は,臨床検査技師9名(取得資格:心エコー専門技師,超音波検査士(循環器),超音波検査士(血管),血管診療技師(CVT),二級臨床検査士(循環生理学))と,循環器内科医数名および血管外科医数名が曜日担当制で検査を担当しています.
エコー検査としては,心エコー,経食道心エコー,負荷心エコー(運動負荷,薬物負荷),頸動脈エコー,腎動脈エコー,四肢動脈エコー,四肢静脈エコーを実施しています.また,血管機能検査(足関節上腕血圧比,足趾上腕血圧比,皮膚灌流圧測定,近赤外線分光法(動脈,静脈),空気容積脈波,指尖脈波)の検査も実施しています.

U.検査の紹介
1. エコー検査
1. 特徴
エコー検査は超音波(耳で聞こえる音よりも周波数が高い音)を用いて体の内部を観察する検査法です.CT検査やX線検査のように放射線被ばくの心配がなく,無侵襲な検査ですので安心して検査を受けて頂くことができます.異常構造物の有無だけでなく,その大きさやある程度の性状を知ることができ,また血液の流れる方向や速さを調べることもできます.また,映し出される画像はリアルタイムで動いて見えるため画像を見ながら治療するために使用されることもあります.

2. 原理
プローブと呼ばれる探触子から発せられる超音波は生体内の組織境界で反射と透過を繰り返します(音響インピーダンスの差による).反射して返ってきた超音波をプローブが受信し,その強さを明るさにして画面に表示すると断層像が得られます(Bモード).画面表示はほぼリアルタイムに表示ができ,体内の状態を観察することが可能です.

3. 各検査項目の説明
@心エコー検査
心エコー検査は,体表から心臓の動きや大きさ,弁逆流などをみる検査です.
上半身裸で左横向きに寝ていただき,検査を行います.必要に応じて体位を変えていただくこともあります.超音波検査用ゼリーを塗布し,プローブを当てて検査します.
検査時は,呼吸の調整が大切です.検査担当者の指示に合わせて呼吸の調整を行ってください.
<検査所要時間> 30〜45分
<注意事項>
● 食事の制限はありません.
● 上半身を使う検査ですので,着脱のしやすい服装でご来院ください.
● 尚,女性には検査用ガウンを用意してあります.

A経食道心エコー検査
胃カメラのように細い管を口から挿入して,食道から心臓をみる検査です.
<検査所要時間> 60分
<注意事項>
● 検査前4時間は絶飲食です.
● 着脱のしやすい服装でご来院ください.

B負荷心エコー検査(運動負荷,薬物負荷)
負荷心エコー検査には運動負荷と薬物負荷の2種類があります.
運動負荷は,寝た状態で自転車をこぐ運動をしながら,心エコー検査を行います.
薬物負荷は,運動している時と同じ状態を作る薬を点滴しながら,心エコー検査を行います.
<検査所要時間> 60分
<注意事項>
● 上半身を使う検査ですので,着脱のしやすい服装でご来院ください.
● 尚,女性には検査用ガウンを用意してあります.
● 自転車をこぐ運動をしていただきます.スカート着用の方には使い捨てのズボンを用意しております.また,運動靴など自転車をこぎやすい靴をお持ちください.
● 食事は軽めにすませておいてください.
● 内服薬の服用については主治医の指示に従ってください.
● 狭心症症状などの増悪がある場合など,当日の検査担当医が検査を延期したほうがよいと判断した場合は,当日に検査が中止となる可能性があります.
当日,体調がすぐれないようでしたら,中止もしくは延期してください.その場合,心・血管エコー検査室(内線34180)までご連絡ください.

C頸動脈エコー検査
体表から頸動脈をみる検査です.
<検査所要時間> 30〜45分
<注意事項>
● 首の周辺を検査しますので,タートルネックやハイネックの服装は避け,首から鎖骨付近まで露出できるような服装でご来院ください.

D腎動脈エコー検査
体表から腎動脈(腹部)や腎内動脈をみる検査です.
<検査所要時間> 45分程度
<注意事項>
● 午前に検査を受ける方は当日の朝食は食べずにご来院ください.
● 午後に検査を受ける方は当日は軽めの朝食を午前8時までに済ませ,昼食は食べずにご来院ください.
● 内服薬の服用については主治医の指示に従ってください.服薬のためのお水は少量飲んでいただいても構いません.また,お水やお茶(砂糖やミルクの入っていないもの)は多少飲んでも構いません.
● 腹部を露出できるような服装でご来院ください.

E四肢動脈エコー検査
体表から四肢の動脈やその他の動脈をみる検査です.
下肢(足)を検査する場合,下半身は短い下着1枚のみで検査を行います.
上肢(腕)を検査する場合,上半身を脱いでいただきます.
<検査所要時間> 30〜45分
<注意事項>
● 着脱のしやすい服装でご来院ください.

F四肢静脈エコー検査
体表から四肢の静脈やその他の静脈をみる検査です.
下肢(足)を検査する場合,下半身は短い下着1枚のみで検査を行います.
上肢(腕)を検査する場合,上半身を脱いでいただきます.
<検査所要時間> 30〜60分
<注意事項>
● 着脱のしやすい服装でご来院ください.

2. 血管機能検査
血管機能検査には,さまざまな種類の検査があり,痛みを伴う検査もあります.

1. 足関節上腕血圧比/脈波,足趾上腕血圧比測定

足関節上腕血圧比/脈波は,仰向けに寝た状態で足関節(足首)と上腕(腕)の血圧を測定し,血管の硬さや動脈の狭窄,閉塞を調べる検査です.
足趾上腕血圧比測定は,足関節(足首)と上腕(腕)の他に,足趾(足の親指)の血圧も測定します.
<検査所要時間> 5〜10分
<注意事項>
● 着脱のしやすい服装でご来院ください.
● 血液透析のために腕にシャントがある方や下肢動脈のバイパス手術後の方はお申し出ください.

2. 皮膚灌流圧測定
手・足部末梢の虚血の重症度を評価します.
仰向けに寝た状態で下肢(足)や上肢(腕)に,センサーのついたカフを巻き,カフ圧を上げて検査します.
<検査所要時間> 45分
<注意事項>
● 着脱のしやすい服装でご来院ください.
● 血液透析のために腕にシャントがある方や下肢動脈のバイパス手術後の方はお申し出ください.

3. 近赤外線分光法(動脈,静脈)
胸部に心電図の電極を装着し,下腿(ふくらはぎ)にプローブを付けてトレッドミル上を歩行していただいて,下腿(ふくらはぎ)の組織内へのヘモグロビン量の変化を測定します.
間欠性跛行の重症度,静脈還流障害を評価します.
<検査所要時間> 45分
<注意事項>
● 着脱のしやすい服装でご来院ください.
● 血液透析のために腕にシャントがある方や下肢動脈のバイパス手術後の方はお申し出ください.

4. 空気容積脈波
静脈の検査です.下腿(ふくらはぎ)に浮き袋のようなカフを巻き,つま先立ち運動などをしながら検査を行います.
<検査所要時間> 45分
<注意事項>
● 着脱のしやすい服装でご来院ください.
● 血液透析のために腕にシャントがある方や下肢動脈のバイパス手術後の方はお申し出ください.

5. 指尖脈波
手指や足趾に小さなプローブを装着して得られた脈波波形を評価します.
<検査所要時間> 15〜45分
<注意事項>
● ゆったりとした服装でご来院ください

III. ご注意
1. 上記すべての検査は完全予約制です.お時間に遅れた場合,検査を受けられなくなることがありますのでご了承ください.
2. 検査にかかる時間は検査項目によりますが,約30分から1時間です.事前にお手洗いなど済ませておいてください.
3. 食事,服装などの注意点については,各検査項目の説明をお読みになってください.

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