薬剤疫学という学問は、臨床疫学と臨床薬学にまたがる新しい分野として1980年代に米国で確立した新しい学問です。その研究領域は、医薬品市販後の安全性監視(ファーマコビジランス)、医薬品の効果や副作用に関するアウトカムリサーチ、医薬品の経済性研究、医薬品の安全性評価のためのレギュラトリーサイエンス、医薬品行政の関連法規・ガイドラインの策定に関わる研究と幅広いものとなりつつあります。日本には、これらすべての領域にわたって層の厚い研究者と理解者がいるというわけではなく、まだまだ裾野の拡大と更なる分野の振興が望まれるところです。
我々の研究室は、多様なバックグラウンドの研究者や学生たちが、レギュラトリーサイエンスともいわれる医薬品の研究開発、評価の側面、適正使用や行政側の側面、医薬経済とくに費用対効果といったヘルステクノロジーアセスメント(HTA)の観点からもさまざまな研究を行っている、非常にユニークな集団です。多様な研究を実施して、またお互いの研究を知るうちに、誰も思いつかなかったような価値観を創出、インキュベーションできるような、まったく新しい研究領域が勃興する予感をしばしば抱いています。
2011年度から、京都大学は、大阪大学とともに「政策のための科学」という文部科学省の長期の取組の領域拠点に採択されました。様々な政策課題について、所謂有識者の意見やメディアの喧伝によらず、科学的な根拠をもとに論理的に検討し、その結果を社会に伝えて関係者と対話をしていくというプロセスはまだ世界中で発展途上であります。このような新しい領域の教育による人材を養成し、各界に輩出していくということは極めて重要です。また、政策のための科学の研究手法も確立したものではなく、今後新たな学問領域を開拓する可能性に満ちています。私は、ヘルステクノロジーアセスメント領域のEBMやCERの考え方が他の領域に援用できないかということに関心をもっています。関係各位のご支援を賜るとともに、関心のある学生の参加も期待しています。本プログラムのウェブサイトは
http://stips.jp/
ですので、ぜひご参照ください。
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主な国際受賞
2004年、2003年 連邦政府食品医薬品庁(FDA-CBER) 細胞遺伝子治療部 臨床試験審査優秀賞
2003年 連邦政府食品医薬品庁(FDA-CBER) 最優秀研究者賞
主な国内公的業務
2009年 内閣府 健康研究推進会議 アドバイザリーボード 委員
2009年 経済産業省 産業構造審議会 研究開発小委員会 委員
2008年 文部科学省 科学技術・イノベーション政策懇談会 委員
2008年 厚生労働省 戦略研究モニタリング委員会 委員長
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