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*初期臨床研修はなんのためにある?



*初期臨床研修はなんのためにある?

患者のため。その病院のスタッフのため。そして、研修医「自身」のため。研修医のスキルためというのは手段に過ぎない。別の質問をすれば、医療の目的は?である。答えは同じ。チーム(スタッフ)が気持ちよく働けていない職場で患者によいものを提供することはできない。(チーム医療に患者を含めるのなら、患者自身も責任を取るべきであるが)

そして、一通り診療できるというレッテル張りをした医者が増えることで、法科大学院の設立と合わせて、医療訴訟を増やすという側面もある。総合診療医の普及が十分でない現状では、専門ではない分野においてさえも訴訟で負ける、最悪「刑事裁判」で負けてしまっている現状を踏まえても、細分化の専門医でもPrimary skillは将来医者を続けていく上でも必須である。

また、研修医は過去の過労死労災認定も相まって待遇が優遇されてきた。これ自体は非常に望ましいことである。しかし、以下のデメリットも生じていると考える。

1.        気分は学生の延長。責任がない代わりに、責任感が育たない。

2.        教えてもらうことが当然と考えて、自ら動かない人もいる。

3.        しわ寄せとして、仕事量も金銭面も指導医に多分に生じる。大学病院では研修医より10年目の医者が給与が安いこともしばしば。

4.        大学院生の問題。給料はない。むしろ払っている。しかし、実際は病棟や外来などの臨床医の仕事を十分にやっている。そのため、院生としての研究もろくにできないことも

5.        法律上、初期研修を受けないことで医者としてやっていけなくなる(保険診療ができないなど)ような発表に国が進むか分からない。

特に3〜5の医者と労働に関しては医者と労働のページ参照

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<追記1>

 臨床研修が必須になり、医局から「開放>解放」された学生・研修医は、各自の自己実現欲(「夢」ともいうが・・・)勝手医療を目指し、「私にとっての理想の研修ができる研修病院」を探ししている。そう、青い鳥を探すように。
 研修の目的が、「患者や社会のため」ではなく、近年の「自己実現欲」を満たすために、そして「勝ち組」になれるように努力しているようにも見える。医者の世界は職人の世界であり、技術の伝承ももちろんだが、「心意気」の継承も同様に重要である。その心意気を背中で語って、生き様をみせていた医局という存在は否定できない。まあ、医者=奉仕者の構図があたりまえになりすぎて、現在のさんさんたる状況の基本にもなっているのではあるが・・・。労働法もなにも知らない。
 
 今の「まじめな学生・研修医」をみていると、何かとっても純粋で,でもすこし頭でっかちで,自分の将来について真正面からまじめに取り組んでいるのだけれど,他人に対する関心より,自分自身に対する関心が強くて,何か人のお役に立ちたいと強く思いながらも,お役に立てるということより,お役に立てる自分が最も重要かもしれないという自己矛盾には気がついていないようにもみえる。
 こういう純粋な人ほど、家庭医・総合医に興味をもって、リスクをしらずに飛び込むのだろうな・・・参照「専門医と一般医


2007.9月記載
2009.8月追記1