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*「順列組み合わせ型診断学」+「病態生理学的な理論詰めで診断学」の必要性!



「病態生理学的な理論詰めで診断学」が必要な場面は2つある。

1.地域医療の現場での診療、
2.専門医が専門医を続けていくためである。

ヨーロッパ流(蘭学・ドイツ医学の影響での日本も)は「順列組み合わせ型診断学」は症状が全てそろった時期の患者、つまり大学病院の医療で発揮する診断法である。しかし、初期診療の段階では検査・症候の感度・特異度を意識的に考慮しないと、かえって誤診を増やす可能性がある。診断が付かなければ治療には難渋する。誤診が増えると余分な医療行為と労力により、医療費増大による病院経営の悪化、患者負担の増大も引き起こし、訴訟も増える。

また、common diseaseを合併、または病院内で新たに罹患することも、特に高齢化社会では多い。訴訟社会が加速する中、専門医であっても専門医を続けていくためには「Generalistとしての面」が必要になってくる。

医療の発達と細分化が進む中、よりより医療を提供するにはより多くの金銭が必要である一方、国の医療費削減政策はまったくの疑問である。しかし、現状でよりよい医療を提供するにも、primary care skillは必要であり、身に付けるためには「病態生理学的な理論詰めで診断学」と「症候学」の教育・訓練、さらにいえば「疫学事実(理論説明は軟弱でも臨床疫学として結果が出ているもの)の知識」が必要と考える。

一方、我が国の医学界は、臨床重視のフランス医学からは学ばず、優れた臨床医を育てることを主眼としていなかった。19世紀末のドイツ医学は学問偏重、臨床軽視であり、権威付けのため合議制を取らない体系をとっており、その体制までをも真似していたわけである。


2007.9月記載