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医療分野でのcoordinaterの役割(医者)


医療分野でも、リーダーとしてのcoordinaterが機能する必要があると思う。それは以下のメリットが考えられるからである。


#臨床医(医者)での効果

・五感診療の実践、コミュニケーションやbehavioral science、解釈モデルなどの有用性を提示し、その重要性(スキンシップ+コミュニケーションによる患者満足度UP、誤診防止、診療の基本、DPC制度下での経営効果UP)を専門医や学生など周囲に広め・伝える伝達者として。

・医療費増大の仮想(50〜75%)の犯人である「医療技術の進歩」した技術を無節操に使えば必然的に医療費は増大する。これを、「保険適応の決定」というマクロの視点と「個々の患者での意思決定(医学の適応コントロール)」というミクロの視点で、専門医や製薬会社・メーカーと住民団体の情報の非共有性を是正するための中立の専門家として。
・具体例:専門医はA癌のスクリーニングを減らして、浮いたお金を自分の専門領域でないB癌のスクリーニングの方がより予後がよくなるからBを受けたほうがいいので は?」という視点が抜ける。総合医だからこその全体からみた効率の指摘が可能。そして、EBMの手法の提示とコンサルト.

・また、住民-医療従事者-行政のバランスをとる仲介者として。
・専門医に「専門」に集中してもらうため。
・専門医の「専門しか」見れない弊害としての「誤診」による個別の患者満足度減退、誤診+余分な検査による病院経営の圧迫を防ぐため。
・coordinaterとして、患者を診る中心となれば、チーム診療がやりやすくなる(専門医はそのつどサポートで診てもらう形)?-大病院ならば医局間の壁の低さでカバー可能かもしれない。しかし、地域単位でみれば医療制度にたいする住民満足度と効率は上がるだろうことを私は予測する。


#病院事業管理者(医者)での効果

医療者としての現場の経験のない人間(行政からの2年単位での勤務:こういう人は大抵中枢にしか目が向いていなく、その「場」でなにかしようという気概が十分でない場合が多い)では、仕組みは変えにくい。病院の全体の仕組みと各部門の仕事内容が把握できている人間ならば、病院の看板は医者よりむしろ看護師や受付人、または職場を転々としる医者や看護師だけでなく、一つの病院のほぼ終身雇用の形となってしまう医療専門スタッフ(技師さんなど)の意見(自己優遇既得の意見か全体のためのものかは判断が必要だが)を聞く重要性も分かるだろう。詳細は(病院経営の項参照)だが、公的病院なら「病院は税金が資金の企業」であることをもっと意識し、地元還元の意識をcatch upすることがポイントと考える。組織は人である。


このようにcoordinaterが機能する医療界にするためのステップとして

1、総合科の認知・普及 :専門医との対立ではなく相補的な関係として。経営面へのfeedback。理念だけでなく実際の診療を共にする。⇒現在はこの段階(2007.8)
2.coordinator(総合診療、行政と医療現場の橋渡し、経営etc)が働ける器作り ⇒これを実践している人がマッシー池田!
3.coordinatorの機能・育成のシステム作り

を考えている。現在は1の段階である。近年、総合診療科が各病院で設立されつつあるが、ほとんどが失敗に終わっている。その原因として、
・少数精鋭でやったこと。マンパワーが足りない。
・十分なメリットを示せなかったこと(上述以外では半年・一年スパンでの経営面のfeedbackも重要):特に、専門医たちへ伝えられなかったことが原因だろう。

そのために必要なことは2つに集約されると思う。

1・住民への啓発:NPO(医療法人は基本NPOの立場)として、住民からの既得利益のない最良のfeedbackがない、または十分でなかったこと。
2.総合医の育成:学生や研修医にも魅力・意義を伝え切れなかったこと。

⇒さらに両方とも、health literacyを高めるということに集約 される。
2は、診療に限定せず、地域住民のhealth literacy教育者という役割も果たす。
実際の教育は腕利きの保健師や理解のある住民にやってもらうことになるだろうと思う。



(注)とはいっても、医療費を減少させるという政府の「理念」があって始めて上記の話がある。医療費の内訳、そして限られた資源を可能な限り公正・効率に配分することを目標とするのが医療経済学であって、医療費の総額自体は「政治、政府の理念で決まる」ことは重要である。その政治を行うのは国民が選んだ国会議員たちなのだから、みなさん選挙はぜひ行きましょう!期待するだけ期待して、虚仮おろすのも潮時です。まず自分が動きましょう!!


2007.11.6 記載