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*研修医と法律   


「研修医は労働者である!」ことは他でも述べた。

*医師法16条2項:「診療をするものは初期臨床研修を受けねばならない」


しかし厚労省は、『罰則規定がないという理由で本項に違反した状態でも診療は可能』という立場だ(いずれ行政処分の対象にするのだそうですが)。。

これを厚労省の本省役人が全国の国立大学病院の初期研修担当者の会で平然と言い放つのです。現場で高齢患者さんと頭の高さを同じにして一生懸命話を聞こうとしているたいていの研修医、学生の真摯な姿と、行政の曖昧さ、そのいい加減さのgapにホトホト愛想が尽きる。

真摯さだけではやっていけない。社会で法律を知らないことは損にしかならない!研修医は特に、学生〜と社会人初の人が殆ど。しかも、理想理念の下で教育されてきた。現場とのそのgapを埋める一役になるだろうという期待のもと以下述べる。


 「医者と労働と法律」の内容はもちろん、研修医も当てはまる。研修医の場合はさらに困難が付きまとう。それは「研修」医ということだ。つまり、研修医の業務(仕事)は(自主)学習の時間とされ労働時間に加算されていないということだ。具体的には

・朝・夕のカンファレンス
・仕事の引継ぎ
・「勉強会」と名がつくもの全て

と、参加が強制されていないものは全て「勉強時間」にされかねない。実際に、以下厚生省の見解でもその旨を記載している。

研修医の労働に関する厚生労働省の見解(PDF:ZIP解凍) ⇒厚生労働省 新医師臨床研修制度における指導ガイドライン(http://www.niph.go.jp/soshiki/jinzai/kenshu-gl/index.html)のT-Wより
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【1】労働・研修時間
 
 @研修医の労働・研修時間をめぐる背景
   1)わが国の労働時間に関する規制
     わが国では労働基準法により、労働時間等が規制されている。その詳細は以下の通りである。

    1.労働時間(労働基準法第32条)
     ・1週40時間、1日8時間とする
    2.休憩(労働基準法第34条)
     ・労働時間6時間超で、少なくとも45分の休憩
     ・労働時間8時間超で、少なくとも1時間の休憩を与える
    3.休日(労働基準法第35条)
     ・1週1日又は4週4日の休日を与える
    4.時間外・休日労働の割増賃金(労働基準法第37条)
     ・法定時間外労働においては25%以上、法定休日労働においては35%以上の割増賃金を支払う。
     ・宿日直勤務については(労働基準法第41条)、労働基準監督署長の許可を得た場合には、上記の労働時間、
     ・休憩、休日に関する規定については、その適用が 除外されることとなっている。その許可基準は以下の通りである。
     
      1.勤務の態様
       ・常態としてほとんど労働する必要のない勤務であり、原則として通常の労働の継続は許可しない
      2.宿日直手当
       ・1日又は1回につき、宿日直勤務を行う者に支払われる賃金の1日平均額の3分の1以上を支払う
      3.宿日直の回数
       ・宿直については週1回、日直については月1回程度を限度
      4.その他
       ・宿直については、相当の睡眠施設の設置
  
 *この許可基準の取扱い細目として、医師、看護師等の宿直の許可基準が定められており、その内容は以下の通りとなっている。

      1.通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること
      2.夜間に従事する業務は、一般の宿直業務以外に、病院の定期巡回、異常事態の報告、少数の要注意患者の定時検脈、
        検温等、特殊の措置を必要としない程度の、又は短時間の業務に限ること。
       (応急患者の診療又は入院、患者の死亡、出産等があり、昼間と同態様の労働に従事することが常態であるようなものは許可しない)
      3.夜間に十分睡眠がとりうること
      4.許可を得て宿直を行う場合に、2のカッコ内のような労働が稀にあっても許可を取り消さないが、その時間については
        労働基準法第33条、第36条による時間外労働の手続きを行い、同法第37条の割増賃金を支払うこと

2)わが国での医師の労働
 わが国においては、使用者の実施する労働者に対する教育については、出席の強制がなく、自由参加のものであれば、当該教育に要する時間は労働時間にあたらないと解釈されているところである。このため、指導医の行う手術の見学や文献の勉強等の教育を時間外に実施することについて、出席が強制ではなく、自由参加のものであれば、時間外労働にならないものと考えられる。

3)欧米における規制(参考)
1.欧米における歴史的背景
1980年代までは全世界的に研修医の労働・研修時間は長く、実質的な規制にも乏しかった。80年代半ば、米国において、医療事故が研修医の過労に起因するものであるとの訴訟が大きく報道された。これを契機に、80年代後半より、欧米で研修医の労働・研修時間の法的規制や、専門医を認定する機構による自主規制が始まった。また、研修医の拘束時間と医療事故との関連を指摘する研究が90年代以降相次いで発表されたことから、医療安全の観点から研修医の拘束時間規制の議論が強まっていた。
2.米国ACGME(The Accreditation Council for Graduate Medical Education)の新規制
米国では2003年7月から、すべての研修医の労働・研修時間(Duty Hours;病院内外での労働、研修、医学生の教育等研修医であることに伴う全ての活動の時間)について、強制力を伴う規制を開始した。それによれば新たな規制内容は;
・ 1週間の労働・研修時間は80時間以内(だだし、4週間平均で計算)
・ 勤務と勤務の間に10時間以上の休息を設ける
・ 連続勤務は24時間以内(患者引継等の新患や治療を伴わない業務ではさらに6時間延長でき、これを合算すれば連続30時間まで勤務可能)
・ 1週間に1日以上の完全休暇日(ただし、4週間平均)
・ 当直の頻度は3日に1回まで(ただし、4週間平均)
これを具体的に表現すれば;
・ 勤務日は1日平均10時間勤務
・ 4日に1回のペースで24時間連続当直+6時間の引継業務等
・ 1週間に1日の休暇
で週あたり77.5時間の計算となる。

4)今後の課題
臨床研修の到達目標達成のために、研修医が自主的に勉強することに関しては、時間外労働にはあたらないと考えられるところである。しかし、現実の研修の現場では、労働性と学習性が必ずしも明確には切り分けられないことも少なくなく、勤務・研修時間についての検討が喫緊の課題となっている。
 
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目を疑いたくなるような文章である。手続法と条文・法律系をごちゃ混ぜに述べている感が強く。労働基準法、特に36協定を元に検証しても時間外労働と当直と宿直の解釈差など解釈不能の面も多々。特に、赤文字のところは無理がある。各都道府県の労働基準監督省の見解・解釈・態度も苦しい。

労働性と学習性の検討が喫緊の課題!?そもそも、分けられるわけない。医者は生涯学習が大事と公式発言したことは!?そして、生涯学習コース、と生涯学習単位を制度している(医師会が勝手にやっているという判断かもしれないが)のは?

通常、民間会社でも、仕事・業務に必要な準備に必要な時間・資料や本の代金は会社が負担するのは基本である。医者は仕事に必要な本やonlineも自費で賄っている人も多いな・・・。時間外労働に関して、でました!「原則」。。結局すべて「例外」として処理されるのでしょう。

さらに、休日、休憩に関しては基準外!?⇒休日は平日時間外より割増が法律だが・・・。ココを除外とは・・・。なるほど、平日の時間外は「時間外労働」で・・・いや「休憩」の解釈が厄介。8時間労働なら間に45分は休憩をとる権利があるのに。。カンファの時間、食事時間休日を労働時間に入れなければ、夜12時まで通常業務で働こうが、「時間外労働にはならない!」。。。休日は、通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであることですね。よし!いや「原則」ですから。。。

あとは、医者と労働と法律の解釈法で終わりですな。

最後に、なぜ「欧米における規制(参考)」がわざわざココに載っているのか!?
⇒要するに、これくらいは働かせても問題ないですよ◎と太鼓判を押しているように解釈できる気がする・・・。上の文章の意味がないような・・・。

<まとめ>
・ 勤務日は1日平均10時間勤務
・ 4日に1回のペースで24時間連続当直+6時間の引継業務等
・ 1週間に1日の休暇
働きなさい。以上。ということか!?これに、学習時間が加算されると・・・。


でも!大学院生の現状を考えると、最高に恵まれていると思う。権利!権利!と主張するプロ意識の低い人も益々増殖かな
(詳細は「初期臨床研修はなんのためにある?」を参照)



2007年9月2日記載