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*introduction 〜なぜ法律を学ぶのか?〜

  答えはいくつもあるが、一番は「知らないと社会で損をするから」だと思う。さらに言えば、「自分の身をまもるため」、「医療を守るため」である。

 他者に関与しうる世の中の全ての行為には、法律が絡むといっても過言ではない。買い物、運転、貸し借り、労働、雇用、給料、身分、訴訟、犯罪、詐欺、約束etcなんでもである。知っていれば問題ないが、知らなくて損をしそうでも、『「誰も!!」損ですよ〜!?』とは教えてくれない。特に、金銭関係ではそうである。どうしてか?それは、教えれば、自分らがその分損をするからである。

 税金はよい例だ。もし払いすぎていても、こちらから「私は払いすぎているから余分を返してくれ(証明付)」と申告しない限り、返却されることはない(確定申告)。もちろん、支払いが足りなければ、「払わなければならない」のだが。ここで払わないと「脱税!!」で犯罪となる。売買でも、いくら恐喝されても、詐欺にあっても、自分で「詐欺だ!取り消しだ!無効だ!」と主張しなければ、その契約(どんな理不尽なものでも)は法的に有効であり、犯罪とはならないのである(民法)。

 労働を例に出す。雇用者-被雇用者の契約である。なにか問題・疑問を感じた場合、直接雇用者に被雇用者の過半数以上の労働組合(なければそれに匹敵するもの)を通して意見をいってもよい。法的には立場は対等である。または、最寄りの労政事務所や各都道府県の労働基準監督省に直接、匿名でも相談可能。時間外労働も、勝手に雇用主が決定してはならない。36協定を労働基準監督省と結び、「〜のどうしようもない理由があるから従業員に時間外労働をさせてほしい。その分の給料は割り増し(の金額も細かく規定されている)で払う義務がある」とならなくてならない。

 また、労働法上に“当直”という定義はない。(休日夜間)勤務か、もしくは通常、宿日直業務と言われる監視・断続業務のどちらかである。従って個々の病院がどちらの勤務態勢を採用しているかで“時間外労働”の取り扱いも給料、処遇、保障が法的に全く異なる。

 医者でなくても、パートタイム労働者の給料UPを目指す訴訟が近年目立つ。中流がほぼ絶滅し、裕福層と下流層に2分化され(いやおうなしに!)、格差社会は横行している。詳しくは
「年次改革要望書と日本」の項を参照してください。正規雇用を減らし、バイトやパートや臨時職員の名の下で安働き・低保障をさせる。それも、企業が儲けるため!に。

 医者も一昔のようなRICHさは減少しつつある。一部の自由診療で裕福層相手に稼いでいる人間以外は・・・だが。過労、責任、自給にしたら一体いくらなのか!?と疑問にさえ思う余裕もなく、世間・マスコミからは「清く、正しく、貧しく、救世主願望で!それがプロの医者だ」と、金銭や労働条件に関する交渉できる雰囲気もなく、いや、医学の発展、真理の追究のために自己犠牲精神慢心で突っ走ってきた医者側も大きな責任がある。過労死問題続発しても、訴えはするが、「医者だから/のくせにな〜」という結論ありきの裁判・世間の反応。専門にかまけて、社会の一構成員としての自覚がようやくでてきたようだが、それもまだ一部の人間。このまま命のさたも金次第という空気にこのままのまれるのか・・・。医者だって人間だ!過労死してもだれも褒めてはくれない。自分の身は自分で守るためにも、医者は法律を学ぶべきと思う。

 こんなことをいうと、「労働法なんか気にしてたら仕事がまわらないだろ!」罵倒されるのは容易につく。しかし、それだけで思考停止してしまっていては損だ!
最近の民間企業では「タイムカードをつけて」勤務時間の意識化を図ることで結果的に経営効率をUPさせ、労働環境も改善しているところが増えている模様。ある大学病院の某診療科は最近医者のタイムカード制とafter7を導入し、今のところ成功しているようだ(マンパワーが充実しできたという運もあるが)。

 とある、知り合いの経営者曰く「だらだら残業、のろのろ引き継ぎ、倒産の元」と言っていた。医者でいえば「だらだらカンファ、のろのろ引継ぎ、過労死+低賃金〜もぬけの殻」ですかね?結局、しわ寄せは地域の住民に降りかかるのに。

 思うこと一つ…医者以外の医療従事者って労働団体が強くて、処務規定の範囲争いしてる中、医者がその「coordinaterとしての範囲の困難さゆえ?」か、それとも「聖職者としてのプライド(自他共に)ゆえ」か?、「労働なんてなんだ!賃金がなんだ!と「真理の探求」なんかを自己満足でやってきた自己責任ゆえ」か?、「根性論の世代の医師会理事らの都合のよい解釈と責任逃れと押し付け」か?、社会事情(法律など)の無知さゆえか?etc

 といろいろ考えられるが、自分の職場環境を「世間が悪い、行政が悪い」と周りを非難するだけで、自分たちから変えようという団体が少ないと感じる。それすらできる身体的にも、精神的にも疲労しきってできない人も非常に多いのが事実。ただサポタージュするだけでなく、その次をどうにか!?


 なんて、ずっと言われていることですけどね。。。

 ただ、権利!権利!と叫んでいる人を見ていると、「プロ意識」が欠如していく不安でいっぱいの気持ちも十分にあります・・・

 ともかく、これからの社会で医者をやっていくには、法律の最低限の知識(頼れる人脈を持っていること)は必須であると思っている。まあ社会人としての(大学の教養レベル)の知識をですが。

 日系メディカルの特集「とんでも研修医!」http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/200709/504054.htmlとその周辺記事にも、こんな人実際にいるの?と疑いたくなるが、一般社会の同世代の人間をみても、私が実際見た人をみても、「あ、あ、ありえる・・・」と思ってしまった。お互い様も面も十分にあるけど。勉強は教わることと勘違いしている人も多いし。


2007年11月記載
2009年8月追記