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*日本はなぜ「負債大国」となったか?〜(5)

V. 日本の国債残高の驚くべき増加

過去30年間、国債残高は爆発的に増加し、1,000倍以上に膨れ上がった一方で、GDP4倍の増加に止まり、その結果、国債残高はGDPの半分以上にもなった。言い換えれば、1965年以来政府が増加させてきた負債を返済するには、日本国民や日本企業が1年間に生産する金額の半分が必要であるということである。

日本の国債が、雪だるま式に増加した原因は、1980 年以来、日本は国家の歳入を上回る金額を支出し、その差を借金、つまり国債の 発行で補ってきたためである

あるいは、政府は歳出の増加に合わせた増税をしなかったとも言える(つまり 日本のトップ10%の富が増加した分だけの税を徴収しなかった)。その代わり何をしたかというと、FIRE分野に税制上の優遇措置を与えたのである。さらに日本政府は、優遇措置を与えたそのFIRE分野から借金もしている。日本政府は1980年 以来平均で、支出予算の15%以上を借金で賄っているのだ。

しかし日本の借金の原因は、実際には税率が下げられた裕福なFIRE分野ではなく、公共政策の受益者である残りの国民の責任にされているが、本来の責任は主に日本のFIRE分野と、さらには米国の経済・軍事プログラムを支援した点にある。


日本の国債の統計は、他の国とは異なる分類になっており、1つの勘定に統合されていない。収入と支出の計算書(赤字の場合は税金で経常支出をカバーできないことを意味する)と様々な資本財(インフラ)支出に関する「資本」のバランス・シートの2つに分かれている。日本では、この2つをカバーするために2種類の国債が発行されている。資本予算の資金繰りのための建設国債と、物理的な資本資産の建設以外の支出に関する経常赤字を穴埋めするための赤字国債である。

問題は資本予算と経常予算を区別しようとする場合で、ほとんどすべてが「資本支出」と見なされてしまう。例えば、すべての教育費は「人的資本の形成」と見なすことができる。ニューヨーク市は、長い間、橋梁など都市基盤の維持費も単に資本予算として計上してきた。創作力のある会計士なら、循環論法と曖昧な定義付けでかなり柔軟な解釈を行い、事実を曇らせることができる。そのようにして日本も、負債を政策の失敗によるものではなく、正当で当然なものであるかのように見せかけてきたのである。

特定の支出を別枠にしているのは、国債の発行を正当化するためである。これが正当化されるのは、公共の交通機関や通信から港の開発などの建設プロジェクトまで様々な資本財の価値が長年持続するためである。インフラ整備のプロジェクトが一般に国債で資金繰りされるのはこのような考えが基盤になっており、その国債の償還は、少なくとも基本的には、これらの公共事業から得られるサービスの流れと関連していると考えられている。しかし、国債には金利の支払いという問題が伴い、それ自体が蓄積されていく傾向があることを忘れてはならない。




 ⇒(6)へ続く  


2007.11.6 記載