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*日本はなぜ「負債大国」となったか?〜(4)

U.米国の財政赤字を資金援助するために、日本がいかに借金を増加させたか


日本の国債残高増加にはもう1つの要因がある。国内の富裕者に対する減税や金融部門(最も顕著なのが住専)の救済、税金逃れに忙しい富裕階級への利払いといった負担の他に、米国の財務省にも資金援助している点である。

金や円、その他の通貨ではなく米ドルで外貨準備高を保有することで、日本の中央銀行は結局、19964月時点で、財務省に2,045億ドル(20兆円)を融資している。


1996
7月のSurvey of Current Businessによれば、日本の民間部門の財務省証券の保有高を含めると、日本は米国財務省に対して昨年末時点で、2,230億ドルをも貸し付けている。これは、1994年末の数字、1,690億ドルに比べると31%の伸びになる。それに加えて、日本の公的機関および民間部門は米国の銀行に880億ドルも預金をしており、1995年末時点において日本から米国への融資総額は3,100億ドルにものぼった。

これだけの金額を日本は米国に融資していながら、日本政府は財政赤字を増やし、その結果、日本国民に対する負債を増加させているのである

世界通貨制度の中で米国を資金援助するという役割を果たさなければならないがために、日本は消費税を3%から5%へ増税しなければならないのである。米国のFIRE部門("Finance(金融)""Insurance(保険)""Real Estate(不動産)"産業の一般的な略称)がキャピタル・ゲインへの課税を削減させることに成功すれば、日本はさらに多くの資金を供出しなければならなくなるであろう。このキャピタル・ゲイン税減税の主な受益者は不動産部門であり、連邦政府に支払う税金はほぼ完全に無税となる。米国の不動産部門から全く税金をとらず、さらに日本でも不動産バブルを引き起こした不動産および金融部門に対する課税を強めなければ、日本の消費税は15%まで引き上げざるを得なくなるであろうと試算されている。

日本の有権者は、大蔵省や与党がなぜ消費税増税を迫っているのか、その理由を理解すべきである。これは極めて重要なことなのだ。日本の歳出を補うために必要な税金を投資家が支払っていないために、消費者が代わって税金を払わなければならないのである。


日本が米国財務省証券を購入していなければ、少なくともその分だけ日本は、自国の財政を穴埋めするための借金をせずに済んだはずである

あるいは、その資金を使って、円ブロック圏の地盤を固め、基軸通貨国として日本に資金を集めることができたかも知れない。公共支出負担や減税、さらには国内の繁栄のためにその資金を使うこともできたであろうし、それを使って、

米国が行ったのと同じように、他の国の経済を支配することも可能であったかも知れない。しかし、それを日本はやらなかった。


しかし現実は、米国財務省への融資が拡大したために日本の国債残高は増加した。米国人が税金を払わない分、日本国民の税金負担が増えたのである。

しかし、米国民は日本に感謝するどころか、日本たたきはとどまるところを知らない。その理由は、現実に何が起こっているかを、米国の政府やエコノミスト、メディアが国民に説明しないためである。しかし、日本の政府やエコノミスト、メディアが明らかにしないことを、なぜ米国側が敢えてそれを国民に説明しようとするであろうか



 


 ⇒(5)へ続く  


2007.11.6 記載