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*日本はなぜ「負債大国」となったか?〜「負債額」の原因と計算方法の嘘(1)

1.借金とGDP・GNP:計算違い

OECDが各国の財政債務残高を比較する場合の基準は、債務残高から外貨準備金や社会保障基金(大半が公的年金の積立金)などの政府の金融資産額を差引いたところの純積債務を用いる。政府の債務のGDP比率を比較する場合にも、債務はこの純債務額である。日本の場合特に債務残高ではなく純債務額を使うべきと言うのは、日本の外貨準備金や社会保障基金は他の先進各国に比べ突出して大きいからである。つまり日本政府の債務残高は一見大きく見えるが、金融資産を差引いた純債務は決して大きくない。


まずは、GDPとGNPの違いを述べる。

・GNP(国民総生産)=海外にいる日本人が使ったお金は含まれるが、日本にいる外国人の使ったお金は含まれない

・GDP(国内総生産)=海外にいる日本人が使ったお金は含まれないが、日本にいる外国人の使ったお金は含まれる

企業の海外からの受け取り利息・配当が増加しているので、日本経済はGNP>GDPになっている

純債務残高を使った、つまりOECDの基準では、日本の債務残高のGDP比は他の先進各国と遜色はない。(さらには、日銀が保有する国債や政府短期証券も実質的に国の借金ではないのだから、これを純債務残高から差引くべきと考えている。これで比較すると日本の財政状況は先進国の中で際立って良くなる。)これは日本の金融資産が各国に比べ、突出して大きいからである。金融資産が大きい理由は、外貨準備高が大きいことと、そしてなによりも公的年金の積立金が197兆円ととてつもなく大きいことである。

日本の厚生年金の積立金は、給付額の5.5年分もある。ちなみに米国が1.5年分であり、英国が1.2ヶ月分、ドイツにいたってはたった1ヶ月分である。つまり日本も英国やドイツのように、保険料であれ、消費税であれ、年金給付に必要な財源を常時調達する形に制度を変えれば、巨額の積立金は不要になる。つまり、たとえば年金給付に必要な財源を、消費税で調達することに決めれば良いのである。

  


⇒(2)へ続く

2007.11.6 記載