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*特別会計はなぜ失敗し「悪」と叩かれるのか?

世間のこれらのイメージは、

一般会計=透明=善
・特別会計=不透明=悪


であると思う。が、財務省自体がこのイメージを推し進めるような発言もしており、今までの経緯からもなにか裏があるのではないかと感じていた。

会計方式は国によって、文化によって違う。日本で一般・特別会計の生まれたのも経緯がある。
会計方式というと対GNP比だ!いや、GDP比だという論争を見る。しかし、国の状況によって都合が良いように使い分けているに過ぎない。本質は貯蓄と外資への投資のバランスである(詳細は「1.日本はなぜ「負債大国」となったか?〜「負債額」の原因と計算方法の嘘参照)。

で実際に財務省HPで提示している一般会計と特別会計の歳入・歳出はコレ。
http://www.honey.ne.jp/~yosyan/image/tokubetu.jpg


これの説明:Yosyanさんのブログ:http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20071209より抜粋。


特別会計というのは、民間企業で言えば子会社や分社化のようなもので、大企業のようにいくつもの分野で事業を営んでいる場合、その事業ごとの収支を透明化するために会計を分けたもの。でないとある事業がものすごい赤字を垂れ流しているのに会社全体として黒字になるという場合、赤字を出している事業の見直しが遅れてしまって手遅れになる場合があるからだ。

 ただ問題があって、子会社Aから子会社Bに物を売った場合、子会社Aは売り上げを手にします。こんどは子会社Bから子会社Aに物を売った場合、子会社Bが売り上げを手にします。これを繰り返せばいくらでも売り上げと見かけ上の利益が出ることになりますが、実際はお金が行ったり来たりしているだけですから何の意味もありません。この手をうまく使えば粉飾決算など簡単に行えるわけです

 ですからこのような企業グループ内のお金のやりとりを除いたグループ全体の決算が必要になり、それがいわゆる連結決算になります。重複分というのはこのような特別会計および一般会計相互の金の流れを示しているものと思われます。重複分が多いと言うことは金が内部で流れているだけなので、一般論としては経営的には好ましい状態とは言えません。


 つまり、特別会計は特定事業を新たに行う際に、「会計を別にして」個別の損益を把握するためにある。

これだけみれば、なぜ「悪者!」とここまで叩かれるのか?
私はその理由を、

「新たな組織・規則を生む時は、それの見直しと解散の時期をあらかじめ決めておく」ことをしなかった

ことによる、よくある組織の失敗の例と感じている。まぁ、彼らは意図的なんだろうけど。

つまり、「組織を作る目的が達成されたら、その組織は解散する」ということ。組織は維持期間と年度毎の維持費は正の相関関係にある。期間延長は従来の目的に付随する「利権」を発生させる。そして、その利権を守るために必死になる輩が必ず現れる。えてしてその組織は悪循環に陥っていく。

*対策:あらかじめに、

短期間事業解散方法
久的な事業見直し時期  

のルールを決めておくことが重要。

これ関して、いただいたコメント。
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・道路整備特別会計の中にある「道路の新設、改築、維持、修繕に関する事業」、特に維持、修繕などはであることは明らかですので一概に言えない部分もあると思います。むしろ利権の生じにくい組織システムを作ることが大事だと思います。たとえば道路の新設のように額も大きく利権が生じやすく、しかも政策の影響を受けやすいものはむしろ一般財源化して財務省の管理にまかせた方がよいと思います。逆に維持管理はむしろ現場の裁量に任せるべきで、こんなものを一般財源化したら逆に管理コストがかかりすぎて赤字が増えてしまいます。
 経営的に特別会計を見ると、収支の概念はありますが、いわゆるフロー、ストックの概念がないのが問題です。特にストックの概念が欠けているので資本の生産性という面に目が向けられていないのは致命的です。これは特別行政法人にも言えることです。

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なるほどですが、ただこれとは別に「見直しの時期をあらかじめ明文化」は必要と思う。途中で臨機応変にも重要ですが、「過剰な利権の発生」を防止する上では「明文化」が必要。現場に任せていないという批判もあったが、組織を立ち上げるのが「現場のニーズ」でなく「お上のニーズ(既得利権や上の都合など)」だったからだと思う。

「現場のニーズ」に気付き、対応すべく「目的(ニーズの解決)を定め」組織を立ち上げる。解決したら終了。解決できなくても、その方法論の分析は役立つ。

現場では「解決できないこと」が多くて、そんな理想どおりにいかない!のだ。という声が聞こえてくる。しかし、それは「目的の立て方」によるのではないだろうか?目的の立て方にはいくつかルールがある
そのなかでも、

道路整備事業の失敗は「実現利益よりも、他分野の損失が大きくない。」に反する。社会保障分野(他分野かつ基本政策)を侵食していることが失敗なのだ。理念の問題である。私が混合診療に反対なのも理念からである。



*要チェック資料:厚生省の「特別会計のおはなし」http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/tokkai1804.htm

2007.12.18 記載