TOP 経営TOPへ


*一般会計・特別会計/企業会計導入の是非

会計の変換と日本の社会を考える場合、会計方式を2つに分ける必要がある。

1.一般会計と特別会計:従来の日本の組織全て〜現在の公的機関の会計方式
2.企業会計:現在の民間企業と一部の公的機関(都庁など)

今、多くの公的組織が企業会計への転換を図られている。そもそも、年次改革要望書どおりの近年の「商法改正」、「2007年:三角合併の解禁」、「新会社法の設立」などが大きく影響しているのだが、ここでは難しいことは書かない(私も理解不十分で書けない)。ここでは、1⇒2への会計方式の転換(ほぼ強制)が与える影響に関して主に示す。

----------------------------------------------------------------
一般会計と特別会計
 ・メリット:借金があっても、企業存続と長期展望の元での投資と経営が可能。
 ・デメリット:実際の企業価値が見えにくい。
企業会計
 ・メリット: 企業価値が数字で示される。
 ・デメリット:短期決済に迫られる。外部干渉が大きい。外資の思うツボ。
----------------------------------------------------------------

別項でも書いたが、以前(20世紀後半)は「世界が」、日本を見習えとし、株の持ち合い、終身雇用制などの組織的すばらしさを絶賛していた。日本のものづくりに勝てないと悟り、アメリカがNASAの軍事技術を民間に開放したのがIT産業の始まりであった。

特別会計というと、「無駄金!天下りの温床!裏金!」と声高に叫ぶ人が多い。しかし、この会計方式だからこそ日本が発展してきたのも事実である。借金があっても終身雇用で安心してものづくりに打ち込め、職人が育ち、ものづくりの日本となり、技術の中心(例:日本の下町の技術なしでスペースシャトルは飛べない)となれたのだ。

ただ、過剰な談合、裏金は確かにかつてはひどかったらしい。最近は相当ましになったという意見は非常によく聞く。そして、よくなった?ことを全て企業会計のおかげだ!という短絡思考の人が多い。

先に結論を言おう。

「企業会計の導入は、外資の投資をしやすくし、日本企業形式を破壊し日本の企業からものづくりの継続を困難にして日本の活力を低下させる変換」にすぎない。

特別会計の悪点は、企業優遇税制策と天下り資金のために肥大したこと。

要するに、「企業・外資優遇のためなら国民大衆は犠牲でいい」という国の理念の問題である。


特別会計という、官僚だけが自由にし、国会の予算承認等を必要としない国家予算が、300兆円あり、一般会計との重複を除いても、200兆円前後あるというのだ。一般会計単独の2,3倍の規模である。

この特別会計の中には、官僚の天下り先である特殊法人への補助金などが含まれている。会計検査院が、特別会計の監査を行なっているとしても、それは所詮身内の監査でしかない。会計検査院の人間も、官僚だからだ。政治が、こうした国家財政の闇を公にし、国会で議論するようにすべきなのだが、それが出来ていない。恐らくは特別会計の生む巨大な利権に、政権与党が絡んでおり、特別会計に光を当てる作業を怠らせているのではないだろうか。

財務省が、医療費や社会福祉の予算について議論するときに、国家予算のなかで占める割合の高低を持ち出すのだが、それは一般会計に占める割合だ

是非、特別会計の内容を、国民に示すように要求してゆくべきだ。その上で、医療・社会福祉関連予算について議論すべきだろう。ネットでも是非この議論を盛んにして欲しいものだ。日本医師会も、政権与党に擦り寄ることはきっぱり止めて、こうした論点で、政府・財務省に迫っていってほしい。さらに、政治に変わってもらわねばならない。こうした、明らかにアンフェアな事象が、長年にわたりまかり通ってきたことに対して、政治家と無関心であった国民の責任は重たい。

特別会計が、これまで官僚にだけ委ねられてきたことは間違っていると、ことあるごとに声を挙げ続けなければならないと、切実に思う。

が……

終身雇用制度はやはり良い面もある。むしろ、日本という農民国家、産土国家にはふさわしいと私は思う。ただ、既得利益にしがみつき、自分たちさえ良ければそれでよいという人達が国を牛耳っている限りでなければ…。

また、企業会計であっても、国が国民・労働者を大事にし、日本の企業と国民をまず大事にし、(いくら国際社会といっても)外資の儲けのために日本を売るようなマネをしないという理念のもとならかまわないと思う。

やはり、理念の問題なのだと思う。ただ、理念・理想をいくら述べても、様々な人がいる。そういうリスクヘッジを踏まえると、今の日本の理念ではやはり私はまだ!一般会計・特別会計の方がマシな気がする。


結論)

日本本来の一般会計・特別会計を見直そう。もちろん、談合の横行はすさまじかったが、不正取締りは、それこそ第3者機関が行うことであり、制度自体を企業会計にするのは、外資が投資しやすくするための他には理由は見当たらない。


続きは、「*日本はなぜ「負債大国」となったか?〜(8)企業会計のワナ」をどうぞ。


 2007.11.12 記載