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*医療崩壊は社会崩壊の一面:医者の地方偏在説と大学医学部の地域指定枠の強制への反論!

大学の地域枠推薦制度が最近にぎわっている。特に地方大学医学部では導入したところが多い。

また、国(特に民主党はマニュフェストで提言あり)は、未だに医者の偏在説を唱えており、絶対数が足りていないことをつい最近わずかにみとめ、各医学部の定員を10人増やす方針も打ち出しつつあるが、建前だけの改革にとどまるに過ぎない。やはり、医学部を卒業したら、その医学部の地方に義務年限をつけようという指針のようだ。

慶應義塾大学商学部教授 権丈 善一 氏は 日本の医師の絶対数が足りないこ根拠をDATAをもとに分かり安く示して下さった。http://www.iryoseido.com/kouenkai/041.pdf(PDF)必見!!
 
しかも、地方で医者が足りなくなったのは、初期臨床研修制度と未だに言っている人を多々見るが、そうではない。現に、田舎であってもほぼマッチングでフルマッチ、定員が充足している大学だってある。自治医大(栃木)や福井大学など。一部のブランド病院を除けば、教育を充実させているところは人が集まっているし、出産ケアなどを女性の医者に認めている病院は、女性の医者も辞めていない。

そもそも、現在の医療崩壊を導いた数々の”改革”を行なった張本人が内閣総理大臣になったのが、2001年。そこをすっかり忘れて、臨床研修制度がどうのこうのいっても見当違い。しかも、
医者以外の人間もどんどん都市部へ移動しているのに、なぜ、医者だけがその逆方向に行かないと叩かれるのだろうか?。確かに地域にも人がいるから大事だよ。医療がないことが不安で都会に行くという話も聞く。しかし、医療があっても職がなければ、人はこない。私は、無駄な公共事業料金を減らして、社会保障費を上げろ!と他の欄でも書いた。

大都市部の昼はまだしも、都会の夜の医療過疎は非常に恐ろし。医者は,患者のいるところに行くのだ
江原朗. 県庁所在地への小児科医の集中は小児人口の集中と強い相関を示す.日本医事新報 2007;4353:77-79.(PDF)
に非常に明快に示してある。必読の価値あり!!

または、医療界は社会の一部であって、社会が崩壊してきているのに医療だけ無事なはずがない。雇用問題はもう危機的だ。医療問題ももう来るところまできている


*そして、地方枠の強制にかんして、

絶対にやってほしくないことがある。新臨床研修制度の2年目研修医を34名のグループで34ヶ月間無医村へ行かせるというものだ。本制度の導入 に非常に前向きだった医学界の結構な大御所の先生が提案していることなのだが、その先生曰く、「指導医がいなくても2年目の研修医が34名集まれば大抵のことは解決できるし、わからなければ情報化時代なのだから、電話・FAXE-mailなどで指導医からアドバイスをもらえばよい。」とのこと。

医療は地場産業なんだ!どんな商売だって、その土地の人々の顔が見えない。見てない産業は衰退するのは必然である。コンビニ1つとっても、その土地の動きとニーズを知り、常にその土地の情報に適応しなくてはつぶれてしまう。ましてや、命に関わる産業が、ちょいちょい来て、できる仕事ではないだろう。病気しかみてない、自分が治せる病気しか診療していない、患者は自分のところに来るものだと思っている大御所のお偉いさんには分からないの家もしれない。

しかも、訴訟でも起こされたらどうするの?と大変心配です。

いくら奨学金を出しても、現時点だって奨学金で将来の選択枝が狭まることへの不安から受けないで、学友会や民間の奨学金で通っている学生が沢山いて、地域枠自体が埋まらなくなっている大学すらあるというのに。自治医大OBでも使われ方の不条理でくさる人も少なくない話はよく聞くし(防衛医大は、医療活動のフィールドがないと違約金払って自由の身になる人もいるようですが)、気持ちが煮詰まって自殺念慮さえ耳にしたこともあります。

若い医師に無責任に地域医療への貢献を期待する悪しき風潮のように思います。
懸念はやはり無理な若いドクターへのヒモ付け、唾ツケ、拘束がんじがらめで、結局「アホな作戦でした」で終わる懸念です。

本当のモチベーション、インセンティブは、本当に気持ちよく仕事をこなせること、暮らせること。非医療者の若い人も都会に出てこざる得ない地域での医療過疎は、その辺りの自覚がないと、どうにもならないように思う。



2007.11.6 記載