UCG 東大病院検査部の心エコー検査の変遷

心エコー検査の変遷

発足
東大病院の中央診療部門である検査部に心エコー検査が導入されたのは1990年1月である。
循環器系内科または胸部疾患関連外科等ではすでに実施されていた。
当時、検査部で循環器検査の担当であった永井良三講師(現本院循環器内科教授)の尽力により1台の心エコー検査機器が設置されたことに始まった。
これにより心エコー検査機器、診断技術をもたない診療科の入院患者や各科の外来患者に対しても、特別な紹介状等を必要としないで容易に心エコー検査が施行できる体制が整った。

検査術者の変遷
開設当初の検査部枠の担当術者は永井良三講師や中原賢一医員であった。
その後、心電図検査室の技師が、中原賢一医員の指導のもとで検査を施行した。
現在は心エコー検査担当技師2名が専任で施行している。
検査部以外の枠については、週間予定表に従い、循環器医および老人科担当医により実施されている。

検査機器の変遷
当初はアロカ社製SSD-870の一台であった。この機種はいくつかのマイナーチェンジを経て、現在も稼働している。
あとの機種は東芝社製SSA-270A、SSD-2200×2台、東芝社製SSA-380の合わせて5台がすべて稼働している。

検査依頼方法の変遷
1.開設当初は、心電図受付に電話にて検査予約をしたあと、依頼伝票を病棟または外来から検査室に提出していた。
心電図受付では検査台帳を作成し、希望日時を確認し、制限人員枠まで検査受付を行った。
依頼伝票は同時に結果報告用紙も兼ねていた。
2.その後、コンピュータ端末から予約日時登録が可能になった。
3.さらに、入院、外来患者ともに、すべてコンピュータ端末でのマウス操作により予約日時登録および検査依頼が可能となった。
検査予定時刻の直前まで予約登録および検査依頼が可能である。
ただし、当日午前8時半をもって各検査医への検査割り当てを行うので、この時刻以降の検査依頼時には、随時電話連絡を必須としている。
また、予約登録最大数は検査部枠で1時間2名、検査部枠以外で1時間3名を目安に制限しているが、これらを超えた検査も実施可能である。
当日の至急検査および枠外検査は、混乱を避けるため、検査部技師により実施されている。
病棟出張心エコー検査は、現在、循環器医により行われている。

検査方法・患者情報の取得方法および検査結果報告形態の変遷
1.開設当初は、依頼伝票に記入された詳細な患者情報を基に、検査が実施されていた。
依頼伝票廃止後の患者情報入手は、検査依頼時に入力された情報および患者カルテおよび胸部X線像の確認により行なっている。
2.心エコー検査の記録は主にVTRテープ(S-VHSスタンダード)、感熱記録紙、ポラロイド写真によって行なわれている。
最近はポラロイド写真に代わってカラープリンターが使用されてきている。
3.結果報告用紙は複写式手書き報告書(A33枚綴り26穴:1枚目は検査担当者用白色地、2枚目は検査室保管用ピンク色地、3枚目はカルテ用白色地厚紙)を採用している。
結果記載形式は、検査担当者の任意であるが、基本検査項目値記載・フリー結果(文字+スケッチ)記載・画像プリントのホチキス止めである。
・コンピュータ端末を介しての検査部側からの結果入力、診療側での結果参照は現時点では出来ていない。
・また、検査部内での検査結果の磁気媒体によるファイリングもなされていない。
・検査部枠で技師の記録した検査所見は、すべて超音波検査指導医によるVTR読影等の実記録の点検を経たのち報告される。
・心エコー検査総件数(経胸壁+経食道+頸動脈+末梢血管):1998年は5500件、1999年は6100件であった。

検査室設置場所の変遷
1990年の開設時は、心電図室に隣接した約34平方mの心エコー検査室で行っていた。
その後、平成7年度(1995年末)には、循環器系検査および呼吸機能検査の病院内移転があり、現在に至っている。
それに伴い旧第二内科心エコー検査室も同じフロアに移転してきた。
さらに、平成13年には、第二期中央診療棟へ全生理検査部門の移転が計画されている。

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