解答1-1(anser1-1)
(問題-1)
中心周波数が2.5MHzの場合と5MHzの場合では1波長の長さはどの位か。
(解答-1)
中心周波数が2.5MHzの場合の1波長の長さは
0.4μsec
5MHzの場合は
0.2μsec
ちなみに
1 sec = 1000 msec = 1000,000 μsec= 1000,000,000 psec
1 GHz = 1000 MHz = 1000,000 kHz= 1000,000,000 Hz
(問題-2)
中心周波数が5MHz、パルス幅1μsec、パルス繰り返し周期1KHzの正弦波パルス波形を図示せよ。
(解答-2)
1波長の長さが{1/5×106 =} 0.2μsecで{1.0/0.2 = } 5波長の連続した波を書く。
そのあとに、{1/103=}1msec後に同じ5波長の連続した波を書く。
以上を連続する。
(問題-3)
超音波の伝播速度を1500m/secとしたとき、中心周波数が5MHzの場合では1波長の長さはどの位か。
(解答-3)
c=fλより
超音波の伝播速度(c)を1500m/sec、中心周波数(f)が5MHzであるから
1.5×106(mm/sec)=5×106(Hz)× λ(mm)。
λ(mm)=1.5×6/5×106 = 0.3mm。
(問題-4)
超音波の伝播速度(C)を媒質の密度(ρ)、媒質の体積弾性率を(K)としたときの関係を数式で示せ。
(解答-4)
c=√(K/ρ)。
(問題-5)
超音波の反射が起こるための要因をあげよ。
(解答-5)
超音波は媒質の音響インピーダンス(Z)の異なる境界面でその一部が反射する。
音響インピーダンス(Z)=媒質の固有の音速(c)×媒質の密度を(ρ)。
(問題-6)
超音波の音響インピーダンス(Z)を媒質の固有の音速(c)、媒質の密度を(ρ)としたときの関係を数式で示せ。
(解答-6)
超音波は媒質の音響インピーダンス(Z)の異なる境界面でその一部が反射する。
音響インピーダンス(Z)=媒質の固有の音速(c)×媒質の密度を(ρ)。
音響インピーダンス(Z)=(媒質の固有の音速(c))/(媒質の密度を(ρ))。
(問題-7)
次の生体各部の音速(m/sec)の間違えを指摘しなさい。
骨(4080)>生体{血液(1570)≧軟部組織平均(1540)≧脂肪(1450)}≧水(1480)>空気(330)
(解答-7)
間違え箇所なし。
(問題-8)
次の生体各部の1MHzの減衰係数(dB/cm)の間違えを指摘しなさい。
骨(13)≧空気(12)>軟部組織平均(1.0)>水(0.002)
(解答-8)
間違え箇所なし。
(問題-9)
後方散乱(backscatter)とは何か。
(解答-9)
反射や散乱により生じた入射した音波と反対方向に進む音波のこと。
(問題-10)
スペックルパターン(Speckle Pattern)とは何か。
(解答-10)
調査中
(問題-11)
超音波の音響インピーダンスが異なる媒質a(Za)、媒質b(Zb)の境界に
超音波が当たった場合、その反射強度(Rab)を数式で示せ。
(解答-11)
Rab={(Zb-Za)/(Zb+Za)}2
(問題-12)
超音波の屈折が起こるための要因をあげよ。
また、音速の異なる媒質の境界に超音波が当たった場合、
入射角と反射角を数式で示せ。
(解答-12)
屈折は媒質に固有の音速にのみ影響し、密度には関係しない。
Sin60B= 0.866 Sin45B= 0.707 Sin30B= 0.5
Sinθ1/c1 = Sinθ2/c2 (Snell's law)
(問題-13)
超音波の減衰が起こるための要因をあげよ。
(解答-13)
それらの関係は距離が離れるほど、また、周波数が高いほど減衰する。
超音波検査に使用される周波数領域では、音波は距離と周波数に依存して減衰する。
(問題-14)
超音波の周波数に依存した減衰とは何か。また、そのことを利用した超音波検査技術は何か。
(解答-14)
ある任意の中心周波数とそれ以外の周波数をもつ超音波を生体に当てた場合、
生体からの反射波は送信した超音波の周波数分布と異なったものとなる。
これは生体の深部からの反射波は高周波成分が減衰するためである。
このため、発信した超音波の周波数に比べ、低周波成分は比較的減衰が少なく、
高周波成分は比較的減衰が多い。
この性質を利用し、体表面に近い部分からの反射波(距離が短く高周波成分の減衰が少ない。)は
送信超音波の中心周波数近辺で受信し、体表面から遠い部分からの反射波(距離が長く高周波成分の減衰が大きい。)
は送信超音波の中心周波数より低い周波数近辺で受信し
より鮮明な画像を得るような工夫をしている。
(問題-15)
音場(おんじょう)とは何か。
(解答-15)
超音波が伝播する領域を音場という。
無限大の平面探触子から出た超音波は収束も拡散もすることなく平面波のままで伝播する。
(問題-16)
近距離音場(フレネルゾーン)とは何か。
(解答-16)
探触子から出た超音波が伝播するとき、平面波のままで伝播する領域を近距離音場(フレネルゾーン)という。
探触子の口径をDとすると、探触子面からD2/4λまでが近距離音場である。
(問題-17)
遠距離音場(ブラウンホーファーゾーン)とは何か。
(解答-17)
探触子から出た超音波が平面波のままで伝播する領域を
近距離音場(フレネルゾーン)といい、探触子の口径をDとすると、探触子面からD2/4λまでが近距離音場で、
これより遠い領域を遠距離音場(ブラウンホーファーゾーン)といい、超音波は球面波として伝播する。
(問題-18)
音響レンズとは何か。
どんな機能を果たしているのか。
どんな材質で出来ているのか。どのような特性があるのか。
(解答-18)
音響レンズとは探触子の圧電素子より前面に配置してある構造体で、音波を収束させる目的を持つ。
生体での音速に比べ遅い音速約1000m/secのシリコンで出来ている。
凸面形状をとることにより探触子から出た超音波を収束させることが出来る。
もし、音響レンズに生体より早い音速を持つ物質を使用した場合は
凹面形状をとらないと探触子から出た超音波を収束させることが出来ない。
(問題-19)
距離分解能とは何か。
距離分解能は何によって決まるか。
距離分解能を上げるにはどんな方法があるか。
(解答-19)
距離分解能とはプローブから発射した超音波の伝播方向に位置する(超音波ビーム方向に並んだ)2点の反射源からの反射エコーを2点と識別出来る最小距離のこと。
いいかえると送信した1つのパルス波が送信方向上の2つの反射源から反射して出来た2つの反射パルス波を識別できる最小距離のこと。
距離分解能は送信パルス波の幅によって決まる。
距離分解能(△X)= nλ/2で表される。n=波数。λ=波長。 nλ=パルス幅。
距離分解能を上げるにはnλ=パルス幅を少なくする。つまりn=波数を少なくする。(一回の送信パルス波数を少なくする。)
またはλ=波長を少なくする。つまり中心周波数を上げる。(プローブの周波数をより高いものにする)。<
(問題-20)
方位分解能とは何か。
方位分解能は何によって決まるか。
方位分解能を上げるにはどんな方法があるか。
(解答-20)
方位分解能とはプローブから発射した超音波の伝播方向に直交する(超音波ビーム方向に直角方向並んだ)2点の反射源からの反射エコーを2点と識別出来る最小距離のこと。
方位分解能は反射体の位置する深さに依存する。つまり深さが2倍になれば識別距離は2倍になる。
方位分解能は送信した超音波のビーム幅によって決まる。
方位分解能(△y)= d/2≒1.22λ/D×Xで表される。d=ビームの太さ。D=振動子の直径。λ=波長。 X=距離。
方位分解能を上げるにはD=振動子の直径を大きくする。
またはλ=波長を少なくする。つまり中心周波数を上げる。(プローブの周波数をより高いものにする)。
(問題-21)
連続波とは何か。パルス波とは何か。超音波帯域幅とは何か。
(解答-21)
連続波とは周期(周波数)と振幅(強さ)が一定で連続している波。
中心周波数成分のみからなる。
パルス波とはある間隔をおいて繰り返す波。
多くは中心周波数および様々な基本周波数を組み合わせて作られている。
あるパルス波形がどのような周波数で構成されているかは、スペクトル図で表される。
スペクトル図は縦軸に波の強さ、横軸に周波数をとり、波形を展開したものである。
超音波帯域幅(△F)とは中心周波数(F0)の強さの最大値が1/√2になるときの周波数の分布幅である。
この分布幅を表すものとしてQファクターがある。Q=F0/△F。
中心周波数(F0)が同じでパルス幅が狭い波形は帯域幅が広くなりQファクターは小さくなる。
この場合距離分解能がよく、断層検査によく使われる。
また、同じ中心周波数でパルス幅が広い波形は帯域幅が狭くなりQファクターは大きくなる。
この場合、ドップラー検査によく使われる。
(問題-22)
パルス波を用いた断層像の表示原理とは何か。
(解答-22)
生体内のある深さの反射体に向けパルス波を発信すると、プローブ-反射体の距離の2倍を移動して反射波はプローブに帰ってくる。
生体の音速を1500m/sec、反射体がある位置を10cmとすると、音が1cm進むのに必要な時間は1/1500=6.6μsecである。
発信した超音波が反射体で反射しプローブに帰ってくるまでの時間は2×10×6.6=132μsecである。
パルス波を発信したあと、132μsecまでの時間、プローブで反射波を受信すると、実際の生体では様々な時間に反射波を検出できる。
この様々な時間はそれぞれの反射体までの往復時間に相当する。
片道時間×音速で反射体までの距離がわかる。
また、表示の強さは反射体の反射強度に比例する。
断層像を表示するにはパルス波を発信したあと、反射波の到着時間から表示位置を決定し、
反射強度から表示位置の明るさを決める。
(問題-23)
超音波ビームの走査方式の種類をあげよ。
(解答-23)
手動走査方式:コンタクトコンパウンドスキャナ。
機械走査方式:機械式スキャナ。
電子走査方式:電子スキャンプローブ。
(問題-24)
超音波ビームの走査方向の差による分類をしなさい。
(解答-24)
リニア走査方向:ビームを等間隔で平行に走査する。
セクタ走査方向:ビームをプローブを中心に扇形に走査する。
オフセットセクタ走査方向:ビームをプローブを中心に扇形に走査するが扇の要の部分を表示しない。
ラジアル走査方向:ビームをプローブを中心に全周的に走査する。
アーク走査方向:ビームをある焦点に向け収束する方向で走査する。
(問題-25)
リニア電子スキャン方法の特徴を説明しなさい。
(解答-25)
振動子1つが振動すると、音波は球面波として伝わる。
しかし複数の振動子が同時に振動すると、複数の球面波は互いに合成され、平面波として振動する。
リニア電子スキャンプローブには64-256個の振動子が1列に配置されている。
一般に数個の振動子を同時に振動させる。
次に振動させる振動子を1つずつずらしていく。
(問題-26)
電子フォーカス(送信時)の特徴を説明しなさい。
(解答-26)
リニア電子スキャンプローブには64-256個の振動子が1列に配置されている。
複数の振動子が同時に振動すると、複数の球面波は互いに合成され、平面波として振動する。
ここで同時に振動させず、中心より辺縁側を少し早く振動させると凹型の波面を形成する。
これが電子フォーカスのかけ方である。
(問題-27)
多段電子フォーカスの特徴を説明しなさい。
(解答-17)
電子フォーカスは送信1回につき、1ヶ所にしかフォーカスを合わせられない。
そこで同一の場所で複数の送信を行い、それぞれのフォーカス点を変えて得た画像を合成して、
あたかも複数(多段)箇所にフォーカスがあるように処理する方法のこと。
(問題-28)
電子フォーカス(受信時)の特徴を説明しなさい。
(解答-28)
多数の振動子を1列に配置したプローブで、ある1点の反射体からの信号を受信するとき、各振動子に到達する時間には差が生じる。同一地点からの反射波を同一の時相で受信出来るように遅延回路を用いて調整する。この処理を受信時の電子フォーカスという。
(問題-29)
セクタ型電子走査の特徴を説明しなさい。
(解答-29)
リニア電子スキャンプローブは1列に配置されている振動子を同時に振動し平面波として利用している。
セクタ型電子走査は1列に配置されている振動子を少しづつ時間差をもって振動させる。
すると、合成された波面は斜めの平面波を形成する。
遅延時間を大きくすると傾斜の度合い強くなる(広角になる)。
この遅延回路を使用し、ビームの方向を左右に振ると、
セクタ型電子走査の特徴である扇形の画面表示が生まれる。
(問題-30)
セクタ型電子走査において、素子数n=64、エレメントピッチd=0.4(mm)、角度45度方向にビームを向けるとき、64番目の素子の遅延時間を求めよ。
(解答-30)
リニア電子スキャンプローブは1列に配置されている振動子を同時に振動し平面波として利用している。
セクタ型電子走査は1列に配置されている振動子を少しづつ時間差をもって振動させる。
すると、合成された波面は斜めの平面波を形成する。
遅延時間を大きくすると傾斜の度合い強くなる(広角になる)。
この遅延回路を使用し、ビームの方向を左右に振ると、
セクタ型電子走査の特徴である扇形の画面表示が生まれる。
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