胸骨左縁 左室短軸腱索乳頭筋位
特徴
＜左室壁運動の評価および僧帽弁複合体の異常の有無を観察するための断面＞
・壁運動異常の検出、左室の輝度変化や壁厚の変化などの観察。
・僧帽弁複合体（腱索、乳頭筋、乳頭筋直下左室壁）の位置、大きさ、動きなどの観察。
患者の体位、体表上の探触子位置と方向
・患者の体位は左半側臥位または左側臥位をとる。
・胸骨左縁第３〜５肋間に探触子を置く。
・[胸骨左縁 左室短軸僧帽弁位]よりビームを少し心尖部方向に向ける。
・左室長軸上の目的部位を画面の中心に移動させてから正確に９０度回転させ観察する。
基本断面を得るための基準点
基本ポイントは左右乳頭筋を均等な位置で明瞭に描出する。
左室壁運動評価のポイント
・左室壁を冠動脈の支配領域を基に７つに分割した区域を用いると、局在する壁運動異常を表わしやすい。
・僧帽弁位から乳頭筋位の間で腱索が観察される断面で評価する。
・収縮期の収縮運動や壁厚増加に均等性が保たれているかを記録観察する。
・僧帽弁弁輪部付近は左室壁の動きが悪くみえることがしばしばあり、真の虚血との鑑別を要する。
・稀に左室後壁基部に限局した梗塞もある。
その際には、心電図変化、壁のひ薄化、輝度増強がないことを確かめる。
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