多数のご参加ありがとうございました。大変な熱気の中、大会を成功させることができました。 プログラムは こちらへ ->
JTTA2005 in TAKAMATSU 報告
2005年10月22日、サンポート高松にて、約200名の参加により開催された。企業展示も、設置スペースの予定を上回る13社からの参加があった。 会場は、四国の玄関たる高松の駅前に立地した明るく近代的な雰囲気のホールであった。同時期に、会場周辺で未来ICTフェスタも開催され、活気あふれる雰囲気の中で学術大会は始まった。 大会長 原 量宏の開会の挨拶に引き続き、学会長 村瀬澄夫、来賓の厚生労働省 齊藤 祟様より挨拶をいただいた。 名誉会長の開原成允先生が基調講演をされた。開原先生は、遠隔医療の高度技術と日常技術の側面を指摘され、特に高度技術としての遠隔医療が諸外国に比べて実施件数が少ないことが課題であることを示された。その振興のためには、学会がビジョンをもって、日本の医療への貢献を図る姿勢が重要と話され、学会の方向性を示す基調講演として貴重な指針となった。 シンポジウム 四国から飛翔する遠隔医療と健康管理 では、安田 浩先生から国レベルでのITの取り組みとセキュリティの重要性について講演をいただいた。立石先生は、愛媛大学から総務省の進める超高速ネットワーク(JGNII)を介して参加され、画像・音声とも鮮明であった。大津様は、行政立場から、大島様は市民の利用者の立場から、また、内山先生は、新たなヘルスケアサービス創出の立場から報告をされた。
昼食時には、ランチョンセミナーが開催され、テレビ会議システムを用いて、岩手県立釜石病院の小笠原先生からモバイルによる在宅妊婦管理システムのお話しをうかがうことができた。 一般セッションは、テレケアに関する演題が多く見られた。JTTAはTelemedicine and Telecareであり、学会のめざす臨床としての遠隔医療の方向性に合うものであった。また、分科会がセッションを設けたのも今学会の特徴である。分科会セッションは会場の都合で、少しはなれた第二会場での開催となったが、遠隔栄養サポート分科会、在宅医療支援分科会、過疎地・離島医療ネットワーク分科会の主催で3セッションが開催され、立ち見で身動きがとれないほどの盛況であった。 市民公開講座として、16時からは、ライブデモと特別講演を開催した。市民公開講座には大会参加者200名に加え、一般市民からも約100人の参加があった。ライブデモは、矢作先生の司会で、救急医療分科会の大林先生から、救急車内からの救急救命士の気管挿管のメディカルコントロール動画伝送のデモに始まり、続いて、地上では一番の僻地?である、南極昭和基地との交信を行った。大野先生からは、ライブの映像を示しながら南極基地での医療の報告をいただいた。南極の映像も非常に鮮明であり、極地遠隔医療が現実性のあるものであることが示された。
特別講演は、宇都先生の司会で、Dr.コトー診療所のモデルとしてもご高名な、離島医療の第一人者である瀬戸上健二郎にお話をいただいた。離島医療では、二次、三次と他の協力を仰ぐのは困難で、すべてを引き受ける覚悟が必要なこと、さらに、他の医師と比べたり、競争することに囚われることはないが、自ら自身の医療の姿勢に対峙しなくてはならないことが述べられた。離島という厳しい医療環境の中での、島民との真摯な交流も紹介され、市民の参加者も含めて大変感銘を受けた講演であった。遠隔医療は、医療の供給手段であり、それに関わる者としての医療への基本的な姿勢を学ぶことができたと思われる。また、瀬戸上先生が治療された「カモメ」が正に飛び立つ場面を退院時の写真として紹介されたり、ユーモアにもあふれ、あっという間の講演時間であった。 閉会では、酒巻先生より、次回の学術大会が群馬県で開催されるとの挨拶があった。 会議後の懇親会には瀬戸上先生にもご参加いただき、会員間の交流を深めることができた。遠隔医療学会は、医療従事者だけでなく、行政や市民の参加もあり、異業種交流会のごとく、様々な情報交換ができ、楽しく過ごすことができた。
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