第7回大会概要  
Last update: 2010. 2. 26
大会スケジュールをUPしました

第7回日本ワーキングメモリ学会大会

共催:京都大学グローバルCOEプログラム
「心が活きる教育のための国際的拠点」

大会概要 スケジュール シンポジウム要旨 発表者の方へ 学会参加について 非会員の方へ

【大会概要】

日時:2010年3月6日(土) 10:20-17:30
場所:京都大学文学部 新館2階第7講義室
(〒606-8501 京都市左京区吉田本町)
http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/index-j.html
(会場案内はこちら

懇親会
日時:2010年3月6日(土) 18:00-19:30
場所:京都大学文学部 新館2階第2演習室
会費:一般4,000円,学生2,000円

スケジュール

09:50 受付開始
10:20 開会 苧阪直行(京都大学大学院・文学研究科)
10:30 一般発表(1) 司会:苧阪 満里子(大阪大学大学院・人間科学研究科)
[1] ワーキングメモリが関与する文章読解過程における直喩の影響
勝原摩耶(京都大学大学院・文学研究科)
大塚結喜(京都大学・グローバルCOE(文学研究科))
苧阪直行(京都大学大学院・文学研究科)
[2] 日本語版リーディングスパンテスト成績の個人差と方略利用
遠藤香織(大阪大学大学院・人間科学研究科)
苧阪 満里子(大阪大学大学院・人間科学研究科)
[3] ワーキングメモリと視覚的イメージの相互作用
  東 美由紀(大阪大学大学院・人間科学研究科)
苧阪 満里子(大阪大学大学院・人間科学研究科)
11:15 休憩
11:30 一般発表(2) 司会:齊藤 智(京都大学大学院・教育学研究科)
[4] 乱数生成課題における実行系機能(方略競合と方略循環) 
  板垣文彦(亜細亜大学)
三浦祥恵(福島県立医科大学)
[5] 乱数生成課題における上昇・下降自然数系列と知的要因に関する再検討
  三浦祥恵(福島県立医科大学)
板垣文彦(亜細亜大学)
12:00 昼食(理事会)
13:30 一般発表(3) 司会:渡邊正孝(東京都立神経科学総合研究所)
[6] 視聴覚の知覚交替に及ぼすCOMT遺伝子多型の影響
近藤洋史(日本電信電話株式会社・NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
[7] ケンブリッジ・ギャンブル課題における感情語短期記憶の影響
望月 圭(京都大学大学院・人間環境学研究科)
船橋 新太郎(京都大学・こころの未来研究センター)
[8] 言語性ワーキングメモリ課題のパフォーマンスにおけるモニタリング機能について
     〜リスニングスパンテストによる検討
小森三恵(千里金蘭大学・現代社会学部)
14:15 休憩
14:30 一般発表(4) 司会:室橋春光(北海道大学大学院・教育学研究院)
[9] 各ワーキングメモリ容量と大学生におけるAD/HD傾向の関係
土田幸男(北海道大学・教育学研究科)
室橋春光(北海道大学・教育学院)
[10] 読み書きに困難のある子どもへの漢字書字学習支援
河村 暁(発達ルームそら)
[11] 英語の非単語反復成績に及ぼす母語の影響:
     日本人幼児・中国人幼児・バイリンガル日本人幼児の比較
湯澤美紀(ノートルダム清心女子大学)
湯澤正通(広島大学)
関口道彦(広島大学)
李思嫻(広島大学)
15:15 休憩
15:30 シンポジウム (総合司会:船橋 新太郎(京都大学・こころの未来研究センター))

*講演者:苧阪直行(京都大学大学院・文学研究科)
*演題「ワーキングメモリと未来社会」要旨
*場所:文学部新館2階第7講義室

総合討論 
 コメンテーター:
  齊藤 智(京都大学大学院・教育学研究科)
  渡邊正孝(東京都立神経科学総合研究所)
  室橋春光(北海道大学大学院・教育学研究院)
  板垣文彦(亜細亜大学・国際関係学部)
  苧阪 満里子(大阪大学大学院・人間科学研究科)
17:30 閉会 苧阪直行(京都大学大学院・文学研究科) 
18:00
19:30
懇親会(場所:文学部新館2階第2演習室;会費:一般4000円,学生2000円)

【シンポジウム要旨】

講演者:苧阪直行(京都大学大学院・文学研究科)

 ワーキングメモリ(working memory)は注意の時空間的かつ多重的なスイッチングにより制御されている。その意味でワーキングメモリとはワーキングアテンション(working attention)であるともいえる。ワーキングアテンションは社会も含めた環境へのフレキシブルな適応の担い手でもあり、これによってヒトは進化や成長を遂げてきた。とくに、最も成熟が遅く、最も衰退が早いといわれる前頭前野(prefrontal cortex: PFC)と頭頂葉などとリンクした脳の領域がワーキングアテンションにかかわるといわれる。この領域は40億年の脳の進化の最前線にあり、現在進行形で進化を先導しつつあるといえる。ワーキングアテンションは最適適応のためのプランをたて、それを実行に移すための準備を行う役割を担うが、これを実現するためにバッファとして作動するのがワーキングメモリである。
 ここ十年ほど大学生のワーキングメモリの容量の個人差を観察してきたが、リーディングスパンテストなどで測ったワーキングメモリの成績が著しく低下していることがわかってきた。携帯電話をはじめとする情報機器がもつ、使い勝手のよい外部記憶の増加が内部バッファとしての「脳のメモ帳」の機能劣化をもたらしていることが考えられ、教育上もシリアスな問題になりつつあるというのが筆者の印象である。しかも、これは未来の情報化社会がワーキングメモリの退化を促す可能性をもつという点で重要である。
 高度情報化社会が進展するほどワーキングアテンションへのムダな過負荷が生じ、ワーキングメモリの機能低下が促進されるという構造が見えてくる。ヒトの知性の進化を先導し、創造的な思考を促し、適応的な社会脳を発達させてきたワーキングメモリの危機が未来社会に落としつつある影について考えてみたい。

発表者の方へ

発表時間は,質疑応答を含めて15分間です。

ご使用いただける機材:

1)Windows(XP)マシン
パワーポイント2003がインストールされています(2007で作成されたファイルも読み込み可能です)。
データはフロッピーディスク・USBメモリ・CDで入力可能です。

2)MacPowerBookG4(OS10.4.9)
office2004がインストールされています。
データはUSBメモリとCDで入力可能です。

【学会参加について】

学会へのご参加は無料です。

発表されない場合は,事前にご登録いただく必要はございません。
事前登録が必要になるのは,【発表される場合】と,【懇親会に参加される場合】です。

皆様のご参加を,心よりお待ちしております。

【非会員の方へ】

発表を希望される場合はご入会ください。
ご参加のみを希望される場合でも,できればご入会いただければ幸いです。
入会方法は「入会案内」をご覧ください。
入会は無料です。

【会場案内】

建物配置(左)と構内(右)です(画像をクリックすると拡大表示されます)。
(京都大学文学部学生便覧より)