2004年4月3日開催されました日本獣医学会定時総会において、学術集会は年2回開催のうち、春季集会は学域横断、教育及び広報・啓蒙をキーワードとした各種のシンポジウム、ワークショップ等を主体としたプログラム、秋季集会は学域別研究発表と討論を主体とし、学会所属研究団体(分科会等)別のプログラムとして運営されることを原則とすることが決まりました。第139回春季学術集会はその原則に従って運営いたします。
今回の学術集会では、招待講演といたしましてノーベル化学賞受賞者であられます野依良治先生に「可能性に挑む21世紀の科学と技術」について、特別講演といたしまして文化勲章受章者であられます伊藤正男先生に「動物の脳とヒトの脳」についてのご講演をいただきます。両先生にはお忙しい最中、我々会員のために貴重なご講演をいただき感謝を申し上げます。また公開講演としまして、辨野義己先生に「みえてきた腸内細菌の全容と機能」についてという、我々健康にとって大変興味深い講演が行なわれます。
特別企画の一つとしましてインバイテッドセミナー「外国で活躍中の若手日本人研究者の研究紹介」を行います。これは日本の獣医系大学を卒業し、外国で3年以上継続して研究を行っている40歳以下の若手研究者を公募によって5名選定させていただきました。彼・彼女らの研究成果を直視することによって、若手研究者の精神的高揚にもなればと願っております。これに加えて、例年行なわれて参りました日本獣医学会賞並びに越智賞受賞講演、プレナリーセッションが行われます。
学術集会の全体的な企画は、獣医学会所属研究団体(分科会等)並びに獣医学会に関係が深い学術団体から選出されました春季学術集会企画委員によって構築されました。各委員には、初めてとはいえ、司宰機関からの学術集会に対する目論みをご理解いただき、多彩な企画を練っていただき感謝申し上げます。このようにして、学術集会全体の口演の部としましては、30セッションで150演題が講演されます。ポスターにつきましては、企画委員会による指定テーマについての公募とし、155題の出題がありました。これに特別企画としまして、獣医学部生が自由に出題できる「スチューデントポスター」を設け、56題の出題がありました。学部生が獣医学会に感心を寄せ、また学会発表の諸々を学ぶ良き機会になることを願っています。
冒頭で述べましたように、春季学術集会には学域を超えて、横断的な学術集会にするとの趣旨があります。ポスターの公募に当たっては所属分科会等にこだわることなく出題できることにいたしましたし、インフルエンザのセッションのように2分科会による合同企画、多くのセッションにおいて所属分科会に関係なく演者の相互乗り入れを行ない、春季集会の特徴作りに努力いたしました。講演要旨集のプログラムの整理ではあえて「分科会」とは謳わず、それらを専門分野別として扱っております。また、全ての口演要旨は、本文文字数を1,440字以内(従来の要旨の倍数)とし、各口演内容を理解しやすくいたしました。会員の皆様には、興味を持たれるるセッションに出席され、活発に討論下さいますようお願いいたします。
今回の学術集会は、理化学研究所と和光市民文化センター双方の7口演会場と2ポスター会場で行われます。会場が分散しておりまして、参会者の皆様にはご不便をおかけしますことをお許し下さい。また、会場は電車の最寄り駅からは少し離れ、徒歩(15〜20分)が一番便利で確実ですが、定期バスも多くあり、毎朝8時台には学会場へのチャーターバスを運行し、各会場間には頻繁に循環バスを走らせますので、講演要旨集またはhomepageの案内をご覧のうえご利用下さい。
理研は日本を代表する生物科学総合研究所として近年飛躍的に発展をいたしております。会員の皆様には、この学術集会を機会に理研キャンパスを訪れ、時間がありましたら理研の発展の歴史の一端を眼のあたりにすることができます「展示室」、脳・神経科学の研究を理解する一助とした高校生向きレベルの体験展示室「ブレインボックス」をご覧下さい。理研キャンパスは、例年ですと集会開催時期は桜が満開となり「桜通り」もあり、天気に恵まれれば富士山を遠くに眺めることもできます。
最後に、当学術集会開催に当たりましては、理研全体、理研・脳科学総合研究センター、(財)脳科学・ライフテクノロジー研究所、協賛者の方々に物心両面で多大のご支援をいただいております。ここにこれらの方々に衷心よりお礼を申し上げます。