日程表

4月19日(木) 第1日目
4月20日(金) 第2日目

4月21日(土) 第3日目

理事長講演

「日本消化器病学会の更なる発展に向けて」

跡見  裕 (日本消化器病学会; 杏林大・外科)

会長講演

「教室における大腸領域の研究について」

棟方  昭博 (弘前大・第一内科)

特別講演

1.「専門医制度 ―複雑性の単純化―」

藤原  研司 (横浜労災病院院長)

2.「わが国におけるIBD研究30年の歩み ― 班会議の活動を省みて」

武藤徹一郎(癌研究会有明病院院長)

3.「 暴飲暴食のから来ました。 」

伊奈かっぺい(タレント兼アナウンサー)

招聘講演

「 Helicobacter pylori, active gastritis and duodenal ulcer 」

Robin Warren (Nobel Prize Winner in Physiology or Medicine for 2005)

シンポジウム

S1. 胃癌における Helicobacter pylori 感染
     −基礎的・臨床的研究のその後−

司会 浅香 正博(北海道大・消化器内科)
菅野健太郎(自治医科大・消化器内科)

 Helicobacter pyloriH. pylori)と胃癌との関連については1994年WHOがH. pyloriを明らかに発癌と関わりのあるGroup1に指定したため、世界的に大きな関心事となった。上村らは、胃疾患患者を約8年間経過観察したところ、H. pylori陽性者から、2.9%の胃癌患者が発見されたのに対し、H. pylori陰性者からは1例の胃癌の発症もなかったことをNew England Journal of Medicineに発表した。一方、H. pylori感染と胃癌の関わりを動物実験で証明する試みが、1998年、わが国で相次いで成功した。また、H. pylori感染による胃癌発症の機序についても分子生物学的手法を取り入れて解明が進んでいる。
 現在最も注目を集めているのが、H. pyloriの除菌により胃癌の発生がどのくらい抑制されるかであろう。今回のシンポジウムでは、H. pyloriと胃癌の関わりおよび予防に関する基礎的並びに臨床的研究を広く募集したい。

S2. Innate immunity の control と IBDの治療戦略

司会 藤山 佳秀(滋賀医科大・消化器内科)
渡辺  守(東京医科歯科大・消化器内科)

 IBDの病態において、腸内細菌を認識するToll-like受容体やNod分子などのセンサー機構を介したinnate immunityはacquired immunityへの橋渡しとして病態形成に重要な役割を果たすと共に、障害された組織修復にも関与する事が推定されている。本シンポジウムでは単球/マクロファージ、樹状細胞、上皮細胞、T細胞、内因性抗菌物質、サイトカイン/ケモカイン、補体、Toll-like受容体などinnate immunityに深く関わる細胞・分子群のIBD病態における役割を明確にした上で、innate immunityそのもの、またはacquired immunityとのクロストークを標的としたIBDの治療戦略について、全く新しい知見の発表を期待したい。

S3. 進行肝癌に対する集学的治療

司会 山本晋一郎(川崎医科大・肝胆膵内科)
小俣 政男(東京大・消化器内科学)

 肝癌の治療は外科的治療をはじめとして、治療法の進歩により5−10年の長期生存が可能となってきました。 一方、進行癌、殊に門脈内腫瘍塞栓を伴った(Vp3−4)肝細胞癌の治療はこの30年間、必ずしも生存率の向上があったとは言い難く、殊にエビデンスレベルの高い研究は限られております。
 本シンポジウムにおいては、対象を日本肝癌研究会によるStage IV-Aおよび IV-Bの肝細胞癌に限定し、現在まで行った治療の効果を論じ、更に新たな治療法の開発或いはエビデンスレベルの高い研究に向けての議論を重ねたいと思います。同時に、進行肝癌で5年以上の長期生存例の個々の検討も行いたいと考えております。
 多数の演題をお待ちしております。

S4. 重症急性膵炎の治療と予後

司会 下瀬川 徹(東北大・消化器病態学分野)
神澤 輝実(都立駒込病院内科)

 過去の全国調査(1987、1998、2003年)によると、重症急性膵炎の死亡率は30%、21.7%、8.9%と減少傾向がみられ、この疾患に対する認識の高まりと治療法の進歩が伺われる。2003年には「急性膵炎の診療ガイドライン」が上梓され、重症膵炎に対する治療法にも一定の方向性が示されているが、エビデンスが不十分なため確立されていないものも含まれる。また、厚労省研究班では「重症度判定基準」をより簡便化する試みも進められている。ここでは、1. 新しい重症度判定基準に基づいた重症膵炎の治療体系、2. 蛋白分解酵素阻害薬・抗菌薬持続動注療法、血液浄化法、選択的消化管除菌、経腸栄養など特殊療法の導入前後の治療成績の変化、3. 胆石性重症急性膵炎に対する内視鏡治療のタイミングと治療成績、4. 合併症に対する最近の外科治療成績、の4点を取り上げ、具体的な成績に基づいて現状の問題点と今後の課題を明らかにしたい。

パネルディスカッション

PD1. 進行食道癌に対する治療の選択−手術 vs 放射線化学療法−

司会 幕内 博康(東海大・外科)
小原 勝敏(福島県立医科大・内視鏡診療部)

 従来、進行食道癌に対しては外科的根治術が第1選択の治療であったが、近年、化学・放射線療法が内科系腫瘍医を中心に広く行われるようになってきた。
 化学・放射線療法では手術をしないですむものの、1/3の症例は無効であり、CRに近い2/3の症例のうち半数は比較的早期に再発をきたしサルベージ手術を要する。また、晩期合併症も少なくない。
 一方、外科的根治術は開胸開腹を要する最も侵襲の大きい手術であり、十分な手術が可能な外科医は多くない。不十分な手術では害あって益はないとも言える。熟練の外科医が手術すれば60%以上の5生率が得られ、手術死亡も1〜3%と少ないが、術者間格差が大きい。
 どちらの治療法が、どのような場合に優れているのか、どちらをどのように適応すべきか、各施設で蓄積された症例の分析から、現在の考え方を述べていただきたい。

PD2. 上部消化管癌の内視鏡治療−EMRとESDのすみ分け−

司会 田尻 久雄(東京慈恵会医科大・消化器肝臓内科)
藤本 一眞(佐賀大・内科学)

 わが国で早期胃癌に対するEMRの手技が開発されて、20数年が経過した。EMRは、低侵襲性、機能温存性を最も具現化した根治的癌治療法として定着している。EMRの最大の問題点は不完全切除に伴う遺残再発であり、その頻度は分割切除例に高いことが判明している。その対応策として確実な一括切除を行うべく開発されたのがESDであり、さらなる展開として大きな一括切除による早期癌の内視鏡治療の適応拡大を目指すことにもなってきた。ESDは、ある意味では、現在の内視鏡技術の集大成的な治療法といえるが、メリットが大きい反面、難易度や偶発症のリスクも高い治療法である。また2006年4月から医療保険収載されたこともあり、全国的に急速な勢いで普及しつつある。しかしながら、“胃癌治療ガイドライン”の具体的適応条件のなかでEMRで一括切除可能なより小さな病変に対してもすべてESDを行う必要があるのかどうか、さらに表在型食道癌に対して、従来のEMRと新しい手技であるESDのすみ分けはどのように考えて実施していくのか、各々の施設の現状と治療成績をもとに論議したい。

PD3. クローン病の長期緩解維持をめざして

司会 樋渡 信夫(いわき市立総合・磐城共立病院)
福田 能啓(兵庫医科大・内科学下部消化管科)

 クローン病は未だ根治的治療法はないものの,急性活動期には従来の栄養療法に加えて抗TNFα抗体療法も加わり,治療に難渋する症例は比較的少なく,緩解導入率は高く報告されている.一方,緩解には導入できても,有用な緩解維持療法は確立されておらず,多くの症例が長期に緩解を維持できずに再燃を繰り返しているのが現状である.
  そこで,本パネルでは,内科的治療による緩解導入後の症例を対象に,さらに腸管手術により無症状となった症例も含めて,長期の緩解維持及び再発予防を目的にした治療法について発表していただきたい.薬物療法,在宅栄養療法,抗TNFα抗体療法,およびこれらの併用療法が主体になると思われるが,その適応や治療成績ばかりでなく,QOLや医療経済的評価についても述べていただきたい.
  多数の応募と活発な討論を期待する.

PD4. 血球成分除去療法の世界標準治療法確立に向けて
     ―基礎および臨床からの発信―

司会 日比 紀文(慶應義塾大・消化器内科)
松本 譽之(兵庫医科大・内科学下部消化管科)

 炎症性腸疾患の治療法として血球成分除去療法が本邦で開発・臨床応用されてから既に数年が経とうとしている。その間、学会や班会議を通して、ステロイド抵抗例やステロイド依存例などへの本治療法の適応が確立され、実地診療において広く利用されている。しかしながら、本治療法の効果発現機序や有効例を明らかにした形での適応あるいは効率的な実施法等について、エビデンスレベルの高いデータは十分とは言えず、世界的な標準治療の一つとしては扱われていないのが現状である。一方、米国やヨーロッパにおいて、シャムカラムを用いてRCTによるpivotalな試験が行われている。このような状況で、日本で開発された本治療法を世界の標準的な治療として定着させていくために、良くデザインされた臨床研究を実施するとともに、本治療の機序を解明し、それに基づいた適格な治療プロトコルを確立することが重要である。本パネルディスカッションにおいては、このような点について、基礎的・臨床的な演題をいただき、日本発の本治療法を世界の標準治療とするため、何が重要でどのような点を解明すべきかなどを討議したい。

PD5. 大腸LSTの病態からみた内視鏡的治療−EMR vs ESD−

司会 司会 牧山 和也(春回会 井上病院)
松井 敏幸(福岡大筑紫病院・消化器科)

 大腸LST(laterally spreading tumor)は側方に発育する腫瘍で、顆粒型(granular)と非顆粒型(non-granular)に大別される。前者は、さらに顆粒均一型と結節混在型に分けられる。その病態(年齢、性、占拠部位、癌併存、組織型、異型度、粘膜下層浸潤度)は、各病型により異なる。多数例の分析からみた肉眼像と組織学的検討を行っていただき、とくに術前組織診断と深達度診断について最新の内視鏡手技を駆使したデータをもとに議論を深めていただきたい。さらに、これまで本腫瘍に対しては内視鏡的治療のうちEMR治療が主体であったが、最近ではESDが用いられ始め、その手技の進歩と両者の切除成績(合併症発生率を含む)が集積されていると考えられる。本腫瘍の内視鏡的治療にあたってはその病態をふまえて治療法を選択すべきであり、施設の成績と考え方を集めて“病態からみた治療方針“を導き出したい。

PD6. 高齢者C型慢性肝疾患に対する治療のあり方

司会 熊田 博光(虎の門病院肝臓センター)
林  紀夫(大阪大・消化器内科学)

 C型慢性肝疾患は本邦で最も多い肝疾患である。C型慢性肝炎に対してはペグ・インタ−フェロンとリバビリンの併用療法により従来難治例であった1型高ウイルス量症例でも約50%でウイルスの排除が可能になったが、高齢者では治療効果も低く、副作用の出現率も高い。本邦のC型慢性肝疾患の特徴は高齢者が多いことであり、副作用等により併用療法が行えない症例や肝病変があまり進展していない症例でも発癌することがあり、高齢者C型慢性肝疾患に対する対策が急務である。そこで、本パネルディスカッションでは、高齢者C型慢性肝疾患に対する治療の現状と問題点を明らかにし、今後の治療のあり方を討論したい。

PD7. IPMN/MCNの長期経過と予後

司会 税所 宏光(化学療法研究所附属病院)
田中 雅夫(九州大・臨床腫瘍外科)

 Intraductal papillary mucinous neoplasm (IPMN)は主膵管型と分枝型に大別され、分枝型が進行して主膵管に及んだと思われるものは混合型と分類される。膵体尾部に生じた分枝型IPMNとmucinous cystic neoplasm (MCN)が混同されることがあったが、画像診断上の特徴をよく理解することによって鑑別はさほど困難ではなくなった。MCNの治療方針は比較的単純であるが、IPMNの治療に関しては嚢胞径、壁在結節の有無およびサイズによって悪性病変の頻度が異なることから適切な選択が必要となる。国際膵臓学会の診療ガイドライン(Pancreatology 2006;6:17-32)が出版されたこの段階で、これらの疾患の長期にわたる観察結果と予後を見直し、治療と経過観察の方針の改訂に向けた検討を始めることは意義深い。本パネルではとくにIPMNの長期観察結果、治療後の再発や予後についての演題を期待したい。

PD8. 消化器癌の外来化学療法がもたらしたもの

司会 上西 紀夫(東京大・消化管外科学・代謝栄養内分泌外科学)
坂田 優(三沢市立三沢病院)

 消化器癌の化学療法は1957年Heidelbergerによる5fluorouracil(5FU)の合成により夜明けをむかえた。その後さまざまな抗がん剤の開発が行われ今では数々の有効薬剤が世に出たが、5FUの重要性は変わることなく多くの化学療法の基本的薬剤として用いられている。わが国では5FUの経口剤が開発されS1で最高の抗腫瘍効果を生み出した。一方でmitomycin C,anthracycline系薬剤、の登場のあとcisplatinが臨床応用され次いでCPT-11、taxane系薬剤と発展しgemcitabineそしてoxaliplatinさらにはmolecular targeted agentまで進んできている。胃癌はもちろん大腸癌、肝胆膵癌、など今まででは考えられなかった有効性が認められている癌腫もある。20世紀では入院中心に治療が行われいかにも治療しているというもののQOLの面からは自由度が低い傾向にあったが、いろいろな医療器材の開発や投与方法の考案によってほとんどの場合外来治療が可能になってきたといってよい。今ではなべて外来治療が推奨される時代になってきているが、入院治療と外来治療の本質的な違いは果たしてQOLの向上のみなのかそれとも別の面になにか利点があるのか、また外来治療における不利益が存在するのかが問題となる。このパネルディスカッションでは入院から外来治療へ転じた癌腫による治療法、投与法の差異、利点欠点、さらには医療者側からの思い、患者側からの願いを治療費用なども含めてパネリストと聴衆で意見交換し将来の外来化学療法の姿を映してみたい。

ワークショップ

WS1. 進行大腸癌の最適な化学療法

司会 今井 浩三(札幌医科大)
佐々木 巖(東北大・外科病態学講座生体調節外科分野)

 近年わが国における大腸癌の罹患ならびに死亡は大幅に増加している。この傾向は、高齢化に伴いさらに拍車がかかりつつある。一方、大腸癌に対する化学療法も最近大きな進歩がみられ、新しい方向として、抗体との併用療法もさらに良い効果が報告されている。ここでは、進行大腸癌に焦点をあてて、最適な化学療法について、その最前線の知見を共有するために、ワークショップを開催する。科学的検証に耐え得る発表を期待する。また、日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会ならびに全国がんセンター協議会の4組織でつくる「がん治療認定医」が発足の予定であり、このワークショップの成果が、「がん治療認定医」候補の若手医師にとっても有益な最新情報になることも期待される。どうぞ、奮ってご応募されたい。

WS2. 小腸出血の診断と治療の進歩

司会 飯田 三雄(九州大・病態機能内科学)
金城 福則(琉球大・光学医療診療部)

 これまで、食道、胃、十二指腸下行脚までの上部消化管と肛門から終末回腸に至る下部消化管の出血性病変に対しては、内視鏡は診断のみならず治療の面においても十分に活用されてきた。しかし、小腸出血については診断はおろか治療においても困難なことが多かった。また、小腸の出血性病変は一般に出血部位の同定が困難であり、外科的治療を必要とする場合、切除範囲が必要以上に広くなる傾向があった。小腸は消化吸収という生命維持に必要な重要な役割を担っており、切除範囲を最小限とすることが望まれる。
 そこで、近年開発され普及しつつあるカプセル内視鏡とダブルバルーン内視鏡は小腸出血の部位・質的診断において重要な役割を果たしていると思われる。また、ダブルバルーン内視鏡を用いた内視鏡的止血術によって、外科的切除を免れた症例も増加していることが予想される。以上の背景をふまえ、本ワークショップでは、小腸出血の診断と治療における最近の進歩について議論してみたい。多数の経験例を基にした、多方面からの演題発表を期待したい。

WS3. 肝細胞癌根治療法後の再発抑制

司会 鈴木 一幸(岩手医科大・第一内科)
河田 純男(山形大・消化器病態制御内科)

 わが国の肝細胞癌の年間死亡者数は約34,000人であり、その多くは肝炎ウイルスとくにHCVによるものである。近年、C型慢性肝炎例(一部は肝硬変)に対してはHCVのウイルス消失のみならず発癌抑制をも視野に入れた積極的な抗ウイルス療法が展開され、その結果として肝細胞癌による死亡者数が頭打ちになってきている傾向が認められている。しかしながら、自然経過例では初回根治療法後の再発頻度が高いことから、何らかの原因療法を追加する必要がある。そこで、本ワークショップでは、肝細胞癌初回根治療法後の癌再発抑制を目的にした抗ウイルス療法、ビタミンK製剤などによる治療のみならず各施設で独自に取り組んでいる新たな試みを含めて、肝細胞癌根治療法後の再発抑制に有効な治療法について議論してみたい。なお、HCVのみならずHBVや原因不明例(HASH発癌例も含む)に対する試みについても多くの演題を期待している。

WS4. 鉄代謝と消化器疾患

司会 岡上  武(京都府立医科大・消化器病態制御学)
高後  裕(旭川医科大・消化器血液腫瘍制御内科)

 鉄は、生体の必須金属原子で、鉄欠乏・鉄過剰とそれに伴う臓器障害はよく知られている。鉄原子は、ヘム鉄、鉄含有酵素、鉄貯蔵蛋白質などの形で存在するほか、細胞内自由鉄は、過剰になるとFenton反応を介してラジカルを産生させ、炎症、細胞障害、発癌などに重要な役割を果たしている。近年、分子生物学的手法の進歩により消化管の鉄吸収分子や生体鉄代謝を調節するホルモンHepcidinなど、多くの関連分子が同定されている。一方、消化器疾患においてはHelicobacter pylori感染に伴う原因不明の鉄欠乏性貧血が除菌により、C型慢性肝炎では瀉血により肝機能が改善するなど興味ある臨床的事実が明らかになり、消化器疾患と鉄代謝異常の関連が注目されている。本ワークショップでは、消化管・肝臓など鉄の吸収・貯蔵に重要な臓器における鉄代謝分子機構、酸化ストレスと鉄、消化器の炎症・発癌と鉄代謝異常の関連などを、病因、病態、治療の面から論じる事としたい。

WS5. Metabolic syndromeと消化器疾患

司会 渡辺 純夫(順天堂大・消化器内科)
岡崎 和一(関西医科大・消化器肝臓内科)

 近年、わが国においても食習慣や生活様式の欧米・近代化にともない、複合生活習慣病であるメタボリック症候群が増加しており、新しい国民病として注目を浴びている。その根底には内臓脂肪症としての肥満が存在し、脂肪組織から分泌されるレプチン、TNFα、アデイポネクチンなどのアディポサイトカインの作用により高血圧、糖尿病、高脂血症を生じ、これらが複合的に作用して動脈硬化を進行させるという一連の過程が明らかになった。一方、NASHなどの非アルコール性脂肪性肝障害、虚血性消化器疾患、胃食道逆流症など、種々の消化器疾患と本症候群との関連性も推定されている。本症候群では、消化吸収機能、免疫機能、自立神経機能など、種々の生理機能の変化が示唆されているが、これら消化器疾患の病態形成における機序については未だ不明な点が少なくない。本ワークショップでは、メタボリック症候群と消化器疾患の関連性について議論したい。

WS6. 消化器疾患と呼気機能検査

司会 中村 光男(弘前大・保健学科)
木下 芳一(島根大・消化器肝臓内科学)

 21世紀の医療の一つは安全で、簡便で、診断能が高く、反繰できる検査法の開発にある。この意味で、13C化合物を用いた検査法が、各施設で勢力的に進められている。実際13C-ureaはHelicobacter pylori検出法として広く普及している。
 測定器は同一でも、投与する基質(13C化合物)が異なれば、消化器病の様々な臓器の病態を診断できる。例えば、13C-acetateなら胃排出機能、13C混合中性脂肪や13C Benzoyl tyrosyl alaninなら膵外分泌機能をまた、小腸通過時間、lactose intolerance、大腸機能、肝機能などの診断に13C化合物が試みられている。更に食事の負荷法の問題、外科手術後の問題なども提起されている。これらの消化器全般にわたり、何がどのように診断でき、従来法と比べ、いかなるメリット、デメリットがあるかを本ワークショップで議論したい。