シンポジウム8 難治性悪性腫瘍の治療戦略:肺癌、スキルス胃癌、膵癌、胆道癌
10月14日 第 7 会場 時間:09:00〜11:50
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S_08
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マトリックス分解酵素(MMP)阻害剤を用いた胃癌腹膜播種治療

大谷 吉秀1), 木全 大1), 五十嵐 直樹3), 横山 剛義1), 和田 則仁1), 桜井 嘉彦4), 皆川 彰子1), 栗原 直人1), 久保田 哲朗1), 熊井 浩一郎1), 亀山 香織2), 岡田 保典2), 北島 政樹1)
慶應義塾大学 医学部 外科1), 慶應義塾大学 医学部 病理2), 永寿総合病院 外科3), 国立栃木病院 外科4)


【目的】MMP阻害剤は全く新しい視点に立った転移治療薬として開発され、MMPの過剰発現に伴う組織の破壊を抑制することで癌の周囲組織への浸潤や遠隔転移を制御し、癌をfreezeした状態にするものである.また、胃癌腹膜播種は患者の生命予後を規定する重要な因子の一つである.今回、臨床応用の前段階としてヌ−ドマウス腹膜播種モデルを作製し、スペクトラムの異なる2種類のMMP阻害剤について転移抑制効果を検討した.【方法と結果】BALB/c ヌ−ドマウスに胃癌培養株TMK-1(5x105)を腹腔内(ip)投与し、5週後に腹膜転移結節を計測するモデルを作製した.MMP阻害剤はR-94138(matlystatin)およびTA-2516(marimastat)を用いた.R-94138は30 mg/kgをTMK-1を投与後1週目から5日間連日ip投与した.TA-2516は背部皮下のmicro osmotic pumpから18 mg/kg/day を4週間持続投与した.TMK-1接種後5週目に犠牲死させ結節数、結節重量を計測したところ、それぞれの薬剤において対象群に比べ有意に転移結節形成の抑制が認められた.【考察】MMP阻害剤は既存の制癌剤にみられる殺細胞性はなく、癌の進展に伴う細胞外マトリックス破壊の阻止を目指した全く新しい薬剤である.今後の臨床応用が期待される.

JSCO37 抄録集