重症急性呼吸不全にいたる呼吸器感染症に関する情報

2009年のインフルエンザA-H1N1の流行以来、急速に発症し重篤な呼吸不全症状を引き起こす感染症の原因となる新たな病原微生物のサーベイランスが続けられている。

日本呼吸療法医学会は、人工呼吸療法を専門とする学術集団として、我が国の急性呼吸不全治療に携わる医師ならびに関係者に最新の情報を提供し、治療体制の整備を支援してきた。現在、重症呼吸不全を発症させる2つのウィルスが監視されている。本学会では、これらのウィルスによる呼吸器感染症に関する情報提供と、体外循環を含めた人工呼吸療法の支援を引き続き行っていく。

なお、これらのウイルスによる大規模な感染症の流行を阻止するために新型インフルエンザ等対策特別措置法が定められた。診療にあたっては周知されるようお願いする。さらに、大規模な流行に備えるには非流行時からの準備が重要である。欧州集中治療医学会の推奨手順が日本集中治療医学会ホームページに掲載されているのであわせて紹介する。

日本呼吸療法医学会
理事長・危機管理委員会委員長

中国・湖北省武漢の新型コロナウイルスによる肺炎について

2020年1月17日

各位

一般社団法人日本呼吸療法医学会

理事長

安全対策・危機管理委員会

中国・湖北省の武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎に関してニュースなどで報道されていますが、国内でも武漢に渡航歴のある肺炎患者から同ウイルスが確認されたとの情報が得られています。

厚生労働省ホームページ(1月16日)

現時点では「持続的なヒトからヒトへの感染は確認されていない」とされていますが、武漢への渡航後に呼吸器症状を呈している患者などを診察する際には十分に配慮され適切に対応いただきますようお願いいたします。

引き続き最新情報にご注目ください。

中東呼吸器症候群(MERS-CoV)関連のお知らせ

■ 韓国におけるMERS(中東呼吸器症候群)発生について

2018年9月20日

日本呼吸療法医学会の皆さま

危機管理委員会

委員長 大下慎一郎

韓国でMERSが発生したと発表がありましたので,情報共有を致します.併せて,英国でのMERS発生についても情報共有致します.2015年のアウトブレイク以来の初めての報告になります.

[厚生労働省検疫所・韓国におけるMERS事例,2018年9月9日(https://www.forth.go.jp/topics/20180910.html)

厚生労働省検疫所・英国におけるMERS事例,2018年8月31日

MERS特異的治療はないため,通常の重症呼吸不全と同様の治療を行うことになりますが,今一度,MERSについてこれまでに分かっている情報をお伝え致します(一部の情報は必ずしも学術的に確認されている内容ではありません)。

・中東諸国への渡航歴

・ラクダとの接触歴

・発熱,呼吸器症状(咳・息切れ),消化器症状(下痢)を呈する

・ヒト-ヒト感染あり(標準予防策+飛沫感染予防策必要,エアロゾル発生する処置時には空気感染予防策)

・血液・便からもウイルスが検出される可能性あり

・基礎疾患(糖尿病,腎不全,慢性肺疾患,免疫不全)のある患者はハイリスク

・ECMOが有効な症例あり(救命率:ECMO 77%,人工呼吸器 44%)[Choi WS. InfectChemother 2016]

・心膜炎合併が多い可能性あり

・多臓器不全(MOF)を起こしやすい

何か追加情報が分かればご連絡を致します.引き続きどうぞよろしくお願い致します.

■ 韓国での中東呼吸器症候群(Middle East respiratory syndrome-coronavirus; MERS-CoV)で、死亡患者が出ています(第3報)

韓国でのMERS-CoV感染は、150人で感染が確定されており、16名の死亡が確認されています(2015年6月15日現在)。

また、我が国の厚生労働省からは、「中東呼吸器症候群(MERS)の国内発生時の対応について」という文書が発表されています(2015年6月10日付)。

本会会員におかれましては、上記ウェブサイトの厚労省からの文書をご一読いただき、疑い患者が発生した場合には、適切にご対応いただきますようお願い申し上げます。

また、MERS-CoVに関しての情報は、国立感染症研究所]/厚生労働省検疫所のサイトもご覧ください。

日本呼吸療法医学会

危機管理委員会 委員長

■ 韓国での中東呼吸器症候群(Middle East respiratory syndrome-coronavirus; MERS-CoV)で、死亡患者が出ています(第2報)

韓国でのMERS-CoV感染は、87人で感染が確定されており、5名の死亡が確認されています(2015年6月8日現在)。

また、我が国の厚生労働省からは、下記の文書が発表され(2015年6月4日付)、我が国で疑い患者が発生した場合の対応法が示されています。

本学会会員におかれましては、上記ウェッブサイトの厚労省からの文書をご一読いただき、疑い患者が発生した場合には、適切にご対応いただけますようお願い申し上げます。

日本呼吸療法医学会

危機管理委員会 委員長

■ 中東呼吸器症候群(Middle East respiratory syndrome-coronavirus; MERS-CoV)のリスクアセスメント

国立感染症研究所のホームページで、「MERSのリスクアセスメント(6月4日発表)」を含むMERS-CoVに関する最新情報が得られます。ご参照ください。

日本呼吸療法医学会

危機管理委員会 委員長

■ 中東呼吸器症候群(Middle East respiratory syndrome-coronavirus; MERS-CoV)に関する新着情報

MERS-CoVに関する最新情報は、厚生労働省検疫所のウェブサイトの新着情報のページで得られます。

日本呼吸療法医学会

危機管理委員会 委員長

■ 韓国での中東呼吸器症候群(Middle East respiratory syndrome-coronavirus; MERS-CoV)で、死亡患者が出ています

(2015年6月3日現在)

韓国でのMERS-CoV感染は、30名への感染が確定されており、2名の死亡が確認されています(2015年6月3日現在)。

また、我が国の厚生労働省からは、文書が発表され(2015年6月1日付)、

1.韓国での状況

2.我が国で疑い患者が発生した場合の対応

以上2点が示されています。

本会会員におかれましては、上記ウェブサイトをご一読のうえ、疑い患者が発生した場合には適切にご対応いただきますようお願い申し上げます。

日本呼吸療法医学会

危機管理委員会 委員長

■ 中東呼吸器症候群(MERS-CoV)発生のお知らせ(2015年5月21日現在)

中東呼吸器症候群(Middle East respiratory syndrome-coronavirus; MERS-CoV)の患者が韓国で発生しました。

中東から帰国をした韓国人1人が韓国国内でMERS-CoVを発症し、家族1人と入院した施設でもう1人の二次感染による同疾患の発症(合計3人)が確認されたようです(2015年5月21日現在)。

本会としては、現時点で特別な対応を取る必要がないと考えておりますが、今後の情報に注視していきます。

日本呼吸療法医学会

危機管理委員会 委員長

新型コロナウィルス(MERS-CoV)について

日本呼吸療法医学会・危機管理委員会

ヒト-ヒト感染する。感染者数は中東を中心に2012年9月より2013年5月24日までで44名、うち死亡者数は22名で、50%という高い致死率を有する。国内では感染例は発生していない。診断はPCRにて行う。急性呼吸窮迫症候群を呈するためICUでの治療が必要である。

鳥インフルエンザA(H7N9)ウィルスについて (2013年5月26日現在)

日本呼吸療法医学会・危機管理委員会

1)疫学

感染力;H1N1>H7N9>H5N1

病原性;H5N1>H7N9> H1N1

免疫原性が低く抗体ができにくい(なんと感染しても抗体ができない可能性あり)。ヒト―ヒト感染疑いはあるが継続して感染している証拠がなく、現状ではヒト―ヒト感染は証明されていない。

2)病態と診断

潜伏期は中央値で6日(IQR:1-10日)。中国CDCは養鶏所閉鎖後に7日で新規患者が減少したとして7日としている。発症から死亡までの中央値は11日(IQR:7-20日)。ICU管理は65%で必要。咽頭ぬぐい液20,000検体でリアルタイムPCRにて陽性率は0.03%(6検体)であり、臨床現場での有用性は少ない。下気道と上気道からの検体で複数回のPCRが必要。PCR検査は全国保健所で行われるが、判定まで数日を要する。

中国からの報告によると、ICU入室率は77%で54%はICUに直接入室であった。入室理由は72%がmildからmoderateのARDS、26%はショックであった。症状自覚からARDS発症までの期間は平均7日(1-19日)だった。ARDSのうちの82%は気管挿管、人工呼吸を要し、25%はECMOを必要とした。(N Engl J Med online first. May 22 2013, at NEJM.org)

3)疑似患者ならびに確定例に対する院内感染対策

H7N9は指定伝染病として扱われる。

資料

4)治療

臨床診断が重要。確定診断には時間を要するため治療を開始する。早期に抗インフルエンザ薬を使用する。重症化が懸念される免疫抑制例や重症入院患者では倍量長期投与が推奨される。ステロイドの有効性は確立していない(H1N1では否定的な報告がある)。

重症呼吸不全に対するECMO治療

日本呼吸療法医学会・危機管理委員会

超重症例では陽圧換気による肺傷害を回避するために、ECMOの導入が推奨される。

重症呼吸不全に対するECMO治療は、循環補助のためのECMOと異なるため、十分な知識と経験を持った施設に相談し、迅速に対処することを推奨する。患者搬送を含め、地域での連携が重要であり、日ごろから関係を構築しておくことを強く推奨する。

ECMO治療について(日本呼吸療法医学会ECMOプロジェクト)

パンデミックや大災害時の集中治療室の効率的かつ効果的な運用についての手順

日本集中治療医学会HP内(日本語訳のみ)

参考文献・サイト

日本呼吸療法医学会・危機管理委員会

▼ 国立感染症研究所のサイト

MERS関連

H7N9インフルエンザ関連

▼ 厚生労働省のサイト

MERS関連

H7N9インフルエンザ関連

厚生労働省検疫所のサイト